夏目小太郎の映画批評
夏目小太郎が独断と偏見で映画批評
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2008/04/30 Wed  21:01:56» E d i t
キングダム/見えざる敵キングダム/見えざる敵
(2008/04/10)
ジェイミー・フォックス.ジェニファー・ガーナー.ジェイソン・ベイトマン.クリス・クーパー.アシュラフ・バルフム.ジェレミー・ピヴェン

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もっとアメリカ寄りな映画かと思ったがそうでもなかった。しかし石油産出国の富のかたよりと不幸を観るような映画でもある。だからといってアメリカ批判映画というのでもないが、なかなかに様々な問題を含んだ意味深な作品である。
FBI捜査官ロナルド・フルーリー(ジェイミー・フォックス)は息子ケビンの授業参観に出席していたが、突然連絡が入る。サウジアラビアの外国人居留地区でテロが勃発したというのだ。アメリカの石油会社社員や家族らがソフトボールの試合をしている最中にサウジアラビア国際警察にもぐりこんでいたテロリストが銃を乱射し、アメリカ人らを誘導する警察官が自爆し死者100人負傷者200人の大惨事になるのだった。その様子を首謀者と見られるアラブ人がマンションのベランダから孫たちにその様子を見せていた。(とてもリアルにテロの様子が描写されている)被害者の中にFBI捜査官がいたことからフルーリーはサウジアラビアに入国し調査することを申し出るがアメリカ政府はそれを許さないので、フルーリーは駐米のサウジアラビア大使を脅迫して(大使の奥方2人が1000万ドルをテロリストに供与したというオフレコ情報をネタに大使を脅かす)入国許可をとりつけるのだった。
一方サウジアラビアのほうでは居留地区で警戒にあたっていたサウジアラビア国際警察の1人がテロの一味としてアル・ガージー大佐に疑われ拷問にあっていた。上司であるファリス(アシュラフ・バルフムは「パラダイス・ナウ」にも出ていたが初のハリウッド進出らしい。貧富の差の激しいサウジアラビアという国でアメリカ人を守らなければならない苦悩をよく表現していた。同胞からは裏切り者と言われアメリカ人にはテロリストの仲間と罵倒されるが、人間として取らなければならない行動をとり常に礼儀正しい人物をたくみに演じて見せている。)は部下を守ろうとするのだった。ファリス自身もこのテロで47人の部下を失っていたのだ。
その頃、フルーリー捜査官と紅一点の法医学捜査官ジャネット(ジェニファ・ガーナーは「デアデビル」でエレクトラを演じた女優)、情報分析官レビット(ジェイソン・ベイトマン)、爆弾捜査スペシャリストのサイクス(アリス・クーパー)ら4人がプリンス・スルタン空港へ降り立つのだった。それを迎えるファリスはフルーリーらに<証拠に触らない・聞き込みをしない・イスラム教徒の死体に触らない>ことを約束させるのだった。アメリカ大使主席公使のシュミットもやってくるが早く帰国するようにうながすのだった。この国の王子も彼らを出迎える。(この王子の宮殿が豪奢で石油でありあまる財宝を自分のためにだけ消費しているのがよくわかるのだ)当初は互いに警戒しFBI捜査官らもアメリカ人的発想でこの国に入ってくるしサウジアラビア警察もまたアメリカ人の介入を嫌がっていたのだが、人間としてテロは許されざるものだという正義感のもと、協力して捜査に当たるようになるのだった。
アメリカがイラク侵攻することにより利益を享受するサウジアラビア情勢や、この国の潤沢な石油資源に世界一の石油消費国アメリカが介入する構図が浮き彫りにされる。他国に介入しすぎるアメリカと石油で潤うアラブ諸国の負の連鎖はなくなることはない。
フルーリーらとファリスはアブ・ハムザというアルカイダ系テロリストにいきつくのだった。途中、レビットを誘拐拉致されてテロリスト居住地区へ足を踏み入れる彼らだった。激しい銃撃戦とあまりに悲しい結末に愕然とする。だがこの負の連鎖は見る価値がある。

テーマ:★おすすめ映画★ - ジャンル:映画

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