チャウ・シンチーという人は貧困層出身であるからか、こういった人たちを描くのがうまい。貧乏がちっとも悲惨ではない。それがどうした!って感じだ。ぶさいくな百姓女も半ケツ青年も生きる価値がある!本作は武侠小説とカンフーおたくのチャウ・シンチー監督が最高の娯楽映画に仕上げた。金庸の武侠小説から4つのアイデアを取り入れたシンチーは金庸に一つにつき一万元を支払ったといわれており、2004年12月のタイ、プーケットで九死に一生を得た金庸はその金を募金したとして話題にもなった。共産党成立前夜、ヤクザ組織の「斧頭会」が台頭していた。組長のサム(チャン・クオックワンはシンチー映画の常連だがブルース・リーの物まねを得意としている)は次々に対抗勢力をつぶして自分の傘下としていた。一方貧民区<豚小屋砦>では大家の楊過(ワン・ユーは「サイクロンZ」など多くの香港映画に出ているバイプレーヤー)と妻の小龍女(ユン・チウも又ワン・ユー同様、ジャッキー・チェンなどが出ているカンフー学校出身だが28年ぶりの映画出演だという。ある女優の付き人をしていたところを監督に声をかけられた。10キロ以上も体重を増やしてこの当たり役に挑戦したという)が住民たちと暮らしていた。何故か半ケツの散髪屋(ホー・マンファイ)が共同の蛇口から頭と体、歯磨きまでしているが突然、水が出なくなる。不満を言う住民に大家の妻が出てきて「家賃を払え!」と息巻く。(小さな溝の水をすくって洗う半ケツが面白い)恐妻家の大家は妻に逆らえない。そこへチンピラのシン(チャウ・シンチー)と太っちょの相方(ラム・ジーチョンも常連だ)がやってきて、散髪をするが金を払わないと言いがかりをつけて住民を怒らせるのだが、そこへやってきた本物の「斧頭会」に花火が当たってしまい<豚小屋砦>に危機が迫るのだった。親子がガソリンをかけられて火を放たれようとするとき誰かが、悪党を蹴飛ばす。なんと!このアパートには3人のカンフーの達人が隠れ住んでいたのだった。人足(シン・ユー)は十二路譚腿(じゅうにろたんたい)を(この技は少林寺北派のもので初心者でも使える)を粥麺屋(ドン・ジーホウ)は五郎八卦棍(ごろうはっけこん)を(修行のために麺を打つということがあるらしい)おカマで仕立て屋(チウ・チーリン)は洪家鉄線拳(こうけてっせんけん)を(腕にはめている鉄輪は実は練習用具らしいが、難度の高い上級者向きの技であるらしい)炸裂させる。(この辺りの見せ方は面白い)収拾がつかなくなると思った大家の妻は獅咆哮(ししのほうこう)で敵を蹴散らすのだった。(この技はその昔竹林の七賢人などが修行・養生のために使ったという一つの発声法)こうなったら組長は黙ってない!盲目の琴弾きの暗殺者を二人雇い入れる。夜半、二人の暗殺者がやってくる。最初は人足が闇にまぎれて殺害される。(殺し方がいい!)古琴波動拳は音が美しく、見る価値があるがアクション監督のユエン・ウーピンは大いに悩んだらしい。3人の達人は殺害されるが、大家の太極拳の前に暗殺者は撃退される。そして組長は最後の大物暗殺者、火雲邪神(ブルース・リャンも又15年ぶりの映画出演らしいが、彼のファンだった監督が頼みこんだらしい)を呼んでくる。シンは子供の頃、謎の浮浪者(ユエン・チャンヤンは「チャーリーズ・エンジェル」などの武術指導をしているれっきとした人)に「100人に1人の逸材だ!」などと言われて貯金をはたいて奥義「如来神掌」の本を手にいれていたのである。(こんなペラペラの冊子で強くなるわけがない)聾唖の美少女(ホアン・シェンイ)との再会もあり、ラストまで一気に魅せる!だがシンチー自身はカンフーが上手ではないのであしからず!!(だが最強のゴクウのような役である)腹をかかえて笑っている内に見終わってしまう!