不知火検校(90点)

2009年01月05日 05:41

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元々六代目菊五郎のために宇野信夫を書いた戯曲を勝新太郎がプロデュースして映画化にこぎつけた。当時まだまだ無名に近かった勝新が宇野の家に行き菊五郎の物まねをして宇野に大層気に入られて映画化の許可を得たというから凄いではないか!監督は森一生!1960年の白黒作品ではあるが、現在の日本映画においてこの水準に達している作品があるだろうか?悪の権化のような主人公が怪物となっていく過程や、目明きになっている夢を見たり、両親はおろか女性からも愛情を注がれない薄幸な男の哀しみを描いており秀逸である。徹底した悪玉なのだが、魅力を感じるのは勝新の演技力の賜物であろう!この共演を機に結婚した中村玉緒がそれはそれは初々しく可愛らしい。貧しい長屋に産まれた七之助は盲目だったが、知恵遅れの少年に手引きさせて祭りの酒を頂いてきたり、若旦那風の男を騙して一両せしめたりと空恐ろしい子供であった。それも善良だが甲斐性のない父親と貧乏を嘆いてばかりいる母親の愚痴を聞いて育ったからであろうか?成長した七之助は初代不知火検校(荒木忍)の所に弟子入りして杉の市(勝新太郎)と名乗っていた。ある日、検校のお使いで川崎に行くことになったが、途中の鈴が森で癪をおこして苦しんでいる旅人に出会う。治療してやろうとするが、男が200両もの買い付け金を所持していると聞いて、男の延髄に針を打ち込み殺害。200両を頂くがその様子を見ていた生首の倉吉(須賀不二男)にゆすられる。杉の市は半分の100両を渡してやり、今度会いに行くからと倉吉のお守りをもらうのだった。倉吉が去った後、そのお守りを死体の手に握らせる杉の市だった。又あるときは材木屋の大店に按摩療治に呼ばれるが、店の主人と妾が材木の売上金を隠しているのに気づく。(相手は盲目の杉の市には警戒していないのだ)そこへ鳥羽屋丹治(阿部徹)ら3人組の強盗が入ってきて売上金を出せと脅して、白状しない店主と妾を殺害。その声に聞き覚えのあった杉の市は「そこにいるのは倉吉さんですね。」と話しかけて売上金のありかを教えて分け前にありつく。気絶していた材木商の娘を連れ帰って、夜半手篭めにする杉の市。娘は悲観して川に身投げする。だが杉の市は「バカな女だ!」と吐き捨てるように言うのだった。検校に借金の断りを言いにいくよう言われた杉の市。早速、旗本・岩井籐十郎(丹羽又三郎)の屋敷に向う。お内儀の浪江(中村玉緒)の弟が金を使い込み、夫に内緒で50両もの金がいったのである。浪江に杉の市は証文もいらない。無利子で自分が50両貸そうと持ちかける。
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安心しきった浪江に揉み療治をするが、隙を見せた浪江を陵辱する杉の市。翌朝、夫が帰宅。帰り際に杉の市は浪江に「昨夜預けた50両をお返し願えますか?」と言うのだった。(相当にワル!)金を貸して欲しかったら自分の家に来いと浪江にいう。恥を忍んでやってきた浪江に5両の証文を書かせて10日間通って来いという杉の市。だが6日目に夫の知るところとなり、浪江は自害する。夫は杉の市の家にやってくるが、杉の市は危険を感じて逃亡して鳥羽屋に行く。そして丹治らに不知火検校の家を襲うよう言うのだった。そうして杉の市は念願の二代目不知火検校におさまる。5年経ち、豊国の美人画のモデルおはん(近藤美恵子)を金にモノを言わせて嫁にする不知火検校だったが、おはんには指物師の房吾郎(鶴見丈二)という間男がいた。それを知った検校、おはんに言って長持ちを作らせる。長持ちを屋敷に持参した房吾郎に毒を飲ませてついでにおはんも殺害。2人の死体を長持ちに入れさせる。その頃、倉吉が旗本の岩井につかまって不知火検校が杉の市であることを喋ってしまう。それを聞いていた岡っ引き。7年前の鈴が森の殺しの件で倉吉のお守りが死体に握らされていたことを聞いた倉吉は全部白状してしまう。今日は将軍家の姫君の療治に上がるという日。不知火検校こと杉の市は捕縛されてしまうのであった。彼は「馬鹿野郎!」と吐き捨てるようにつぶやく。
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フォー・ザ・ボーイズ(80点)

