「マルコムX」や「25時」など社会派監督のスパイク・リーがメガホンを取った次の作品はクライム・ムービー。アル・パチーノ主演の名作「狼たちの午後」に対するオマージュ的作品だという本作は、とても素晴らしい出来栄えの映画となっている。冒頭、ダルトン・ラッセル(クライヴ・オーウェン)の独白から始まる。「俺はダルトン・ラッセル。今日、俺は銀行を襲撃する。」NYマンハッタン銀行の前に「パーフェクト塗装サービス」のバンが停車する。中から同じつなぎを着て覆面をつけた男たち4人が出てきて銀行内へ入ってゆく。銀行員と客、合わせて50人が人質になるのだが、人質全員に同じつなぎを着せ同じ覆面をかぶらせるのだった。数人を別の部屋へ入れたり、その中から数人を入れ替えたりしてかく乱するのだった。これでは誰が見方で誰が敵か特定できない。4人は外国人なまりを使い互いのことを<スティーブン>とか<スティーヴO>とか<スティービー>とか呼び合う。通報を受けてNY市警察捜査官キース・フレイジャー刑事(デンゼル・ワシントン)が駆けつけるのだった。現場を統括するのはダリウス警部補(ウィレム・デフォー)だ。マンハッタン信託銀行取締役兼会長のアーサー・ケイス(クリストファー・プラマー)もまた急を要していた。早速、女弁護士でネゴシエーターのマデリーン・ホワイト(ジョディ・フォスター)が呼ばれる。一方ダリウスもまた担当の麻薬事件で14万ドルが紛失しており汚職したのではないかと内部調査課から疑惑をもたれていたのだった。ダリウスはこのヤマを失敗する訳にはいかなかった。緊迫する現場。一人の老人が解放されたが、老人は犯人の伝言を言う。「もし警官を近づけたら人質を2人殺す。」と。しばらくしてもう一人の人質が解放されるのだった。首にはボードがつけられており「ケネディ空港にジャンボ機とパイロットを用意しろ!しなかったら夜9時以降一時間毎に人質を一人ずつ殺す。」と書かれていた。ダリウスは犯人の首謀者と見られるダルトンと電話で話すことが出来るのだったが、ダルトンは冷静沈着で焦っている様子もなく、型どおりの要求しかしてこないのに疑問を持つのだった。そこへケイス会長に依頼された弁護士マデリーンが犯人直接交渉をするために銀行内に入ってくる。「私の依頼人は貸し金庫の中のものをとても心配しているの。もしそれが目的なのならば、依頼人はいくらでも買うといっているわ。」マデリーンの提示額でも心の動かないダリウス。交渉は決裂するのだった。ピザの差し入れをする警察。そのピザには盗聴器が仕込まれていたのだ。だが、ダリウスも馬鹿ではなかった。人質のボードに盗聴器をつけて警察の動向をキャッチしていたのだった。それを知った警察は強行突入を敢行する。銀行内から解放された人質が大勢助けを求めて出てくるのだった。警察は突入するも銀行内はもぬけの殻!これは一体?死傷者ゼロ、金庫の金も無事。一体犯人の目的とは・・・・何だったのか?最後まで目が話せない作品なので気を抜かないで見ていただきたい。スパイク・リーの映画は音楽がとてもいいので有名だが、今回も冒頭から聴かせる!インド音楽っぽいなと思ったらやはり「ムトゥ踊るマハラジャ」などインド映画音楽の巨匠R・A・ラマーンが参加していた。テレンス・ブランチャードのサックスも耳に心地よい。