マッチポイント(75点)
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ウッディ・アレンが「タロットカード殺人事件」と同様、ロンドンでのロケを敢行し、スカーレット・ヨハンセンを主演女優にした姉妹作「マッチポイント」はシリアスな映画だ。男の身勝手さが良く出ている。
クリス・キーストン(ジョナサン・リース・マイヤーズ)は元テニスプロで今はお金持ち相手のテニスコーチをして暮らしていた。ロンドンで大金持ちの息子トム・ヒューイットのテニスコーチをしたのがきっかけで意気投合、一緒にオペラに出かけてヒューイット家に紹介されるのだが、クリスに一目ぼれしたトムの妹クロエはクリスから目が離せないでいた。次にヒューイット家の別荘へ招待されたクリスはトムのフィアンセで女優の卵のノラ・ライス(スカーレット・ヨハンセン)に紹介されるのだった。
生まれながらの金持ちで上流階級に身をおく兄妹といると、それぞれに貧乏な家庭に育ち上に這い上がろうとしている者同士の暗黙の共感みたいなものが二人をつなぐ。たとえば4人で食事をする時なども、高級レストランでオーダーするのだが、トムが料理の名前を言うとノラも同じものをと言い、クロエがキャビアと言うとクリスはローストチキンと言うのだ。庶民的なものを食べるクリスにノラは謙虚なのと言うがそれさえも鼻持ちならない感じとか、トムが「絶望する方が楽だ」と簡単に言うのだが、実際本当の絶望というものがわかるはずのないトムに反発心を持ち「宗教に頼るのが一番楽だ。」というクリス。それさえ「アーメン!」といわれてジョークにされてしまうのだ。クリスとノラが顔を見合わせるところがいい。
元テニスプロのクリスに対してはクロエの両親も気にいっているのだが、ノラに関してはトムの母親が気に入らないのだった。クリスはトムの母親に酷いことを言われて傷つくノラを慰めているうちに二人は関係をもってしまう。だがノラはきっぱり二度目はないと断言する。クリスは仕方なくクロエと結婚するのだった。ところがある日トムから意外なことを聞くのだった。ノラとは婚約解消をしたというのだ。そして別の女性と結婚するという。クリスはノラの行方を捜したが電話もかからず、あきらめていたがひょんなことからノラを見かける。追いかけるクリス。そして二人は激しく愛し合うようになるのだった。
クリスはクロエの家の潤沢な富も捨てられず、ノラの肉体的魅力にも溺れていたのだ。ところがノラは愛人関係でいるのが段々ガマンできなくなり、たびたび電話をかけてきてはクリスを困らせるのだった。そしてノラが妊娠をしてしまう。だからといってクリスはクロエとの贅沢な暮らしを捨てることは到底出来ないのだった。男の身勝手さから出た錆だといってしまえばそれだけだが、屈折感は良く出ている。彼の勤める義父の会社もクロエと住む高級マンションも高層にあり、高所恐怖症のクリスはしがみつく。この映画の終結の仕方はどうだろうか?最期にクリスの子供をクロエが産んで家に連れ帰ってきたとき義父が「立派でなくても運が強けりゃいいさ!」というのだ。
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