松尾スズキの名を一躍高めた作品だ。原作は羽生生純の漫画。「クワイエットルームにようこそ」の松尾スズキはやはり奇才なのである。蒼木門(松田龍平)は半年間無職、所持金180円、20歳なのに童貞の青年だが、新しいバイト先への道を探している途中に格好の石を見つける。その石を拾おうとして手をヒールピンで踏みつけられてしまう。それが証恋乃(酒井若菜)との出会いであった。
門はバイト先<ウレシー商会>に遅刻して到着すると丁度、朝礼の途中で幹部(尾見とりのり)が訓示をしていた。(尾見がとてもうまい!)門の歓迎会が行われるが、自称「漫画芸術家」という門をメガネ社員(杉村蝉之介)が愚弄する。ついカッとなって殴りかかる門だったが反対にボコボコにされるのだった。たまたま<ウレシー商会>で働いていた恋乃に介抱されて彼女のマンションに行くがキスしたことまでは覚えていた門だったが、翌朝目覚めてみてビックリ!<ソウルキャリバー>のホン・ユンスンのコスプレをさせられていたのだ。恋乃はシャンファの格好をしている。恋乃はコスプレおたくだったのだ。ノイコというペンネームで同人誌も出していた。同人誌の印刷代600部15万円で印刷すると聞いた門は「カップメン一日3食を一年間食べられる。なんという無駄だ!」と思うが、恋乃がコミケで800部売れたので100万円儲けて、今までに17冊出したので1000万円以上儲けたというのを聞いて門はショックのあまりそのまま逃亡してしまうのだった。
恋乃は門が残していった所持品を頼りに門のアパートへ行ってみるのだった。門の漫画作品は石を並べた大変シュールなものだった。いいムードになった2人はキスをするが恋乃がもっと自分のことを知って欲しいと門をアニソンスターの阿部セイキ(皆川猿時)の<セイキドキドキあわび狩りツアー>に誘うのだったが、門には金がない!そこで漫画バー<ペン>でバイトすることにする。マスター毬藻田(松尾スズキ)は門の作品を見て「普通のペンで描いたマンガを書け!」という。店の常連客に野呂(塚本晋也)や「久方ぶりに子宮にずしりと響きました。」などという園決理(小島聖)。イメクラ店長に三池崇史。コミケにやってくる顔ぶれにジョージ朝倉や内田春菊、山本直樹、しりあがり寿。恋の両親に平泉成と大竹しのぶ。旅館の主人夫婦に庵野秀明と安野モヨコ夫妻、日本画家の門の父に大竹まことなど、また小日向文世のSMボンテージ姿なども見られる。恋乃と門の2人が一緒にマンガを描くシーンがなかなかに良い。SEXシーンも松尾スズキならではのエロティック演出が光る!是非この2人の恋の行方を見定めて欲しいのだ。