- 2008/07/01 恋せども、愛せども(50点)
![]() | 恋せども、愛せども (2008/04/23) 長谷川京子池内博之 商品詳細を見る |
唯川恵の原作はなかなかにシビアである。甘ちょろいロマンスや夢などことごとく粉砕してしまうが、この作家が女性に絶大な支持を得ているのには現在が持つ閉塞感を女性自身が身をもってひしひしと感じているからであり、逃げ道のない今という時代を何とか生きていこうとしているからに他ならない。脚本は「功名が辻」の大石静、監督は堀川とんこう。高久雪緒(長谷川京子)と妹の理々子(京野ことみ)は母の篠(壇ふみ)と祖母の音羽(岸恵子)に呼ばれて実家のある金沢に帰ってきた。実家は母と祖母2人が経営する小料理屋<高久>である。篠は八百屋の山崎と音羽は陶芸家の澤木とそれぞれ結婚するというのだ。雪緒と理々子は驚くが祝福するのだった。その夜、2人は久しぶりに地元の同級生と酒を飲む。一流大学を卒業して三友商事に入社したはずの瀬間純市(池内博之)が、会社を辞めて無職だという。「お坊ちゃまは気楽なものね!」と憎まれ口を叩く雪緒だった。高久家の4人は血のつながった家族ではなかった。音羽は芸妓だったが置屋のおかみとなり、そこにいた芸妓が篠である。雪緒の母もまた芸妓であったが愛した人の子供雪緒を出産したが5年後に心臓病でなくなってしまったのだ。親戚の家をたらいまわしにされていた雪緒をひきとったのが篠だった。篠もまた結婚した男が死んでしまってその人の連れ子を引き取った。それが理々子だったのである。音羽と篠は小料理屋を営み2人を娘・孫として育てた。雪緒は東京の大島建設に勤務していたがマンションの建替えに伴う住人との折衝などの仕事を行っていたのだ。理々子は脚本賞の佳作に入選したもののゴーストライターとバイトの掛け持ちをしていた。非常に現実的な事柄を見せ付けられてちょっと心がなえるのだが、実際人生とはこんなものである。不倫や自殺未遂、仕事の上での理不尽さや、エリートコースにのっていたものの挫折せざる負えない現実。熟年になってからの再婚の難しさ。家族のしがらみにがんじがらめになる人たち。どれも避けては通れない問題ばかりだ。日常がこうだから敢えて映画で見るのもどうかと思う。
テーマ:WOWOW/スカパーで観た映画の感想 - ジャンル:映画
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