1969年生まれのウェス・アンダーソン監督と長男フランシス役のオーソン・ウィルソンは大学在学中に知り合い共同で脚本を書き始めた。「アンソニーのハッピー・モーテル」や「天才マックスの世界」「ザ・ロイヤル・テネンバウムズ」などを執筆し2人の名を知らない人はいない。だがウィルソンは本作撮影後2007年8月26日に両手首をリストカットし錠剤を飲み自殺未遂した。一命をとりとめたウィルソンは試写会には元気で出席したという。三男ジャック役のジェイソン・シュワルツマンは製作者ジャック・シュワルツマンを父にあのエイドリアン役で有名なタリア・シャイアを母に持つ。(ちなみにニコラス・ケイジは従兄弟、コッポラ監督は叔父だ。)本作は父の死後に3兄弟がダージリン急行に乗ってインド旅行をするというロードムービー。長男フランシス(オーソン・ウィルソン)はバイク事故で大怪我をして頭に包帯を巻き目の下にはクマが出来ている。(なぜか忠実な助手をつれている)次男のピーター(エイドリアン・ブロディ)は離婚しようとしている妻が妊娠中、三男ジャック(ジェイソン・シュワルツマン)は小説家(彼の持つスーツケースの数々にはイニシャルがつけられた特注。ヴィトンのチーフ・デザイナー、マーク・ジェイコブズが映画のためにデザインしたもの)美しい彼女(ナタリー・ポートマンがベリー・ショートで相変わらず美しい)がいるが列車のアテンダントのリタ(アマラ・カラン)に恋をして早速ちょっかいを出す始末。心の旅をしているというが迷惑きわまりないアメリカ人旅行者というところだ。毒蛇を持ち込んでアテンダントに次の駅で降りろ!と言われたり、列車自体が迷子になったり、メンタル面の核を持たないアメリカ人の右往左往ぶりを見る映画でもある。彼らを捨てた母親パトリシア(アンジェリカ・ヒューストン)がインドの修道院にいることがわかり会いにいったり。兄弟同士が信頼していなかったり。だが列車を強制的に降ろされて徒歩で移動している途中に3兄弟の少年らが溺れているのに遭遇し救助するが一人が亡くなってしまう。その兄弟の村へ行き少年の葬式に立ち会うホイットマン3兄弟。彼らの中で何かが変ってゆく。