あのポール・ハギス監督の作品である。「ミリオンダラー・ベイビー」「父親たちの星条旗」などの脚本を書き、「クラッシュ」では脚本・監督をしてアカデミー賞を受賞した。素直にアメリカ批判ととれば良いのだが、これをイラクやアフガンの人が見たらどう思うのだろうか?日本に原爆を落としたことなどとっくに忘れていらっしゃるようである。世界の軍隊アメリカがイラクに首を突っ込んだばっかりにえらいことになっている!と今更ながらに反省しているようだが、膨大な費用をかけてイラクを空爆、多くの民間人を殺害したことなどこれっぽちも出てこない。もっと低い点数をつけたいくらいである。だが親日家のトミー・リー・ジョーンズやスーザン・サランドン、シャーリーズ・セロンなど三大アカデミー賞受賞俳優が出演しているということで、大まけにまけて30点にした。(アメリカにえらい目にあっている国からすればマイナス点が出てもおかしくない!)ストーリーにも説得力がなく「ああ!そうなの!」というエンディングでやや呆気ない。だがプレイボーイ誌に掲載された記事を元に脚本を書いたということで実話であると銘打っている。2004年11月軍警察を定年退職したハンク・ディアフィールド(トミー・リー・ジョーンズ)のもとに一本の電話がかかってくる。イラク帰還兵で息子のマイク(ジョナサン・タッカー)が軍を離脱して行方不明なのだという。(この時点でハンクは息子が帰還していることを知らなかった)ハンクは息子の写真を持って軍基地に向う。基地内の息子の部屋を見せてもらい、こっそりと携帯電話を持ち出すハンク。消えた映像を専門家に修復してもらう。(少しずつ修復された映像がメールで送られてくるのだが、そのたびに事実が浮き彫りにされる)軍は麻薬売買にマイクが関わっていたのではと言う。ディアフィールド家は三代続く職業軍人の家系で、ハンクは息子に限ってそんな訳はないと疑問に思う。地元警察に出向いて捜索願を出すのだが、地元刑事エミリー(シャーリーズ・セロン)はすげない。エミリーは軍関係者の多いこの地域でシングル・マザーだったが、男尊女卑の甚だしい地区で孤軍奮闘していた。(動物虐待事件ばかりを担当させられたり、セクハラめいたことを日常的に言われている。「クラッシュ」でもしつこいほどの人種差別発言が出てきたりして、アメリカという国がつくづく嫌いになる。)だが基地の敷地内で息子の死体が発見される。その現場に立ち会うエミリー。だが軍関係者がやってきて署長(マシュー・ブローリン)ら刑事は引き上げる。(署長自身もイラク帰還兵なのだ。署内もそうであるしエミリーの父親も軍人である。)その死体は数十箇所のナイフの刺し傷があり(判明するだけでも)バラバラに切断されて、焼かれていた。野生動物が遺体を食い荒らして、ほとんど残っていない状態である。ハンクは遺体と対面する。妻(スーザン・サランドン)に電話でそのことを伝えるハンク。(苦悩に満ちた夫婦の表情)この夫婦は長男も軍人にして墜落事故で亡くしているのだ。そして今度は次男の酷い死に方。エミリーに会って現場に連れていってもらうハンク。マイクは警察の管轄内で殺害されて、軍の所有地に引きずられて解体されたと推理するハンクに驚くエミリーだった。早速、署長に掛け合ってうちが捜査すべきだと説得する。誰が息子を殺害したのか?ハンクとエミリーは徐々に真相に迫る。原題は「エラの谷」。巨人ゴリアテに少年ダビデが打ち勝ったお話であるが、恐怖心の甚だしい米国がなにを言ってやがる!と憤懣やるかたない。