2009年01月05日 05:03


そう綺麗でもないベット・ミドラーがだんだんチャーミングに見えてきて映画が終わる頃には大好き!になってしまっている映画。監督はマーク・ランデル。ベット・ミドラーの「P.S.アイ・ラブ・ユー」など素晴らしいナンバーの数々を堪能できる。ジェームズ・カーンとの掛け合いも魅力的だ。冒頭、ディクシー・レオナルド(ベット・ミドラーが老女のメイクで登場)の家にTV番組のスタッフ、ジェフ(アリー・グロス)がやってきて、特別番組でエディ&ディクシーに全米芸術勲章が授与されることになったので是非出演して欲しいと迎えにやってきたのだ。だがディクシーはすこぶるご機嫌斜め!出演は無理か?と危惧するジェフにディクシーはエディとの馴れ初めを話し始めるのだった。1942年、夫を戦場に送り出して4歳の息子ダニーと2人、生活にも事欠く毎日だったディクシーだったが、伯父のアートの伝言でエディ・パークス(ジェームズ・カーン)の戦地慰問団に加わらないかと誘いがくる。ナチス空襲下のロンドンにいたディクシーは一も二もなく引き受ける。自分のキャラを食いそうな個性的なディクシーを嫌がっていたエディだったが、2人の掛け合いが思いの他、兵士(ボーイズ)たちに受けて大人気を博してしまう。彼らはどの戦地に行っても兵士たちの熱烈歓迎を受けた。北アフリカではディクシーのためにサプライズが用意されていた。戦地の夫と再会できたのである。(このシーンが感動的!勿論素晴らしい歌声も聞かせる)だがそれ以後ディクシーが夫と会えることはなかった。朝鮮戦争の時、伯父のアートが解雇されて、ブチ切れたディクシーはエディとコンビを解消してしまう。だが息子のダニーはエディを父親のように慕っており、エディの口ききでベトナムに赴任するのだった。エディとケンカ別れしたもののディクシーは仕事がなくて困窮していた。早速エディからベトナムへ来ないかという誘いがくるのだった。ダニーもいると言われて息子会いたさにやってくるが、べトコンの襲撃を受けてしまい、息子は戦死。失意のディクシーを慰めてくれるのはエディしかいなかった。2人は結婚することはなかったが、仕事上の良きパートナーだったのである。一通り話し終えたディクシーはテレビ局へ向う。ステージの先には懐かしいエディがおり、早速お得意の毒舌でエディを言い負かすディクシーの姿があった。見終わった後に、温かい気持ちになれる作品である。何よりミドラーの魅力満載!の映画。

白い犬とワルツを(50点)

2009年01月05日 04:41

To Dance With the White DogTo Dance With the White Dog
(2002/07/01)
Terry Kay

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2001年に140万部も売れたテリー・ケイの小説を月野木隆監督が映画化。在日韓国人の母子が登場するのだが、こういった演出はすこぶる疑問である。40年前、看護婦になりたかった光恵(藤村志保)は造園業の私(仲代達矢)と結婚して3人の子供を授かった。妻の内助の功もあり私は樹木医として周囲から認められる存在となった。妻の誕生日だからと近くに住んでいる2人の娘たちが、ささやかなお祝いをしてくれる。だが翌日、仕事から帰ってみると妻が裏庭で倒れていた。病院に担ぎ込まれた妻は三本の指を立てて私に何か言いたそうだったが、私は「わかったから安心しろ!」と叫んだ。その声に納得したように妻は亡くなってしまう。葬式が終わり私は自宅にはいたたまれず、山の作業小屋に住むことにした。だがその頃から私には白い犬が見えるのだった。犬は確かにいて、私が一人の時はいつもそばに寄り添ってくれる。まるで死んだ妻の化身のような犬だったが、2人の娘たちは私がとうとうボケたと言い心配するのだった。長女の由恵(南果歩)は夫も子供もいたのだが、心配して毎日のように来てくれる。次女の恵美(若村麻由美)は離婚して子供がいたが心配だから一緒に住もうかなどと言い出すのだった。懇意にしていた在日朝鮮人の洪さん(横山道乃)の息子、秀一(豊原功補)もやってきてお悔やみを言ってくれるのだが、秀一は子供の頃に木の下敷きになって亡くなった長男、栄一郎の代わりに自分が死んだ方が良かったと思っているだろうと言う。弟子入りした秀一を殴りつけたこともあったが、秀一がそんな風に思っているとは・・・・。(この辺りが不可解)その時、私は妻が三本の指を立てた意味に思い当たる。栄一郎の骨を山桜の下に埋めたのだった。妻と私の骨もそこに埋めてもらいたいと思っていた。それで私は妻の遺骨の一部を桜の木の根元に埋めた。忍び寄る老いと孤独を描いた作品である。仲代と藤村が出演しているから、かろうじて見れる!

