- 2008/06/16 夜のピクニック(60点)
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恩田陸の小説はちゃんと読んだほうがいい!2005年本屋大賞に選ばれた本であるから「博士の愛した数式」(2004年)「東京タワー」(2006年)と同様映画化したわけだが一番の駄作になってしまった。恩田陸という小説家は宮城県仙台市生まれだが中学3年生〜高校卒業までを茨城県で過ごした。本作の高校生たちが80キロの道のりを丸一日かけて歩き続ける「歩行祭」は作家が水戸第一高校で本当に経験したことである。今年で60回を迎える水戸一高の「歩行祭」は65キロを1000人の学生が歩く行事だ。高校生が昼夜を通して歩き続けるというこの行事はなかなかにいいものだ。迷いや悩みを抱える生徒たちが様々な秘密を親友に打ち明けたり、わだかまりが無くなったりする。
甲田貴子(多部未華子は「HINOKIO」で少年っぽい少女を演じて鮮烈な印象を残した)は「歩行祭」で一つの決心をしていた。貴子の母(南果歩)は愛人でシングルマザーだった。見たこともない父が亡くなりその葬式の日に父の本妻とその息子西脇融(石田卓也は「蝉しぐれ」で主人公の若い頃を演じてとても記憶に残る演技で評価された)に会ったのだが、西脇はクラスメートだったのである。その日から西脇は貴子に冷たくするのだが貴子は反論できないでいた。自分は西脇の家庭を壊した女の子供だからである。異母兄弟である西脇と自分の関係をクラスメートは誰も知らない。クラスの大半は2人が好き同士なのだと思っていた。この年代にしかない傷つきやすさや一途さが満天の星の下できらめく。瑞々しい生徒たちの思いが痛々しく美しい。だが原作を読んだほうがもっといいだろう。
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