1997年、ジョン・ダイガン監督の「キャメロット・ガーデンの少女」はアメリカの抱える問題を浮き彫りにしている問題作であった。ケンタッキー州の高級住宅街キャメロット・ガーデンに引っ越してきたばかりのストッカード一家。父親のモートン(クリストファー・マクドナルド)の親の世代はロシア系移民であったが、何とか高級住宅街に住居を構えることの出来た勝ち組!彼はハイソな住民に早く馴染もうと努力している。どうみても風変わりで心を閉ざしている娘デヴォン(ミーシャ・バートン)をガール・スカウトに入れて、クッキーを売り歩かせようとしていた。(だがデヴォンは飛んでいるハエをクッキーの生地に埋め込む)母親のクレア(キャスリーン・クインラン)は大会社副社長の息子で大学生のブレッド(デヴィッド・バリー・グレイ)と火遊びをしている。デヴォンは伯父が話してくれたロシア民話を信じており、森にはバーバ・ヤーガ(魔女や山姥のようなもの)がおり悪さをすると思っていた。デヴォンは10歳にもなるのに想像の世界から抜けられない。父親が書いたリストを携えて、クッキーを売りにあちこちを歩くデヴォンは貧しい青年トレント(サム・ロックウェル)が素っ裸で川に飛び込むのを見てしまう。彼は丘を越えた森の中のトレーラー・ハウスに住んでおり、住宅街の芝刈りをして生活をしていたのだ。デヴォンは森の中でそのトレーラー・ハウスを見てバビヤガ(バーバ・ヤーガを聞き間違えているデヴォン)の家だと思い喜ぶ。そこにはトレントがおり小さなう犬小屋もあった。だがハウスの中には先客がいた。住宅街に住む女子大生パム(アンジー・ハーモン)である。パムは時折ここへ来てはトレントとSEXを楽しんでいたのだ。パムは自転車で帰ったので、デヴォンはトレントのハウスに入ってくる。デヴォンはなぜかトレントの前ではおしゃべりになってしまうのだった。デヴォンが心臓手術の傷跡を見せると、トレントも警察に理不尽な職質をされて散弾銃を撃たれた傷を見せる。議会の椅子を狙っているデヴォンの父親は名士を集めてホームパーティを開く。母親とボーイフレンドのブレッドがイチャついているのを見てしまうデヴォン。あろうことがブレッドはデヴォンにまでエッチなことをしようとするのだった。父親は父親で芝刈りをしたトレントの料金をごまかそうとする。その夜、デヴォンはブレッドがしたことを両親に話すが名士の息子というので両親は無かったことにするのだった。最低の大人たちにデヴォンは失望して、銀行の娘のところへ泊まりに行くと言ってトレントのハウスに行くのだった。トレントはトレントでブレッドやその友人でゲイのショーンに芝刈り機に砂糖を入れられて故障してしまい頭にきていた。2人はトレントの両親の家に行く。トレントの父親は朝鮮戦争の退役軍人だったが、配給のチーズにバクテリアが入っていたために肺をやられて、四分の一しか機能していない。母親はトレントが飛び込みで入賞したときのトロフィーを見せてくれるのだった。デヴォンはトレントの父がくれた星条旗をトラックの窓から捨てるのだった。アメリカという国自体がバーバ・ヤーガなのであると認識する2人。終盤、デヴォンの両親はトレントがデヴォンに猥褻を行ったとして訴える。住民たちはトレントにリンチを加えるのだった。その時、デヴォンはトレントを助けるためにショーンを撃つ。呆然とする住民たち!デヴォンはバーバ・ヤーガのお話通りにトレントにタオルとクシを渡すのだった。すなわちタオルが川となりクシが森となってトレントをバーバ・ヤーガの追跡から救うのである。10年ほど前の作品だが、現在もなおアメリカの混迷は続いている。その余波を受けているのはヨーロッパだけではなく日本も又同様だ。