キャメロット・ガーデンの少女(78点)

2009年01月05日 03:29


1997年、ジョン・ダイガン監督の「キャメロット・ガーデンの少女」はアメリカの抱える問題を浮き彫りにしている問題作であった。ケンタッキー州の高級住宅街キャメロット・ガーデンに引っ越してきたばかりのストッカード一家。父親のモートン(クリストファー・マクドナルド)の親の世代はロシア系移民であったが、何とか高級住宅街に住居を構えることの出来た勝ち組!彼はハイソな住民に早く馴染もうと努力している。どうみても風変わりで心を閉ざしている娘デヴォン(ミーシャ・バートン)をガール・スカウトに入れて、クッキーを売り歩かせようとしていた。(だがデヴォンは飛んでいるハエをクッキーの生地に埋め込む)母親のクレア(キャスリーン・クインラン)は大会社副社長の息子で大学生のブレッド(デヴィッド・バリー・グレイ)と火遊びをしている。デヴォンは伯父が話してくれたロシア民話を信じており、森にはバーバ・ヤーガ(魔女や山姥のようなもの)がおり悪さをすると思っていた。デヴォンは10歳にもなるのに想像の世界から抜けられない。父親が書いたリストを携えて、クッキーを売りにあちこちを歩くデヴォンは貧しい青年トレント(サム・ロックウェル)が素っ裸で川に飛び込むのを見てしまう。彼は丘を越えた森の中のトレーラー・ハウスに住んでおり、住宅街の芝刈りをして生活をしていたのだ。デヴォンは森の中でそのトレーラー・ハウスを見てバビヤガ(バーバ・ヤーガを聞き間違えているデヴォン)の家だと思い喜ぶ。そこにはトレントがおり小さなう犬小屋もあった。だがハウスの中には先客がいた。住宅街に住む女子大生パム(アンジー・ハーモン)である。パムは時折ここへ来てはトレントとSEXを楽しんでいたのだ。パムは自転車で帰ったので、デヴォンはトレントのハウスに入ってくる。デヴォンはなぜかトレントの前ではおしゃべりになってしまうのだった。デヴォンが心臓手術の傷跡を見せると、トレントも警察に理不尽な職質をされて散弾銃を撃たれた傷を見せる。議会の椅子を狙っているデヴォンの父親は名士を集めてホームパーティを開く。母親とボーイフレンドのブレッドがイチャついているのを見てしまうデヴォン。あろうことがブレッドはデヴォンにまでエッチなことをしようとするのだった。父親は父親で芝刈りをしたトレントの料金をごまかそうとする。その夜、デヴォンはブレッドがしたことを両親に話すが名士の息子というので両親は無かったことにするのだった。最低の大人たちにデヴォンは失望して、銀行の娘のところへ泊まりに行くと言ってトレントのハウスに行くのだった。トレントはトレントでブレッドやその友人でゲイのショーンに芝刈り機に砂糖を入れられて故障してしまい頭にきていた。2人はトレントの両親の家に行く。トレントの父親は朝鮮戦争の退役軍人だったが、配給のチーズにバクテリアが入っていたために肺をやられて、四分の一しか機能していない。母親はトレントが飛び込みで入賞したときのトロフィーを見せてくれるのだった。デヴォンはトレントの父がくれた星条旗をトラックの窓から捨てるのだった。アメリカという国自体がバーバ・ヤーガなのであると認識する2人。終盤、デヴォンの両親はトレントがデヴォンに猥褻を行ったとして訴える。住民たちはトレントにリンチを加えるのだった。その時、デヴォンはトレントを助けるためにショーンを撃つ。呆然とする住民たち!デヴォンはバーバ・ヤーガのお話通りにトレントにタオルとクシを渡すのだった。すなわちタオルが川となりクシが森となってトレントをバーバ・ヤーガの追跡から救うのである。10年ほど前の作品だが、現在もなおアメリカの混迷は続いている。その余波を受けているのはヨーロッパだけではなく日本も又同様だ。

