ポール・バーホーヴェンが母国へ帰りナチス占領下のオランダを撮ったのだが、バーホーヴェンといえば「ショーガール」や「氷の微笑」の監督なのだからエロティックなのはしょうがない。金髪に染めたバストの小さな娼婦タイプの女がお好みらしい。ほんと!女の好みが映画に出るんですなあ!
「シンドラーのリスト」とか「プライベートライアン」「戦場のピアニスト」みたいな映画とは全く違うものである。(「善き人のためのソナタ」で作家役をしていたセバスチャン・コッホがナチスのムンツェ大尉の役で出ているが、この映画がきっかけでヒロイン?役のカリス・ファン・ハウテンとつきあっているらしい。まあ、そういう映画なのだ。)1944年オランダで歌手だったラヘル(カリス・ファン・ハウテンは「ネコのミヌース」ではとてもキュートだった。)はユダヤ人だったために、隠れ家を転々とするが、家族とやっと再会したのも束の間ナチスの襲撃にあい皆殺しにされるのだった。ラヘルは間一髪水中に飛び込み命拾いをする。草むらに隠れたラヘルはナチスの将校の顔を目に焼き付けるのだった。ラヘルはレジスタンスの連中と共に行動するようになる。ラヘルは髪をドイツ人らしく金髪に染めて名前もエリス・デ・フリースと変える。レジスタンスはカップルを装い、物資を運ぼうとするのだが列車の検閲にひっかりそうになるのをエリスの機転で何とか切り抜ける。その列車の中でナチスのムンツェ大尉(セバスチャン・コッホ)に出会うのだった。美しいエリスに大尉は自慢の切手コレクションを見せる。ここまで話せば後はおわかりになるだろうが、エリスは大尉に近づき愛人になるのだ。ところが大尉は彼女がユダヤ人だということを見抜いていたのだった。エリスを愛してしまった大尉はエリスを告発することが出来ないのだった。あまり戦争の悲惨さが出ていないし、ヒロインも家族を殺されてナチスが憎いはずなのにナチスの将校を愛してしまうという設定がついていけないのだ。肝心の<ブラックブック>も簡単にエリスの手に入るし、何となく黒幕もわかっちゃうし、スリルというものがない。エリスが上半身裸で糞尿をかけられたりするシーンが撮りたいだけなのでは・・・と思ってしまう。何だか中途半端な、ゆるゆるな映画なのだ。この監督にシリアスは似合わない。エロを極めて欲しいものだ。