1985年〜1990年「週間宝石」で連載されていた四コマ漫画が人気があり、幸江とイサオシリーズが独立して幸江の幼少時代なども描いて評判になり映画化された。作者業田良家は1958年生まれの漫画家。このシリーズ以外は「わしズム」に<独裁君>を連載したり、この漫画家は反共産主義・反米主義であるらしい。バリバリの社会派なのだ。チベット弾圧に言及する「慈悲と修羅」など、詳しいことは「わしズム」やニコニコなどでも見られるので興味のある人は見てほしい。この薄幸の女性幸江を中谷美紀は熱演していてもらい泣きをしてしまうだろう。四コマ漫画だと思って馬鹿にしていると手痛い目にあう。「嫌われ松子の一生」以来不幸な女のイメージがつきまとう中谷美紀だが、やはりこの女優は並みの才能ではない。ほとんどノーメイクでそばかす、小鼻の脇のほくろなどつけて綺麗に見せたいなどと思っていないところがいい。(それでもキレイなんだけれども)ことあるごとに卓袱台をひっくり返す。元ヤクザのヒモ亭主イサオに阿部寛。立ちんぼ売春婦幸江との出会いのころは長髪で長身で思い切り突出したキャラで面白い。幸江の父森田家康に西田敏行。若い頃の母秋子に佐田真由美、隣のおばちゃん千春にカルーセル麻紀、幸江の働く定食屋あさひ屋の主人に遠藤憲一、父が連れてくる風俗嬢美和子に名取裕子、他作者の業田良家があさひ屋の客としてカメオ出演している。何かを得ると何かを失う。何かをすると何かを得る。幸不幸などというものは最初から無く、人生は味わうものなのだという作者のメッセージがじわじわと心に染みとおる。やはり幸江の少女時代の描写が一番よい。幸江と友人熊本さんの友情がいい。監督の堤幸彦はそれをさりげなく描いた。卓袱台ひっくり返しは「巨人の星」いらいである。