16歳の女子高生の妊娠を軽妙な会話とポップな音楽で綴る「ジュノ」は出産をしたことのない女性が書いていると思ったがやはり的中!(生んだ赤ちゃんを養子にやるし、父親である男子高校生とはその後も続くしアッケラカンとした明るさに満ちている。)だが頭の回転の速いジュノのアップテンポな会話は面白い。あまりにドライでびっくりするくらいだ。だがこのシナリオはアカデミー脚本賞を受賞した。この新鋭脚本家ディアブロ・コディは1978年生まれの女性。彼女は一年間ストリップをしていた体験を自叙伝にして出版。自身のブログを書いてもいたが、その軽妙な文章のファンだったプロデューサー、メイソン・ノヴァックが彼女にシナリオを依頼。ディアブロ(なかなかの美人さん)はテレフォン・セックス・オペレーターと保険コーディネーターの仕事の合間に「JUNOジュノ」を執筆した。そのシナリオは手直しの必要がないくらい完璧だったという。低予算ながらもエレン・ペイジを迎えて、昨年「サンキュー・スモーキング」でその手腕を買われた若き監督ジェイソン・ライトマンが映画化した。この映画、全米で一億ドルも稼ぎ出しFOXサーチライト・ピクチャー作品の中でも歴代一位を獲得するという大ヒット!となった。ジュノ(エレン・ペイジは利口な女子高生役が似合う)はバンド仲間のポーリー(マイケル・セラ)と一度だけSEXするのだが、なんと!妊娠してしまう。友人のリアに絶対中絶する!と宣言したものの、中絶反対運動をしている女の子から「赤ちゃんにはもう爪だって生えているのよ!」と言われて産む決心をする。新聞で養子縁組を望んでいるという夫婦を捜していて、美男美女のカップル、マーク&バネッサに白羽の矢を立てる。用意周到に準備をしてから両親に打ち明けるジュノ。パパ(J・K・シモンズが優しいパパを好演)と継母のブレン(アリソン・シャネイ)は驚くが、即座にジュノに協力をすると宣言する。パパと養親夫婦に会いにゆくジュノ。CM作曲家のマーク(ジェイソン・ベイトマン)とキャリア・ウーマンの妻ヴァネッサ(ジェニファー・ガードナー)はとても感じのいい夫婦で豪邸に住んでいた。(2人と会話するジュノが面白い)この夫婦セックスレスで妻はとても子供を欲しがっている女性で夫の方はと言えば、大人になりきれていない男性で(ロックスターを夢見ており、音楽・マンガ・映画オタクである)ちょっと大人っぽくて回転の速いジュノとは意気投合する。ジュノのお腹はドンドン大きくなるし、父親なのに蚊帳の外の彼氏は他の女の子とプロムに行こうとしてジュノにブチ切れられる。子供を持つことのみに執着している妻に愛想が尽きている夫マークは魅力的なジュノに惹かれており、ジュノと一緒に暮らすことを画策する。が妻とは別れるというマークに戸惑うジュノ。完璧な夫婦だと思っていた彼らを見ていて一人の人をずっと愛し続けることの難しさを考えるジュノに、「世界で誰よりもお前を理解し愛しているのはパパだからね。」というパパ。ジュノの妊娠・出産で周囲の大人たちが少しずつ変ってゆく。そんな様子を温かく描く佳作!