脚本家のクリス・コロンバスがニューヨーク大学映画科に在籍していたとき、マンハッタンの衣料品店街の屋根裏部屋に住んでいたのだが、夜になるとネズミの大群がそこらじゅうを走り回り恐怖を覚えたという体験を元に書いた作品であるという。その上クリスは在学中に「ギズモ」という20分の短編映画を撮っていた。製作総指揮のスピルバーグは「トワイライト・ゾーン」でコンビを組んだジョー・ダンテに監督を依頼する。すでにジョー・ダンテは「ハウリング」を成功させておりホラーの鬼才と呼ばれていたのだ。のどかなアメリカ中西部小さな町キングストン・フォールズ。20歳のビリー(ザック・ギャリガンはオーディションでこの役を射止める)は銀行に勤めながら家計を支えていた。心優しいビリーだが、下品な金持ち女ルビー夫人(ポリー・ホリデー)にも敢然と立ち向かい同僚たちの尊敬も集めていた。ビリーの父ランド(ホイト・エクストン)は箸にも棒にもかからないような発明ばかりしており、生活費を稼げるような人間ではない。母リン(フランセス・リー・マッケーン)はボーッとした父とは正反対の勇猛果敢な性格だが夫婦仲はすこぶる良好で家族は幸せだった。ランドは息子のためにクリスマス・プレンゼントを買おうとチャイナタウンへ行く。怪しげな中国の老人から<モグワイ>という動物を買うのだが、取り扱い警告を守らないと大変なことになると老人から念を押される。それは「水には近づけるな!光にあてるな!夜中の12時を過ぎたら絶対に食べ物を与えるな!」という3つの警告だった。その可愛らしい姿にランドは<ギズモ>(スラングで新製品という意味)と名づける。(ILMのクリス・ウォラスはグレムリンのほうは即座に出来たがギズモは仕上げるまでに7ヶ月を要したという)このギズモ、頭脳明晰でTVを見て何でもマスターしてしまう。ディズニーの「白雪姫」を見てハイホー♪と歌い(それもかなりの美声)クラーク・ゲーブルの映画「スピード王」を見てオモチャの自動車を運転してしまう。3Dメガネで映画を見てビックリする場面などキュートで目が離せない。ビリーの恋人ケイト(フィービー・ケイツは当時アイドル的存在だった)もギズモにはメロメロだ。だがあろうことかギズモに水滴が5滴落ちてしまう。そこから玉のような5匹のギズモが誕生するのだが、オリジナルのギズモと違い(この子は本当に優等生)夜中12時過ぎにフライドチキンをこっそり食べるのだった。さあ!大変!ギズモは悪い生き物グレムリンになってしまい、パニックを起こす。悪賢いグレムリンはプールに入り増殖して町中のいたるところ映画館やバーを占拠してしまうのだった。ビリーの母がキッチンでグレムリンと戦う場面など面白い!ビリーとケイト、ギズモは邪悪なグレムリンたちとどう戦うのか?グレムリンという語源は様々だが、どうも20世紀初頭イギリス空軍パイロットたちから出た言葉だという。飛行機が原因不明の誤作動を起こすときグレムリン効果と呼んだ。彼らの仕官食堂にグリムの妖精物語がおかれており、それを読んだパイロットがグリムに出てくる妖精がジャマをしているから誤作動が起こるというようなことを冗談で言ったのが始まりらしい。北米では航空機部品の納入時には飴玉を一つ必ず入れるらしい。グレムリンが悪さをしないように・・・ということだ。迷信だが夢のある話である