本作でモーリス・ベジャール振り付けの「ボレロ」を知ったという人も多いだろう。冒頭ジョユジュ・ドンの踊る「ボレロ」は圧巻である。またクロード・ルルーシュ監督の代表作でもある。1981年パリのトロカデロ広場のユニセフ・チャリティに集まる各国の音楽家・舞踊家たち。カラヤンとグレン・ミラー、ルドルフ・ヌレエフ、エディエット・ピアフをモデルに4組の芸術家の大戦とその後を描いた。1936年、モスクワのボリショイバレエ団のプリマ・オーディション。タチアナ(リタ・ポールブールド)はオーディションに落ちるが選考委員のボリス(ジョルジュ・ドン)に見初められて2人は結婚する。まもなくボリスはスターリングラード攻防戦へ出征して戦死する。息子セルゲイを抱えてタチアナはバレエを続ける。成長したセルゲイ(ジョルジュ・ドン二役)は有名なバレエ・ダンサーになるのだが、1960年オペラ座にやってきたセルゲイは亡命する。母は再婚してモスクワにとどまり息子の活躍を見守るのだった。1937年、パリのフォリー・ベルジェール。バイオリニストのアンヌ(ニコール・ガルシア)とピアニストのシモン(ロベール・オッセン)は結婚するのだが、ユダヤ人であったために収容所送りとなる。アンヌは乳飲み子を助けたいために貨車の床から線路へ子供を下ろすのだった。だがシモンはガス室送りとなって死ぬ。生き残ったアンヌは地方巡業を回りながら、捨てた子供を必死になって捜すのだった。だが子供は牧師に養育されておりダヴィッド(ロベール・オッセン二役)と名づけられていた。その子もアルジェリア戦線で戦い帰国後、作家となってパリに出る。そしてようやく精神病院にいる母タチアナに再会するのだった。同じく1937年のパリ、ナイトクラブ歌手のエブリーヌ(エブリーヌ・ブイックス)はナチスの軍楽隊長カール(ダニエル・オルブリフスキ)と愛し合う。だがナチの女だったエブリーヌはパリを追放されて私生児を生む。その子はエディットと名づけられて祖父母に養育され、TVキャスターとなるのだった。一方、帰国したカールは妻マグダの元に戻るが愛児は死んでいた。戦後メトロポリタンでコンサートを開くのだが、ナチスだったカールに抵抗したユダヤ人がチケットを買い占めてしまい、客は一人も入らないのだった。1939年ニューヨーク、ジャズ奏者ジャック・グレン(ジェームス・カーン)はヨーロッパ戦線に出て帰国するも妻は交通事故死してしまう。娘サラ(ジュラルディン・チャップリン)は歌手となり息子のジェイソンはマネージャーとなっていた。作家のダヴィッドとサラは結婚をし、息子パトリックは成長し歌手となっていた。この人たちが一同に介したチャリティは幕を開ける。非常に印象に残る映画であった。戦争の哀しみと運命に翻弄される人々をモスクワ・パリ・ニューヨーク・ベルリンを舞台に描いた大作である