「喜びの毒牙」「サスペリア」のダリオ・アルジェント監督の異色映画。当時14歳の美少女だったジェニファ・コネリーを有名にした映画でもある。イタリアの巨匠フェリーニの自宅で執筆したというシナリオは前代未聞の映画になった!チューリッヒ郊外の田園地帯、ツアーバスに乗り遅れたベラという女性が森の中の別荘に迷い込む。ベラが入った途端、悲鳴が聞こえる。ベラの首には鎖が巻かれ手にはハサミが刺さっている。そして滝壺にゆっくりと落ちてゆくベラの生首。殺人課のガイガー警部は昆虫学者のマクレガー博士に生首についた蛆虫の調査を依頼する。マクレガー博士は下半身不随で車椅子に乗っていた。一方、有名俳優ポール・コルビノの娘ジェニファー(ジェニファー・コネリー)はチューリッヒの寄宿学校へ入るために付き添いの女教師ブルックナーと共に車で移動していたのだが、車窓から一匹の蜂が入ってくる。パニックになるブルックナーだったが蜂はジェニファーの腕にとまると大人しくなるのだった。そう、ジェニファーは昆虫と交信出来たのである。ジェニファーは寄宿舎で恐ろしい夢を見る。通路をずっといくとジゼラという少女が串刺しになって惨殺されているのだ。ジェニファーはその上夢遊病になりさまよい歩くのだがバルコニーから落下してしまい、2人の若者に車の中に連れ込まれるが、運良くドアが開き土手を転がるのだが、インガという名のチンパンジーと出会う。インガの飼い主はマクレガー博士だったのだ。博士はジェニファーの能力に興味を示す。寄宿舎に戻るとルームメイトのソフィーが惨殺されていた。ある夜、ジェニファーはホタルに導かれて藪の中で手袋を見つけるのだが、その手袋の甲には蛆虫が付着していた。マクレガー博士はその蛆虫が死肉を食べるサルコファゴスという名前の黒いハエだという。そこでガイガー警部はジェニファーにそのハエの入った箱を持たせて、最初の被害者ベラの首から下の死体を突き止めようとする。ハエの導きでジェニファーはあの森の中の別荘に行き着くのだが・・・・・。ずいぶん前の映画なのだが、「羊たちの沈黙」(死体の虫で犯人を捜す)と「リーピング」(虫使い少女)を足したような作品である。当時、死肉につく虫を捜査に使うなどというのは新しかった。(今はC・S・Iシリーズなどで当たり前。グロッサム主任は昆虫の第一人者だ。)その上ダリオ監督、14歳の美少女に蛆虫プールで泳がすなどという暴挙に出ているのだ。美少女をいたぶるのが趣味(監督自重!)のようでジェニファー・コネリーが涙ぐましい演技をしている。妙に印象に残る映画であった。食事中は決して見ないでいただきたい。