2008年08月17日 10:34
マオリ族出身の作家ウィティ・イヒマエラの「ザ・ホエール・ライダー」をニュージーランド出身の女性監督ニキ・カーロが映画化した。マオリ族の伝統と血脈が失われつつある現在に奇跡を起こす少女の物語である。村の長老コロ(ラウィリ・パラティーン)の長男で後継者ポロランギ(クリフ・カーティス)に双子の赤ちゃんが誕生するのだが、女児だけを残して母親も男児も死んでしまう。正当なる後継者が死に祖父は落胆する。そんなコロに失望したポロランギは村を出て行ってしまうのだった。残された女児はパイケアと名づけられて祖父母に養育される。祖父のコロはクジラに乗ってやってきたという偉大なるご先祖の血を絶やさないためにも、男の後継者を早急に決定しなければならない責務があった。それで村の12歳の少年を集めて伝統の武術や踊りなどを自ら教育する祖父。パイケア(ケイシャ・キャッスル=ヒューズ)もまた同じように学びたかった。だが女の子は聖なる道場に足を踏み入れるのさえ嫌がられるのだ。ある日、ドイツで世界的アーティストになっていた父ポロランギが帰ってくる。この村に留まって後継者を作って欲しい祖父と、自分のやっていることを認めて欲しい父の確執はますます深まるばかりだった。女教師と再婚して欲しいと思う祖父にドイツ人の彼女がいることを打ち明けるポロランギ。しかも妊娠しているというのだ。大喧嘩の末ポロランギはパイケアをドイツにつれていくと言う。出発するという朝、パイケアは海が呼んでいるような気がして祖父母のところに戻るというのだった。孫娘をかわいがってはいるが、女はダメ!と徹底して拒否する祖父や、村や父親が嫌だからと娘をほうっておき勝手な外国暮らしをしている父の姿を見ていると、ここまでアメリカ的利己主義、個人主義がマウイの人々にも浸透しているのか!と反対に思ってしまう。近世を除いて母系社会の日本人であるワタシには到底承服しがたい話であった。もっとマオリ族の叡智に言及した話だと思って期待してみたのだが、描き方が浅い!ちょっとガッカリ!である。




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