シェイクスピアの戯曲37本の中でも一番の問題作!心臓の弱い人や妊娠中の人は見ない方がいいだろう。「ライオン・キング」で女性初のトニー賞演出賞を受賞した天才!の誉れ高いジュリー・ディモアの初監督作品である。独特の世界観を構築した美術のダンテ・フレッティや皮革や金属で質感を出した衣装を作ったミレーナ・カノネロなど素晴らしい才能が集結した。だが内容は血で血を洗う凄惨な復讐劇である。冒頭、兵隊のオモチャで戦争ごっこをする少年の場面から古代ローマの戦士に移行する。ローマの武将タイタス(アンソニー・ホプキンス)はゴート族の女王タモラ(ジェシカ・ラング)とその息子たちを人質にとって凱旋する。ローマの護民官マーカス(コーム・フィオール)は亡き皇帝に代わる新皇帝にタイタスを推すが、タイタスは前皇帝の長男で皇太子サターナイナス(アラン・カミング)に自分の娘ラヴィニア(ローラ・フレイザー)を嫁がせて皇帝になるように宣言するのだった。そしてタモラの長男を生贄にしようとする。命乞いをするタモラだったがタイタスは冷酷に長男を生贄にする。タモラは密かに復讐を誓う。一方ラヴィニアは皇太子の弟バシアヌス(ジェームス・フレイン)と恋仲だった。それを知っているラヴィニアの兄たちは父タイタスに歯向かう。タイタスは仕方なく息子の一人を殺害するのだった。だが元々暴君気質を持つ皇太子はラヴィニアとタイタスに恥じをかかされたと思いタイタスらを殺そうとするのだが、タモラが引き止めるのだった。タモラはもっと陰湿で残酷な復讐を考えていたのだ。タモラは皇太子の后となり息子のカイロン(ジョナサン・リース=マイヤーズ)とディミトリアス(マシュー・リース)にバシアヌスを殺させて、タイタスの2人の息子に罪を着せる。そしてラヴィニアを犯し両手と舌を切り落とすのだった。(この場面は凄い!両手の代わりに枝を刺され、口からは血を流しているのだ)タモラの愛人でもあるムーア人の参謀アーロン(ハリー・レニックス)はタイタスに手を献上すれば息子たちの命は助けてやると言うのだった。手を差し出すタイタスに2人の息子の生首を返すアーロン。タイタスは激しい哀しみと怒りに打ち震える。そして残った長男ルーシャス(アンガス・マクファーデン)と共に更なる復讐の火蓋が切って落とされる。