
伊坂幸太郎の直木賞候補に上がった作品である。WOWWOWで放映されたテレビドラマだがクオリティは映画「死神の精度」より高い!冒頭、いきなりの銀行強盗事件!家庭裁判所の調査官、武藤俊介(坂口憲二)と先輩にあたる陣内達也(大森南朋)は2人して人質にとられている。行内の銀行員や客らは全員縛られてファニーな仮面をつけさせられており、互いの顔は見えない。破天荒な陣内は強盗を怒らせることに成功!犯人は発砲してしまい駆けつけた警察に包囲されてしまう。2人の強盗は4人の人質を解放する。武藤と陣内、盲導犬を連れている盲目の青年、永瀬政人(加瀬亮)、青木美香(小西真奈美は影のある女性の役柄が定着した感じだ)の4人だ。武藤は気絶してしまい仮面が取れた美香の美しさに一目惚れしてしまう。残された3人は警察の事情聴取を受けるが、盲目の永瀬が大胆な推理をする。「声の温度が違いましたから・・・」などと言う永瀬は魅力的なキャラなのだが、ドラマではあまり出てこない。武藤は神経質で几帳面、四角四面な男だが、破天荒でやる事なす事、行き当たりばったりに見える陣内には悩まされていた。

この2人の対比が面白くて見るような作品だが、この2人が言うセリフはピリリとスパイスが効いている。今日も援助交際の再犯をした女子高生にチョロいと言われて落ち込む武藤。万引き常習犯の高校生、木原志朗(三浦春馬は本当にいい役柄をチョイスしている感じである)とその父親、木原周五郎(國村隼)との面談をする武藤だったが、なぜかこの2人に違和感を感じる。陣内に教えられて美香が働く書店に行く武藤。だが反対に美香に怪しまれて国語辞典で殴られる。だが美香も又、万引き常習犯だった。美香は書店で堂々と万引きする高校生たちを注意することも出来ないのだった。「わかったフリをするなんて傲慢です。」という美香に「見ないフリをするなんてもっと傲慢だ!」と言い返す武藤。伊坂幸太郎の小説が人気があるのはココ!なのである。まっとうに生きられない現在において、まっとうに生きることの大切さを説く伊坂ワールドに温度を感じる人が多いはず。酔っ払い客らが少年犯罪をおかす人間などクズだから燃やしてしまえばいい!と息巻くのを聞いて、真剣に反論する陣内の言葉がいい!!