デヴィッド・リンチの名を高めたTVドラマ・シリーズ「ツイン・ピークス」は一大ブームを巻き起こした。監督自身もワシントン美術大学及びボストン美術館付属美術学校を出ており絵画も描き作品集も出版しているほどの芸術家であるが、独特の映像センスといい、ちょっとクセになる音楽といい麻薬のような吸引力があるシリーズであった。「ロング・エンゲージメント」などジュネ監督とも仕事をしているアンジェロ・パダラメンティが音楽を担当しており(リンチ作品はほとんどこの人)劇中で流れる気だるいジュリー・クルーズの<ナイティンゲール>や<フォーリング>などの歌も良かった。フランシス・ベーコンの絵画が好きだというリンチらしく全体的に暗い色調の中にベルベッドの真紅のカーテンから小さな男や巨人などが出てきてロシア語のような言葉を話す演出などリンチ・ワールド炸裂である。2月23日、田舎町ツイン・ピークスにFBI捜査官デイル・クーパー(カイル・マクラクラン)がやってくる。学園の女王で純真無垢な17歳の美少女ローラ・パーマ(シェリル・リー)の死体が湖から上がったからである。死骸はビニールにくるまれており、死因は大量失血、左薬指の爪の下からはRとタイプされた紙片が入れられていた。クーパー捜査官は早速、地元警察のトルーマン保安官(マイケル・オントーキン)と共に捜査に当る。人気者の女子高生だと評判のローラには隠された秘密があったのである。彼女はコカイン中毒で死ぬ前に3人の男と性交渉を持っていたと鑑識の結果がでる。彼女名義の貸金庫には一万ドル以上の現金と「肉体の世界」というエロ本が入れられていた。クーパーは丸太おばさん(彼女は丸太を抱いておりお告げを聞く)から不思議な証言を得て殺害現場を発見する。そこは廃貨車で中には半分に割られたハートのネックレスが落ちていた。クーパーは一年前の少女殺害事件とローラの事件、そして何者かに暴行され昏睡状態の女子高生ロネット・ポランスキーの事件は関連があると推理する。この美しく静謐なツイン・ピークス。表向きは平和そうな町であるが、住人たちは皆怪しく、変人も多くいた。ローラの父リーランドは地元名士だったが妻のセーラは精神に変調をきたしていた。ローラのボーイフレンド、ボビーはフットボールの花形だったが裏で薬の売人のバイトをしており、麻薬売人のレオ・ジョンソンの妻シェリー(メッチェン・アミックは超美人)と不倫をしていた。ローラの親友ドナ(ララ・フリン・ボイル)はローラとジェームズの恋を応援していたのだが、ローラが死んでからジェームズに急速に惹かれ始めていた。2人はローラを殺害した犯人探しをし始める。ジェームズの叔母は眼帯をしていて無音のカーテン・レールを発明しようとしている。オードリー(シェリリン・フェン)は知恵遅れの兄ジョニーの家庭教師だったローラを知っていたが、彼女の父親ベンがローラに執心しておりポニーをローラに贈っていたことを知る。オードリーはクーパー捜査官に片思いしており捜査に協力したいと思って、ローラがいたと思われる売春宿<片目のジャック>にホステスとして働きだす。その売春宿は父のベンが経営していた。ベンは他にもホテルやデパートも経営していたのだ。謎解きが終わってしまえばなんてことのない話なのだが、謎が謎を呼び最後まで付き合わされる。ストーリー自体より、クーパー捜査官萌えで見た人も多いのでは?出演している女優が美人揃いなのも人気の秘密だろう。クーパー捜査官の好物、ドーナツとチェリーパイが爆発的に売れたというのだから凄い!ローラの日記やクーパーがダイアンと呼んでいるボイス・レコーダーに捜査状況を吹き込んだ内容なども書籍として売られていた。小太郎は続きモノは見ない主義なのだけれど、これは最後まで見てしまった。(「コロンボ刑事」と「CSI」(ラスベガス)だけは全部見た)