ふざけた映画に見えるがチョウ・ユンファの「バレット・モンク」より数段面白かった。前世が見えるなどという番組を見ていると興ざめしてしまうワタシなのだが(芸能人は姫かサムライか?たまには虫とかでもいいのでは?)昔むかし、祖母が「先祖がいいことをしていないので私は人様に返す番なの」と乞食の人でも追いかけて食料を渡していたことを思い出してしまう。そんな映画であった。輪廻転生という考え方はなかなかいい考え方である。人間などというものは、とてつもなく罪深く残酷なものなのだから前世でした報いが現世でかえってくる!という教えは抑止力にはなるかもしれない。(無いよりはマシである)現世でよい行いをすると来世でいいことが帰ってくるのだから、人間は他人を傷つけてはならないのだ。本作は1998年(香港返還)〜2008年(北京オリンピック)の出来事としており、メッセージ性は強い。反日描写があるので日本人にはちょっと不愉快な場面もあるが、憎しみの連鎖を断ち切る主人公ビッグガイに免じて心静かに鑑賞しよう。監督は「ターンレフト・ターンライト」のジョニー・トー。ストリップバーで20キロの筋肉襦袢を着たアンディ・ラウがスッポンポンになっているのには驚くが、前半はコミカルに進んでゆくのだ。ビッグガイ(アンディ・ラウ)は石窟寺院の修行僧だったが、ある少女が惨殺されるのを助けられなかったことにより山を降り俗世にまみえていた。その夜もストリップをしていたのだが、囮捜査官リー・フンイー(セシリア・チャン)に逮捕されそうになり逃亡するのだが、リーは追跡してくる。追跡中にインド人の犯人に遭遇したリーは誤って警察犬を撃ってしまう。だがビッグガイにはリーの前世が見えていたのだ。リーの前世は南京大虐殺で中国人の首を切り落した日本軍人だったのだ。ビッグガイにはリーが前世の報いで斬首されて殺されることがわかったのだ。真面目で一生懸命のリーが不憫でならないビッグガイは何とか彼女の輪廻を食い止めてやりたいと思うのだった。一方逃げたインド人は凶悪犯だったが前世で死の直前に左足のないカブト虫を救っていた。それを知ったビッグガイは左腕のない女性を探すのだが・・・。インド人は女性を人質にとって立てこもる。その女性に優しくされたことで犯人は投降しようとするのだが、バス・ターミナルで警察との銃撃戦になってしまい、その女性は左腕を吹き飛ばされてしまう。その女性の前世はカブト虫だったのである。(こう書くと何だかつまらないが、映像で見ると感心してしまうのだ)運命は避けられないと思ったビッグガイはリーに前世を教えてやる。逮捕されたビッグガイは中国へ強制送還されてしまう。ビッグガイにもう一度会いたくてリーは石窟寺院に行くのだが・・・・・。衝撃のラストが待っていた!