仕立て屋の恋(80点)
ジョルジュ・シムノン原作「イール氏の犯罪」を今年、病死したパトリス・ルコント監督が映画化した。
仕立て屋のイール(ミッシェル・ブラン)は独身で一人暮らし。身なりはキチンとしていたが近所づきあいも悪くあまり評判は芳しくない。たまに売春宿へ行き女を買うこととボーリング場でパーフェクトなフォームとスコアを出すことを生きがいとしているような男だった。ところが中庭をはさんだ差し向かいの部屋に住むアリス(サンドリーヌ・ボネール)のことを密かに思い続けている。自分の部屋を暗くしてアリスの部屋を覗き見するのが唯一の楽しみだった。アリスの部屋には時々恋人のエミール(リュック・テュイリユ)が来ていた。ある日、近くの公園でピオレットという青年の死体が見つかる。刑事(アンドレ・ウィルムス)は早速聞き込みを始める。刑事は近所の評判と過去にわいせつ罪でつかまった経歴のあるイールに目をつけるのだった。イールはアリスとエミールが喧嘩をしている様子を見てしまう。アリスはエミールと結婚をしたいのだがエミールは返事をうやむやにしているのだった。そしてアリスはイールが自分の部屋を覗いていることに気づく。驚愕するアリス!アリスはある事実をイールが目撃したのではないかと疑いはじめるのだった。そしてアリスはそれを確かめるためにイールに接近する。イールは片思いのアリスから話しかけてきたので飛び上がらんばかりに胸をときめかせた。エミールを守るためにイールに近づいたアリスだったが、イールの優しさや愛情についほだされてしまうアリスだった。イールはアリスに一つの提案をする。それは2人でスイスへ行って暮らそう!というものだった。約束の日イールは待ち合わせのリヨン駅で待っているのだが、やってきたのはイールを逮捕するために駆けつけた刑事だったのである。イールはアリスの裏切りに落胆する。そして追い詰められたイールは・・・「君を恨んではいない。ただ死ぬほど切ない」と言い残して落下する。そのキチンとした服の内側には刑事への手紙がしたためられていた。その真実とは・・・・。あまりに純粋で一途な男の悲劇がいつまでも胸に残る。
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