アメリカで物議をかもした問題作ということで観たのだが、確かにある意味指に小さな棘がささってなかなか抜けないような小さな痛みを感じる作品ではあった。30代女が10歳の少年と入浴するとかキスをするとかいうシーンに物申す人が多かったらしいが、この少年が本当に死んだ夫の生まれ変わりなのかということが物議をかもしたというのだ。なんだ!そこかよ!と突っ込んでしまった。(アメリカでの話しである。)私のようにひねくれ者で穿ったものの見方しかできない者は素直に愛の物語とは思えないのですな。これが。けれどもロマンチストな女性陣には受けたようだ。ニコール・キッドマンという女優は意外に女性に人気がある。(私などは「赤い航海(デッド・カーム)」の頃から知っているのでなんだか容姿が変わったなあ〜としか思えないのだが。)ただ「アザーズ」とか「インベーション」とか神経症の役は凄く似合うと思う。「もし妻のアナが死んだとして、その次の日小鳥が窓辺にやってきて<ショーン私はアナよ>って言ったら、その鳥とずっと一緒にすごすでしょうね。」というショーンらしき人間のスピーチから映画は始まる。そしてジョギングするショーンが倒れるシーンが挿入される。10年後婚約パーティが行われようとしている。一人の女性が婚約プレゼントの箱を持っているが公園の隅に埋めてしまうのだ。それを見ていてその箱を掘り起こすデヴィッド少年(キャメロン・ブライト)。ショーンの未亡人アナは長いこと夫のことが忘れられず、やっとジョセフ(ダニー・ヒューストン)のプロポーズを承諾したのだった。アナの母エレナ(ローレン・バコールとても懐かしい往年の名女優)は「私はショーンが嫌いだった。」と話している。そこへデヴィッド少年がやってきて「アナ、ジョセフと結婚しないで欲しい。僕はショーンの生まれ変わりだ。」と告白する。初めは取り合わないアナだったが、ショーンと自分しか知らないことを少年は知っており、激しく動揺してしまうアナは周囲の非難をよそに徐々に少年にのめりこんでいくのだった。天才子役キャメロン・ブライト扮するデヴィッドが非常に大人びた表情を見せて、真剣に愛を訴えるのでアナも段々その気になりジョゼフを拒絶して、少年との未来を考えるようになるのだった。「後10年もたてばあなたは大人になる。でも私は40歳よ。」「そんなこと関係ない。僕はアナを愛しているのだから。」二人で愛の逃避行までしょうとするアナが哀れだ。パーティに来ていたアナの友人クララ(アン・ヘッシュ)もまたデヴィッドを待っていた。アナという女性が激しく苦しむ映画でもあるのだが、突き放されたような結末は悲しすぎるがそれゆえに余韻は残る。何らかの救いを残すとか、ひとひねりあったほうがよかったのではと思うのはわたしだけだろうか。スッキリしない映画である。だからこそ物議をかもすのだろう。しかし女性は美しい思い出だけで生きていけるものであるらしいから、知らないほうが良かったことだってある。このヒロインは二重にショーンに裏切られたことになる。行き場のなくなったアナが無理無理ジョセフと結婚するのもアナの人格を疑いたくなる。純粋なデヴィッドの気持ちだけを受けとってその思いを大事に一人生きていくほうが美しいと思う。ショーンの裏切りを本当にアナは知らなかったのだろうかという疑問も残る。もっと二転三転あっても良かったのでは・・・と思う。