ゾンビ映画の歴史は結構古い。子供の頃見たゾンビ映画はジョージ・A・ロメロだったと思うが定かではない。カナダから従来にはなかったゾンビ映画が誕生した。ゾンビというものは映画でもゲームでも人間を襲ってくる化け物であり、とても太刀打ちできそうにない強い存在だが「ゾンビーノ」に出てくるゾンビは人肉食いではあるが何だか可愛い!原題は<Fido>。ペット犬という意味らしい。1950年代のパラレルワールドという設定なので彩度が高く晴れ晴れと美しい。放射能により死人が蘇り生者と死者の壮絶な戦いが終結したのだが、死人が蘇ることには変わりない。ゾムコン社のガイガー博士がゾンビを制御できる首輪を発明し人々はゾンビを使用人にして暮らしていた。ティミー(クサン・レイは繊細な少年でなかなか良い)の家は父親のビルがゾンビ戦争の時に実の父を殺しており、それがトラウマとなっていたのでゾンビを毛嫌いしていた。母ヘレン(キャリー・アン・モス)はお隣の奥さんが8人もゾンビを使用人として使っており一人もゾンビがいないのを恥ずかしいと思いゾンビを一人買い入れるのだが・・・・。友人のいないティミーはそのゾンビに<ファイド>と名づけてキャッチボールの相手にする。その最中にボールを拾いにいったファイド(ビル・コノリーは「レモニー・スニケットの〜」の爬虫類学者のおじさん役などに出演していたが、本作ではほとんど素顔がわからない)はヘンダーソン夫人にしこたま殴られて首輪がはずれてしまう。咄嗟にヘンダーソン夫人を食べてしまうファイド。ティミーは驚いてファイドに首輪をつけて連れ帰るが、途中で隣家に引越してきたゾムコン社重役のボトムズ氏(ヘンリー・トゥエニー)に鉢合わせしてしまう。不審気なボトムズを何とかまいて自宅に戻るティミーとファイド。ヘレンもまた第二子を妊娠していたのだが夫は気づかず孤独な思いを抱えて暮らしていた。そんなヘレンを気遣うファイドにヘレンは「あなたが生きていた頃に出会いたかったわ。」という。ヘンダーソン夫人はゾンビとなり次々に町の人々を襲うのだった。同じく隣家に住むシアポリス氏(ティム・ブレイク・ネルソン)はゾムコン社に勤務していたのだが、ゾンビのタミーを恋人にしてしまったのでゾムコンをクビになってしまっていた。奇妙なのは生きている人間よりゾンビのほうが人間らしいということである。カナダ映画なので多分にアメリカ批判がほのめかされている。脚本と監督はアンドリュー・カリー。視点が違うとこうも違うのだということを証明してみせた。