五瓣の椿(75点)

2009年01月04日 22:55

五瓣の椿 [DVD]五瓣の椿 [DVD]
(2005/12/03)
岩下志麻田村高広

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山本周五郎原作のサスペンス風時代小説を野村芳太郎監督が映画化。一本のDVDに一部と二部が盛り込まれており少々長い。演出がもっとよければ(シナリオをもっと煮詰めて欲しい)更に良い作品になったと思われる。それにしてもロクでもない男ばかりが登場する。そんな男たちに復讐する若い女性の話なのだが、なぜかヒロインに感情移入できないのである。このすわり心地の悪い椅子に座っているような気分は同監督の「鬼畜」でも「砂の器」でも感じた気持ち悪さである。天保年間、おしの(岩下志麻が初々しく美しい)という若い女が名前を変えて次から次へと男を殺害していく。最初の男は常磐津の師匠、岸沢蝶太郎(田村高広がとても若い)である。朋輩をヤクザ者に襲わせて三味線を弾けなくしたり、多くの女たちを食いモノにしている悪行の数々が明かされて、死んで当然の男と思わせる。銀の簪で心の臓を一突きして椿の花を一輪置いていく。殺す前に必ず<むさし屋>の妻おその(左幸子)のことを聞くおしの。二番目の男はもぐりの産婦人科医、海野得石(伊藤雄之助が怪演している)である。この男も内縁の妻を数人持ち強欲で女をモノのように扱う酷い男である。おしのは亀戸天神の<むさし屋>の一人娘だったが、母のおそのは家付き娘で男好きのする女だった。ある男の子供を身ごもったおそのに両親は番頭の喜兵衛(加藤嘉)を娶わせる。子供を産んでもおそのの行状の悪さは一向に直らないのだった。父の喜兵衛が病床についても母のおそのは家に戻っては来ず、別邸に役者を引き込んでやりたい放題。父の病状が思わしくないので母を呼びにやると、母は役者と旅行に出ている始末だった。父は母に言いたいことがあると別邸に出かけようとするが、途中で亡くなってしまう。別邸に父の遺骸を寝かせていると母が役者と一緒に戻ってきて乱痴気騒ぎを起こす。おしのはそんな母を責めるが母は反対に「お前はお父さんの子ではない!」と言うのだった。おしのは家に火を放って母と役者を死なせてしまう。焼け跡から3つの死体が出てきておしのも死んだように思われていたのだった。正月6日のことである。父の遺してくれた金870両を使っておしのは母と関係のあった男たちを殺害してゆく。一方で八丁堀同心の青木千之助(加藤剛がむくつけき男たちの中で一服の清涼剤のように清清しい)も又、連続殺人事件の捜査をしていた。おしのを目撃した女中の証言からおしのに肉薄する青木だったが、婚約者だという札差屋の香屋清一(小沢昭一)に阻まれる。だがその清一も心臓を一突きされた死体で発見されるのだった。ほどなく芝居小屋の出方、佐吉(西村晃)も殺害されるのだった。佐吉の情報から袋物問屋、丸梅源次郎(岡田英次)の身辺を探るうちに丸梅の女中おつる(市原悦子)に行き当たる。おつるも又源次郎に手篭めにされて子供を産んだがお手当てももらえないで困窮していた。おつるから自分の父親が源次郎だと知るおしのだった。源次郎を色仕掛けで凋落したおしのは真実を源次郎に語り自首するのだった。「牢屋に入って初めて安らぎを感じる。」というおしのだったが、源次郎の女房が自殺したと聞いて苦悩する。女囚人たちの縫い物などをしていたおしのはハサミで自害するのだった。あちこちから嗚咽が漏れて、青木も又おしのという薄幸の女を思い涙するのであった。

