1934年グルジアのトビリシで生まれたオタール・イオセリアーニ監督は本国では上映禁止の憂き目にあい1979年にフランスに移住、「日曜日に乾杯!」など独特のユーモアで綴る作品で定評のある人だが本作も軽いタッチの人生賛歌となっている。原題は「秋の庭」。大臣のヴァンサン(セヴラン・ブランシェ)は多忙な毎日を送っていた。別居中の妻と買い物好きの愛人にはうんざりしていたのだが、ある日大臣の職を解雇されてしまう。愛人も去り、仕方なく故郷に帰るヴァンサンを待っていたのは老母(これがおかしなことにミッシェル・ピコリが女性姿で演じているのだ)と旧友たちだった。昔住んでいたアパートに行くがアフリカ系移民に占拠されており、隙間もない。仕方なくアパートを出ると二階の窓から汚物が捨てられて(このバケツ男は度々登場!)ヴァンサンに直撃!通りがかったロシア女性がうちに来て洗い流したらといってくれる。旧友たちは早々にリタイアして、酒を飲み歌いのんびりした毎日を送っている。ヴァンサンも又ゆったり流れる時に身を任せて本来の自分を取り戻してゆくのだった。フランスの陽光豊かな風薫る美しい風景の中で食事をしたりするシーンなど素晴らしい!ヴァンサンはローラースケートで町を楽しそうに走り回る。路上で聖ゲオルギウスのチョーク絵をかく人(これは監督自身である。ゲオルギウスはグルジアの国旗にも描かれている)に会ったり、戦友らとは酒を酌み交わし、雨の中で乱闘騒ぎを起こす。楽器を弾き、密造酒を飲みながら窓辺の美女を眺める。人生なんてこんなもの。だから楽しく生きなくっちゃ!!「すてきで、いいことが俺を待っているんだ。」というヴァンサンの人生はシンプルだ。人生を複雑にしているのは我々自身なのかも知れない。