ジョシュア 悪を呼ぶ少年(30点)
サンダンス映画祭で受賞したというので見てみたが、取り立てて良い作品とはいえない。
NYの高級マンションに住むブラッド(サム・ロックウェルはどうみてもヤッピーには見えない)は妻アビー(ヴェラ・ファーミガ)と9歳の長男ジョシュア(ヤコブ・コーガンはピアノを弾きラストでは歌も歌う結構雰囲気のある子役だ)と幸福に暮らしていた。アビーが娘リリーを出産退院した日、ブラッドの両親とアビーの弟ネッド(ダラス・ロバーツ)がお祝いに駆けつけていた。下の子供が出来て上の子供が疎外感を感じるのはよくあることだが、ジョシュアは知能もずばぬけて高く即興で不協和音の美しいメロディを奏でたりするような子供である。ブラッドの母ヘーゼル(セリア・ウェストン)は熱心なカトリックで息子のユダヤ人の嫁が気にいらない。嫁のアビーもまたこの姑に嫌悪感を抱いているようだ。だがアビーは過去にジョシュアを出産したときにノイローゼにかかっていたらしい。(こういう女性が第二子を出産するのはどうかと思うが)大人しい赤ちゃんだったリリーは自宅へ連れ帰ってから常にむずがっており、上の階では改築工事をする騒音が聞こえてきてアビーは休まらない。ジョシュアは悪を呼ぶ少年というより、俗っぽい父親やうつ病でヒステリー気味の母親や、狂信的な祖母などに嫌悪を抱いており一掃してしまい新しい保護者(自分をより理解してくれそうな叔父ネッド?)を選んだというような話なのである。母乳で育てることに必死になっているアビーはいつも搾乳器を使っており(この場面も姑が母乳で育てなきゃとかプレッシャーをかけるようなシーンがあればよりわかりやすいのだが、育児ノイローゼになる過程がイマイチ弱い)それよりもっと夫に迷惑をかけないとか、どうもこの母親像に同情できないのだ。父親の可愛がっている飼い犬バスターを死なせたり(この父親の悲しみようもどうかと思うが)母親を精神病院へ追いやったり、祖母を階段から突き落としたり父親を虐待する親に仕立て上げたりして確かに悪魔の子と呼べないこともないが、「オーメン」や「アダム」のような悪魔憑きというのでもなく、人間的な情愛に著しく欠けた知能の高い子供という感じだ。悪魔憑きでないところが、現実にありそうな話で怖いといえば怖いが、それならもっと違う描きようがあるのではないだろうか?
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