マスター・オブ・リアル・カンフー大地無限(85点)

2009年01月04日 17:56


太極拳の元祖と言われる張三豊を描いた作品。監督は「ドラゴン・キングダム」「SPIRIT」「マトリックス」シリーズなどのアクション監督ユエン・ウーピン。まだ31歳のリー・リンチェイが製作・主演を兼ねており、32歳のミシェル・ヨーも登場する。(張三豊は200歳近くまで生きた仙人のような人ということで実在したかどうかは定かではないらしい。)映画の冒頭、張三豊(リー・リンチェイ)が多くの弟子と共に太極拳をするシーンは圧巻!やはりリンチェイは美しい!少林寺に預けられている10歳のクンパオ(後の張三豊)。ある日2歳位年上のティンパオという孤児の少年がお寺にやってくる。ティンパオは気が荒く短慮だったが2人は仲良しになる。先生の技術を盗んではホウキを振り回す毎日。だが武術大会の時に相手が目潰しをしてきたのに師匠(ユエ・ハイ)が黙っていることに腹を立てたティンパオ(チン・シュウホン)は乱闘騒ぎを起こしてしまう。クンパオ(リー・リンチェイ)も仕方なくクンパオに参戦して大暴れするが、2人共寺を追放されるのだった。去り際にクンパオに秘伝の巻物を渡す先生。街に出るがお腹がすいてどうしょうもない。2人は殴られ屋をして日銭を稼ぐ。だがその辺りはリュウ閣下(ツアン・チェン・フー)という宦官が領主をしており厳しい税の取立てをしていた。立身出世がしたいティンパオはリュウ閣下の官兵になる。心優しいクンパオは食堂に勤めてご飯がいっぱい食べられるだけで満足だった。ある日、食堂に楽器を弾きながら夫を探すシュウリン(ミシェル・ヨー)がやってきて酔いつぶれる。シュウリンは夫を見つけたのだが、夫はリュウ閣下の妹と結婚しており追い返されたのだ。この食堂、表向きはただの食堂だったが働いている人間は義賊でリュウ閣下の金を盗んでは貧しい人にばら撒いていた。それとは知らず官兵がやってきて高い税金をふっかける。義賊らは官兵らを全員殺害するが、一人だけ逃亡。それを追いかけるクンパオ!だがティンパオがその官兵を殺害してくれる。やはり友達!と感謝するクンパオ。だがシュウリンが官兵らに連れ去られる。クンパオは単身敵地に乗り込むがシュウリンを救出するので精一杯だった。友達だと思っていたティンパオはリュウ閣下に取り入り、閣下を凌ぐ悪逆非道を行っていた。それを見たクンパオはショックを受けて気が変になる。だがある日、水桶に浮かぶボールを見て自然の力を味方にする術を発見する。先生が授けた巻物を紐解きクンパオは太極拳を創始するのだった。偉大なる技を身につけたクンパオは敵地に乗り込む。壮絶な死闘の末ティンパオは死んでしまうのであった。クンパオは少林寺に戻り多くの弟子たちに太極拳を教えるのである。リー・リンチェイの原点をみるような作品!映画の中でリン道士を演じているユエン・チョンヤンはユエン・ウーピンの実弟であるらしい。流麗なリンチェイの技をとくと見よ!!

フライド・グリーン・トマト(80点)

