この映画のオリジナルは1949年、赤狩りの犠牲者にもなったロベール・ロッセンの小説を彼自身が映画化しアカデミー賞3部門を受賞した。邦訳は「すべては王の臣」だ。このピューリッツア賞をとった原作にはモデルがいる。1920年〜1930年代にルイジアナ州知事から上院議員になり大統領にまでなろうとしたヒューイ・P・ロング議員である。彼もまた反対派により暗殺されたのだ。
一人の理想主義に燃えた男が権力を手にした途端、腐敗にどっぷり浸かってしまう話である。
上流階級出身でクロニクル紙の記者ジャック・バーデン(ジュード・ロウ)はメーソン市の学校校舎入札汚職の真相を追っていた。その汚職事件を告発しよいとしていた軍出納官スターク(ショーン・ペン)と出会うのだった。ウィリー・スタークは教師の妻をもち飲酒もしない真面目な男で理想に燃えていた。そんなスタークに強くひかれるジャックだった。ところが州知事候補の当て馬にしか過ぎなかったスタークは貧民層に訴えかけて逆転当選をするのだった。権力を手にした途端、愛妻家だったスタークは愛人を作り始めるのだった。新聞社を辞めたジャックはスタークの参謀として雇われる。上流階級出身のジャックの周囲はスタークのやり方に反対だった。ジャックの叔父のアーウィン判事(アンソニー・ホプキンス)もまたスタークには批判的だった。ジャックは益々スタークに傾倒してゆくのだった。だがそちら側もジャックにとっては居心地のいいものではなかった。アーウィン判事が知事に対する弾劾記事を掲載する。判事に泥まみれのやり方だと言われてスタークはどこもかしこも泥だらけだと答えるのだった。ジャックは父親代わりだった判事の身辺を洗うようにスタークに命じられる。判事の過去のスキャンダルを暴き、没落した友人アダムの妹で初恋のアン(ケイト・ウィンスレット)をスタークに寝取られたりとジャック自身の美しい夢や過去の思い出までをも壊されていくのだった。そして物語は悲劇的結末へとなだれこむ。<知らなければ傷つくことはない。ある本によればそれは理想主義だという