![]() | 潜水服は蝶の夢を見る 特別版【初回限定生産】 (2008/07/04) マチュー・アマルリックエマニュエル・セニエ 商品詳細を見る |
新表現主義画家でもある(皿を無数に貼り付けて絵画にする)ジュリアン・シュナーベル監督作品。友人であるバスキアを描いた「バスキア」やキューバの亡命作家レイナルド・アレナスを描いた「夜になるまえに」に続く3作目である。美しい映像と選び抜かれた音楽(U2やトム・ウェイツ、ベルベット・アンダーグラウンドなど)で彩られた素晴らしい作品になっている。ジャン=ドミニク・ボビー(マチュー・アマルリック)はELLE誌編集長として順風満帆の人生を謳歌している42歳。ボビーは週末には愛人のジョセフィーヌ(イネス・マリナハンズ)と逢瀬を楽しみ、浮気が元で離婚した元妻セリーヌ(エマニュエル・セニエ)との間にはテオフィルとセレスト、オルタンスという3人の子供もいる。新しいスポーツカーを購入したボビーはジョセフィーヌのアパルトマンに行った帰りに妻の家に寄り長男のテオフィルと劇場へ出かけたのだが、途中で気分が悪くなり車を停車したがそのまま昏倒してしまう。3週間後、目覚めたボビーは体に異変を感じる。体は動かせず口もきけず左目しか見えないのだった。医師は脳梗塞になり<ロックト・インシンドローム>(日本では閉じ込め症候群という)になったというのだ。早速、役に立たない右目を縫い付けられ理学療法士のマリー(オラツ・ロペス・ヘルメンディアは監督の妻)と言語療法士のアンリエット(マリーニ・ジョゼ・クローズ)がリハビリをしてくれるのだが、美人二人を前に何もできないボビーだった。言語療法士のアンリエットは<ESARINT・・・>と書かれた文字表を持ってきて瞬きで意思が伝えられるよう訓練をする。当初はもどかしいボビーだったが他に意思表示の方法がない。最初にボビーがアンリエットに伝えた言葉は「死にたい」だった。見舞いには元妻や友人のローランや意外な人がやってくる。(華やかな仕事をしていても植物状態になったと聞けば仕事関係者は一人も見舞いに来ない)ボビーは本を出版することを思いつき、出版社からクロード・マンディビル(アンヌ・コンシニ)がやってきてボビーの瞬きから文字を筆記する。そして僅かな日数の中でボビーは20万回の瞬きをして「潜水服は蝶の夢を見る」をクロードに執筆してもらうのだった。(体は重い潜水服をつけたように身動きがとれないが、想像力を羽ばたかせれば蝶のように自由だという意味)ボビー役をジョニー・ディップも熱望したというが、マチュー・アマルリックは身動き一つ出来ない男を巧みに演じて、来年の007シリーズの悪役に抜擢されたという。父親役のマックス・フォン・シドーの息子を思う親心にも胸を打たれる。出演後、亡くなったジャン・ピエール・カッセル(神父役とルルドの店主役)には献辞がなされている。ジャン=ドミニク・ボビーはベッドで目覚めて20日後肺炎を併発して1997年3月9日、43歳で亡くなっている。本書を出版後10日のことであったという。子供たちにはたくさんの蝶に出会えるように・・・。という言葉を残した。明日はわが身のような話である。
![]() | 潜水服は蝶の夢を見る (1998/03/05) ジャン=ドミニック ボービー 商品詳細を見る |