2009年01月04日 08:36


ファニー・フラッグの小説を1991年、ジョン・アヴネット監督が映画化。特に女性にウケの良い作品である。伯母に面会するために特別養護ホームにやってきた中年女性のエヴリン・カウチ(キャシー・ベイツ)は更年期と夫の無関心に悩んでいた。痩せようと思うがストレスからチョコバーが手放せない自分に嫌気がさし更なるストレスをかかえる悪循環!お洒落をしたり裸にサランラップを巻いたりと夫の気を引こうと努力するが空回りするばかりだった。待合室でエヴリンは一人の老女ニニー(ジェシカ・ダンディ)に出会う。ニニーはお話上手で1930年代の昔話をしてくれる。エヴリンは時の経つのも忘れてニニーのお話に夢中になるのだった。話はイジーという女性の姉の結婚式から始まる。イジー(メアリー・スチュアート・マスターソン)は姉の結婚式に着るドレスが嫌で抵抗していた。そんなイジーを見かねて兄のバディ(クリス・オドネル)が神様が特別なカキの中にだけ真珠を結ぶという話をしてくれる。だがそのバディも結婚式が終わった時に大好きなルース(メアリー・ルイーズ・パーカー)の帽子が風で飛ばされたのを拾おうとして線路に足を挟まれ、折り悪く走ってきた列車に轢かれて死んでしまう。生来、内気な性格だったルースはそれを見て益々心を閉ざしてしまうのだった。一方、イジーの方は反対に酒場へ出入りして賭けを行ったり奔放な行動をしていた。ルースはイジーに辛抱強く付き合っていたのだが、フランクという男と結婚してしまう。フランクは差別主義者で暴力をふるいどうしょうもないダメ夫だった。ルースから手紙を受け取ったイジーは妊娠中のルースを救い出す。そして2人で駅前に<ホイッスル・ストップ・カフェ>というダイナーを開業するのだった。黒人のビッグ・ジョージ夫妻を雇い2人は周囲の差別とも戦う。カフェの名物料理は<フライド・グリーン・トマト>だった。「あつあつをお出しします!」と看板には書かれている。キッチンではジョージがいつもバーベキューを焼いており、とうもろこしを添えたフライドチキンも評判で客足は上々だった。だがフランクがことあるごとにジャマをしにやってくるのだった。ところがある日フランクが行方不明になる。捜査陣は川の中からフランクの車を見つけるのだった。刑事はジョージとイジーを逮捕するのだが、牧師の証言で罪を逃れるのだった。カフェは繁盛する。「秘伝のソースはヒミツ!」というジョージの姿があった。このお話が終わる頃にはエヴリンはすっかり元気になっていた。女性に必要なのは無関心の夫や暴力夫ではなく、女同士の友情ね!というような元気印!のお話。パートナーのことで悩んでいる女性必見!

ジャングル・ジョージ(80点)

2009年01月04日 06:22


お正月早々、世情が暗くニュースを見ていても心寒くなる一方だがこんな時はおバカ映画を見て笑おう!サム・ワイズマンのコメディ映画「ジャングル・ジョージ」は腹を抱えて笑える作品!主演のブレンダン・フレイザーは今年41歳だが1997年当時はまだ29歳。減量をして引き締まった肉体のブレンダンが見れる。ディズニー作品なので下品でもなくどぎつい描写もなく親子揃って楽しめる。当時1億ドルの興行収入を上げた大ヒット作品であるから、笑い所満載である。赤ちゃんの頃、飛行機が墜落してなぜか英語の喋れるゴリラに養育されたジョージ(ブレンダン・フレイザー)。ある日サンフランシスコの超お嬢様アースラ(レスリー・マン)がジャングルに旅行にやってきており、婚約者の嫌味な金持ち男ライル(トーマス・ヘイデン・チャーチ)も後から合流。ジャングルを探検していたのだが、ライオンが突如現れてライルはアースラを置いて逃げようとして転んで失神!アースラの命危うし!というところにジョージが助けにやってくる?(というか木にぶつかりライオンも気の毒そうにしている)仲良くなった2人は恋に落ちる。アースラは楽しいジャングル・ライフを満喫しているが、両親に無理矢理サンフランシスコに連れ戻される。ジョージは都会へアースラを探しに出るのだが・・・・・。「原始のマン」でもブレンダンは野性味たっぷりだったが、今回もお似合い!

