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それでもボクはやってない(90点)

それでもボクはやってない スタンダード・エディションそれでもボクはやってない スタンダード・エディション
(2007/08/10)
加瀬亮;瀬戸朝香;山本耕史;もたいまさこ;役所広司

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2009年裁判員制度が始まるが、この映画は見ておかなくてはならない映画であろう。
「Shall we ダンス?」から10年周防正行監督が世に出した作品は刑事裁判の矛盾を訴えている。2002年東京高裁において痴漢冤罪事件に逆転無罪判決が出たのを知った周防監督は2年間徹底取材をしてこの作品を作り上げたのである。その結果非常にリアルな映画となったのである。
フリーターの金子徹平(加瀬亮)は正社員になりたくて就職の面接に行こうとしていたのだが、電車に乗り合わせた女子中学生に痴漢だと言われてしまう。何がなんだかわからないうちに、取調室に連れていかれて二人の刑事に痴漢行為をしたことを認めろ!と強要されるのだったが、痴漢をしていない徹平はやったとは言わないのだった。当番弁護士がやってきて、罪を認めたほうが得なのにといわれるもやっていないことをやったとは言えない徹平だったのだ。ここに一つの矛盾点がわれわれに提起される。罪を認めた者は拘留されず、社会に知らされることもなく失うものも最小限で済むのに、冤罪のものは無実をなかなか証明できず、社会的基盤さえも失ってしまうのだ。
 満員電車の中、実際誰がやったかはっきり見たものもいず(見たとしても朝の忙しい時間帯、裁判所に召喚されて証言するのは誰だって嫌だろう。)女子中学生はいつも痴漢にあっていて、もう誰が痴漢なのか確信はできないがこの人じゃないかと疑う状況にある。周囲の人間も女子中学生本人が言っているのだから間違いないと思い込む。だが触っていない当人はやっていないという。限りなく黒に近いとされて罪人扱いされ、検察庁へ護送されるときも他の囚人と同じ待遇なのだ。その辺のところがリアルに描かれている。徹平は母子家庭で育ち実家は高額な弁護士料など払えない。保釈金だって数百万単位だ。どうしたって貧乏人には勝ち目がなさそうだ。裁判になっても裁判官は200件の事件を抱えており、痴漢などに時間を割いていられない。そして裁判官の目には被告人が限りなく黒に近いグレーゾーンにいるように見える。そして何よりこういった件では無罪を勝ち取ることはとても難しいのだ。映画の中では痴漢事件で冤罪を晴らそうと夫婦で長年戦っている人も出てくる。
母や親友、先輩らが協力して、朝のラッシュを再現して痴漢行為が被告にできたかどうか証明しようとするも、無罪判決は出ないのだった。そして主人公の長い戦いがまた始まる。
母、豊子にもたいまさこ、主任弁護人に役所広司と瀬戸朝香らが出演している。この映画は特に男性が見るべきだろう。女性も気をつけたほうがいい。(女性優先車両があればそれに乗るべきだ。)

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