- 2008/05/04 嫌われ松子の一生(60点)
![]() | 嫌われ松子の一生 通常版 (2006/11/17) 中谷美紀、瑛太 他 商品詳細を見る |
「下妻物語」の中島哲也監督の次回作が「嫌われ松子の一生」だ。(原作は山田宗樹)中島哲也は山口美江の<フジッコ>のCMやサッポロ黒ラベルの<卓球温泉シリーズ>のCMなど鬼才ぶりは周知のとおりだが、やはり本作も独特の映像センスで見るものを圧倒する。原作の松子はもっと悲惨であり坂道を転げるがごとくの転落ぶりだが、中島監督の演出でかなり悲惨さは薄まっている。それが不満という人もいるだろうが、これはこれでいいんでは?と思わせるのだ。
川尻笙(瑛太)は歌手になるために上京するが、芽が出ず恋人の明日香(柴咲コウ)からも愛想づかしをされてしまう。そんなとき幼い頃会ったことある松子おばさんが殺害されたことを聞いた笙は、松子の暮らしていた廃屋のような家に行って見る。そこで笙は松子の一生をたどることになるのだった。
一見悲惨に思える松子の一生がそれほど不幸でもなかったことを知る笙だった。いざとなったら保身のために助けてくれない男や殴る蹴るの暴力を振るう男。ヒモや裏切る男。松子はどの男にも、一途な愛をささげるのだった。教師だった松子は一人の生徒を助けるために罪をかぶる。そしてそれをネタに教頭に胸を見せるよう強要されるのだった。(原作では校長にレイプされる)だが、学校を辞めるハメになってしまうのだった。助けてやった生徒、龍洋一(伊勢谷友介)がヤクザになって松子の前に姿を見せる。DVを受けながらも深い愛欲の世界に足を踏み入れてしまう松子。まだまだ松子の転落は続く。ソープ嬢になったり男を殺害して刑務所に服役したり(この場面はミュージカル仕立てになっている)刑務所で覚えた技術で美容院を経営したりする。それでも松子は男を信じて愛して手酷い目にあうのだった。だがただ一人松子を深く愛していた男がいたのだ。(そういった松子の無垢な愛に気づくのだが、男もまた以前の男の姿ではないのだった。)エディエット・ピアフの生涯という映画でピアフが観衆を前にして<それでも愛しなさい>と言うのとテーマは同じなのだが、こちらは大衆食堂という感じである。中島哲也は女優に対して容赦なく罵倒するので有名だが、中谷美紀は文字通り悲惨な現場だったようだ。
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