![]() | 北京ヴァイオリン 特別プレミアム版 (2004/04/02) タン・ユン、リウ・ペイチー 他 商品詳細を見る |
NHKで放映していたので知っている人も多いだろうが、こちらは映画版のほうである。TV版ではシャオチュンの両親が誰か判明しているが、こちらの方はユン教授に弟子入りして国際コンクールに出るまでを描いている。監督のチェン・カイコーは「覇王別妃」や「始皇帝暗殺」、こちらはイマイチの「プロミス」を撮った。ちなみにTV版もこの監督である。
この人らしくきれいにまとまったものになっている。誰もが感動できる作りになっていて好感が持てる。
シャオチュン(タン・ユウはTV版の子より幼い感じだが芸術家肌のナイーブさは出ている。)と父リウ(リウ・ペイチーはTV版でもお父さん役をやっているが、やはりこの人でないと駄目だろう。)は中国北部の田舎町からバイオリンコンクールのために北京へ出てくるのだった。この日のためにリウは食堂で一生懸命働き旅費を貯めてきたのだ。北京に出ても、風呂屋で泊まり節約する二人。北京は高層ビルが立ち並び、近代化が著しいというのに下層民の人たちは相変わらずの生活をしているのだった。コンクールでは5位の受賞だったが、リウはトイレで意外なことを耳にする。上位の子はお金を払って受賞しているのだ。そのバイオリンの教師らしい男を尾行して、教授になってもらおうと頼み込みリウ。そのチアン先生(ワン・チーウィン)から本当は実力からすればシャオチュンが一位だというのだった。その日からチアン先生の所へバイオリンを教えてもらうことのなったシャオチュン。チアン先生はだらしなく捨て猫を拾ってきては飼うので部屋の中は猫だらけだった。リウは教授料の支払いのためにビルの窓拭きや清掃などの仕事をしていた。シャオチュンは北京駅で見た女性に惹かれる。その女性はシャオチュンのアパートの近くに住んでいた。母親がいないシャオチュンにとってそのリリ(チェン・ホン)は優しいお姉さんのようでもあり母親のような存在でもあった。リリは金持ちの男から金をもらってはチョン(チャン・チェン)に貢いでいたのだ。チョンは女癖が悪く浮気ばかりしていた。
リウがユイ教授を知り、その先生にシャオチュンを預けようと画策したり、リリのアパートに出入りするのを禁止したりするので、父に反発したシャオチュンは大切な母の形見のバイオリンを売り、リリが欲しがっていた毛皮のコートを買ってリリにプレゼントしてしまう。リウがシャオチュンを連れてユイ教授の元を訪ねるとケースの中にバイオリンが無いのだった。愕然とする父。家へ戻ってからシャオチュンを叱るリウの姿がいい。そして何よりこの映画を格調高いものにしているのは、流れるバイオリンの名曲の数々だ。エイベックスのJ−POP垂れ流しを聞かされている身には、これらの名曲は心が洗われるようだ。淘汰され何百年も弾き継がれる名曲の底力というものの凄さを改めて思い知らされるのだ。
現在、大量に流されている曲のいったい何曲が100年後、1000年後に残るというのだろうか?私が中高生の頃にはベートーヴェンの「大公トリオ」や「クロッツエルソナタ」を聴きなさいなどという教師がいたが、一体今の教師は何を聴いているのか?人生は思った以上に短い!もっといい音楽を聴こう。



