レミーのおいしいレストラン(90点)
![]() | レミーのおいしいレストラン (2007/11/14) ルー・ロマーノ、パットン・オズワルト 他 商品詳細を見る |
2007年度のアカデミー長編アニメ受賞作品である。監督は「Mr.インクレディブル」のブラッド・バード。もう冒頭から物語の世界に引きずり込まれるのだ。「モンスターズインク」を見た時もその完成度の高さと欠点のないストーリー作りに驚かされたが「ニモ」「カーズ」とパワーアップして「レミーのおいしいレストラン」ではフランスの田舎町やパリの風景をあますことなく描き、アニメとは思えないほどの流れるようなストーリー作りをしておりピクサー社は熟練の境地にまで達したようだ。
フランスの雨がそぼ降る田舎家に住むレミーはグルメなネズミ。一族の長である父さんのジャンゴと食いしん坊の兄さんエミールとは話が合わない。レミーはパリの一流シェフ、グストーの<誰でも名シェフ>という本を愛読書にしていた。台所で香辛料を探しているときにTVでグストーの訃報を聞いてしまう。ショックを受けていると、その家の住人である老女にショットガンをぶっ放されるのだった。2匹は逃げ出すが天井のランプに飛び乗ったエミールを目掛けて銃を発射されたために、天井が抜け落ちてしまい大量のネズミが落下してしまう。老女の銃の腕前に恐れをなしたネズミたちは下水溝へ逃げ出すが途中、レミーは一族とはぐれてしまう。そしてレミーが着いた所はグストーのレストランの地下だったのだ。(レミーが屋根の上に出るシーンは思わずため息が出る。自分がネズミになったような気分がするのだ。)どのシーンもクオリティが高く観客を釘付けにする。グストーの幽霊(これはレミーの良心を表現している)に導かれてレストランの天井から厨房を見るレミーだった。そこへ以前働いていたという母親の紹介状をもって一人の若者がやってくる。その青年リングイニ(佐藤隆太の声がすごく合っていた)は料理長スキナー(この登場人物が一番笑えるのだ)に掃除係とゴミ係の職を与えられたが、うっかりしてスープの大鍋をこぼしてしまう。叱られると思い勝手に材料を足すのだが、その様子を見ていたレミーは気が気でない。逃亡する途中に味を調えてしまうレミーだった。そのスープが客に褒められてしまいリングイニとレミーは共同で料理をすることになってしまうのだが。私は酷評をモットーとする料理評論家イーゴ(声が家弓家正さんでクリストファ・リーのドラキュラファンである私は飛び上がるほど嬉しいのだ)がレミーの作ったラタトゥーユを食べるシーンや彼が「誰もが偉大な芸術家になれる訳ではないが、誰が偉大な芸術家になってもおかしくはない。」と評論するシーンがすきなのである。この言葉はピクサー社のアニメーター達、日本にも数多居るであろう無名の若きアニメーターたちやクリエーターたちにそっくりそのまま捧げたい言葉だと思う。
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