英国スパイ小説の大家ジョン・ル・カレの原作を社会派監督フェルナンド・メイレレスが映画化した。外務省一等書記官ジャスティン・クエイル(レイフ・ファインズ)はフリージアを庭で育てるのが趣味のいたって物静かな男だった。ある日、ジャスティンは自分とは正反対の精力的な女性活動家テッサ(レイチェル・ワイズ)と出会う。(余談だがテッサの役には多くの女優が名乗りをあげたらしい。デミ・ムーアは「問題外!」と却下されニコール・キッドマンは「老けている!」とにべもなく断られたという)強く美しいテッサに心惹かれたジャスティンは彼女にプロポーズする。テッサはジャスティンの今度の赴任地ナイロビへ一緒に連れて行って欲しいと言う。2人は結婚しナイロビ空港に降り立つ。ジャスティンがガーディニングをしている間にもテッサはロキの貧民街に通い活動をしていた。それは妊娠しても変らずテッサは子供を死産してしまう。その頃から頻繁にロキ通いが行われ黒人医師のアーノルド(ユベール・クンデ)と共に飛び回っていた。そして運命の日。ジャスティンはテッサがトゥルカナ湖でレイプされた挙句、惨殺死体で発見されたという知らせを聞くのだった。ジャスティンはテッサがアーノルドと関係を持っているのではないかと疑っていたのだ。そのアーノルドも行方不明だという。ジャスティンはテッサの足跡を追ってロキへ赴く。テッサは<ロキのダイアナ>と呼ばれて慕われていたのだ。テッサが告発しようとしていたこととは、大手製薬会社<三匹の蜂社>が新薬実験のために、ロキの貧民に危険な結核治療薬を渡していた事実と外務省アフリカ局長のペレグリンと製薬会社の癒着だったのである。ジャスティンはテッサの従兄弟で弁護士のハムにも会いにゆく。ハムの口からテッサが自分だけを深く愛していたことなどを聞くのだった。ジャスティンはテッサの遺志を継ごう!と決心する。その証拠を全世界に告発すべく手配したジャスティンはテッサの殺害されたトゥルカナ湖へ行くのだった。テッサが死んだ場所で静かにテッサを偲ぶジャスティン。彼の耳には背後から近づく足音が聞こえていた。アルベルト・イグレシアスの静謐な音楽が物悲しい。レイチェル・ワイズはアカデミー助演女優賞を受賞した。よく出来た映画である。