「ハリー・ポッター」シリーズと同じくらい人気のあるダニエル・ハンドラー原作の「レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語」を「ムーンライト・マイル」などのブラッド・シルバーリング監督が映画化。(この監督、自身もフィアンセを殺害された経験が随分トラウマになっているようだ)敵役のジム・キャリーの演技が少々鼻につくが、導入部の切り紙風のアニメから3人の兄弟姉妹の紹介にかけて美術スタッフが腕によりをかけて作りこんでおり目を見張らせるものがある。それもそのはず「スリーピー・ホロウ」など数多くのティム・バートン監督作品を手がけているスタッフが担当しているのだ。(リック・ハインリッヒの構築するセットの数々は素晴らしい!の一言に尽きる。)この不幸な物語を彩る美しい音楽をトーマス・ニューマン、撮影には「トゥモロー・ワールド」などのエマニュエル・ルベッキが担当している。ボードレール家の3兄弟姉妹の物語は両親の焼死から幕を開ける。ボードレール家の管財人である銀行家のミスター・ポー(ティモシー・スポール)は3人の子供たちを遠縁のオラフ伯爵(ジム・キャリー)に預けるのだが、売れない役者のオラフは子供たちを亡き者にして財産の横取りしようとする。14歳の長女ヴァイオレットは発明家、11歳の長男クラウスは読書家であらゆる知識をその頭脳に蓄積、末っ子のサニー(スポール双子姉妹)は噛み魔で机にかじりついていたりする。3人は協力してオラフの魔の手から逃れる。(遮断機のシーンなど必見!)ミスター・ポーは次の後見人を探す。次は爬虫類学者のモンティおじさん(ビリー・コノリー)の屋敷に行く3人。おじさんはとてもいい人だったが、オラフが助手として屋敷に入り込みおじさんは蛇に噛まれて死んでしまう。次に3人が連れていかれたのはジョセフィーヌおばさん(メリル・ストリープ)の家だった。(この家のデザインが凄い!用心深くて心配性のおばさんの家が断崖に今にも崩れ落ちそうに建っているのだ。)おばさんは文法にとてもうるさい人だった。そんなおばさんに近づくシャム船長(実はオラフ)。ある日、窓が破れておりおばさんは自殺するのだが、残された遺書は文法の間違いだらけだった。ヴァイオレットとクラウスは不審に思う。執拗に3人を追いかけるオラフから逃れることが出来るのか?不思議な美しさに満ちた世界である。3人の子供たちを次々に襲う不幸の数々。それに知恵と勇気で立ち向かう3人。この原作者の視点はなかなかにシニカルである。(世界で3000万部売れているだけの魅力がある)エンドロールのデザインも素晴らしくこれだけでも見る価値がある。ダスティン・ホフマンやジュード・ロウなども出演しており豪華な俳優陣だ。