山の郵便配達(85点)

2009年01月04日 05:27


フォン・ジェンチイ監督の名前を一躍有名にした作品である。1999年の中国のアカデミー賞である金鶏賞を受賞した。(チャン・イーモウの「あの子を探して」をおさえた)原作はポン・ジュンミンの短編集から「那山、那人、那狗」(かの山、かの人、かの犬)。監督夫人でもあるス・ウが脚本を書いた。美しい音楽はワン・シャオファン。1980年代、中国湖南省。お父さん(トン・ルウジュンは「紅いコーリャン」で羅漢おじさんを演じていた名優)は山の郵便配達夫だったが、今回の仕事が最後だった。それで後を継ぐ息子(リウ・イエは「中国の小さなお針子」に出演)と、いつも連れていくシェパード犬、次郎坊と3日間の配達の仕事に出た。いつものように母さん(ジャオ・シイウリ)は石橋のたもとで夫を見送る。だが今度は息子も一緒の旅である。息子は幼い頃から仕事で家にいない父さんには距離感を感じている。同期の郵便夫たちが出世してゆくのに父さんはいつまで経っても郵便配達の仕事をしており、内心小馬鹿にしてもいた。息子は父さんが険しい道程を歩いていたことに驚く。そして辺境な地の人たちが父さんの来るのを心待ちにしており、途中の道程まで迎えにやってくることにも。ある村では盲目の老婆に都会の長男からの郵便為替を届けるのだが、父さんは手紙を読んでやれと言う。だがその手紙は白紙で何も書いていないのだった。老婆の長男は金だけよこして手紙など書いていなかったのである。だがその手紙を心待ちにしている老婆。父さんのウソが老婆を幸福にしているのであった。父さんの行く道は時には崩れていたり川が氾濫していたりして、とても危険なものであった。ある山岳民族の村では人々が酒宴を開いて、親子を歓迎してくれる。息子は踊る女性たちの中にとても美しい娘(チャン・ハオ)がいて心惹かれる。娘もまんざらでもない様子であった。父さんと母さんの馴れ初めも同じであった。父さんは昔を懐かしむ。増水した川では足の弱っている父さんを背負って息子が渡る。父親は成長して息子に頼もしさを感じ、息子は父親がこんなに軽かったのかと思う。そっと息子の背で涙をぬぐう父の姿があった。旅も終わる頃、父さんがなぜ郵便配達の仕事を続けたのかをハッキリと知るのだった。そして自分も同じように配達を続けるだろうということを・・・・。石橋のたもとでじっと待つ母の姿が見えた。不便・不自由の良さをしみじみと感じる。「人間本来の善良な気持ちを忘れないで!」という監督のメッセージが温かい!

クロウー飛翔伝説ー(75点)

2009年01月04日 04:56


亡きブルース・リーの息子ブランドン・リーの遺作。ジェームズ・オバーのアメリカン・カルト・コミック「クロウ」をアレックス・プロヤス監督が映画化。一人のロック・ミュージシャンがカラスの霊力を借りて墓場から蘇る。恋人シェリーと一緒にいるところを惨殺された男は復讐に戻ってきたのだ。1993年3月31日、本作の撮影中に44マグナムから実弾が発射されてブランドン・リーは夜半に亡くなる。28歳という若さであった。4月17日に結婚式を控えていたことも悲しみを深くした。リー親子の運命はかくも悲劇的なのか?1965年2月1日に香港で誕生したブランドンは父ブルース・リーからマーシャル・アーツなどを教わって成長したが、まもなく父の訃報。9歳の時に母、妹と共に渡米。ロサンゼンルスに移住する。1985年TV番組「ブランドン・リーのカンフー・ファイター」に出演して人気が出る。1986年香港映画「ファイヤー・ドラゴン」に出演。1989年西ドイツ映画「バトル・ドラゴン」に初主演を果たし、1991年にはドルフ・ラングレンの主演映画「リトル・トーキョー殺人課」に出演し、この作品がハリウッド映画デビューとなる。1992年に「ラピッド・ファイヤー」でハリウッド初主演。この作品が認められて20世紀FOXと3本の映画出演に契約する。その1本目が「クロウ」だった。ブランドン・リーは父親譲りの技も持ち、体格もよく美男だったので様々な映画に出演するチャンスもあったと思うのだが、惜しい人を亡くしたものである。なぜ実弾が出たのか・・・真相は謎のままだ。
ラピッド・ファイアーラピッド・ファイアー
(2007/09/21)
ブランドン・リー

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両親の優良遺伝子を受け継いで、水も滴るよき男ぶりだったのに残念である。