2000年のミッシェル・カンのベストセラー小説「恐ろしい庭」を「クリクリがいた夏」などのジャン・ベッケル監督が映画化した。本作を見たスピルバーグが深く感銘しリメイク権を取得した。1960年、フランスの片田舎の町に住む14歳のリュシアン(ダミアン・ジュイユロ)は毎週日曜日になると気が重いのだった。なぜなら小学校教師をしているパパ、ジャック(ジャック・ヴィユレ)が一家を連れて、お祭り広場でピエロの扮装をして観客を笑わせるからだ。みんなに笑われている父親を見るのはいい気持ちではない。ママのルイーズ(イザベル・カンドリエ)はそんなパパを温かく見守っているし、お姉ちゃんはお祭り広場にやってくる男の子に夢中だ。いつもの通り、つまんない顔をして座っているとパパの友達で売れない帽子屋のアンドレ(アンドレ・リュソリエ)が隣に座って「パパが毎週ピエロになるのには理由があるんだよ。」と言って戦争中の話をしてくれるのだった。ジャックとアンドレは若い頃からつるんでいたが、酒場の人気者ルイーズをめぐって恋の鞘当をしていた。ルイーズがレジスタンス運動をしている人間を褒めたので、2人はフランス占領下のドイツ軍に一泡吹かせようと、鉄道ポイント切り替え所を爆破しようと画策する。そして見事、爆発に成功するのだったが、管理人のフイリクス老人が重傷を負ったのも知らず二人は祝杯をあげていた。ところがドイツ軍がやってきて二人を逮捕する。他にも保険代理人のティエリー(ティエリー・レルミット)とジャックの教え子エミール(ブノワ・マジメル)が捕まっており、ドイツ軍は爆破犯人が名乗りを上げないと4人共銃殺刑に処すると町中に触れ回った。4人は深い穴に入れられて、そのまま放置される。雨が降り泥まみれで4人は恐怖で眠ることも出来なかったのだが、翌朝、一人のドイツ兵が穴のそばに立ちリンゴなどの食料をこっそりと放り込んでくれるのだった。今日を限りの命と覚悟した4人は落ち込んでいるが、又その兵士がやってきてピエロの赤い鼻をつけてフランス語の歌をうたって道化をしてみせる。4人は始めて笑い、そのドイツ兵も笑うのだが、上官がやってきて4人の殺害命令を下す。道化になってみせたドイツ兵は首をふり上官に撃ち殺されるのだった。穴に落ちる死体に嘆き悲しむ4人の姿があった。ちょうどその時、犯人が名乗りでたという連絡が入り4人は命を救われる。ジャックとアンドレはルイーズの店に行き、彼女からフィリクス老人が自分が犯人だとドイツ軍に名乗り出て銃殺刑に処されたと聞くのだった。二人がフィリクス老人の未亡人に会いにいく場面も又感動的だ。軽い気持ちでやったことが二人の尊い命を奪ったのだった。それからジャックはピエロになり続けている・・・・・。ユーモアと笑いこそが絶望を希望に変えられる唯一の宝だからである。