中国本土では正月監督と言われているファン・シャオガン監督の「天下無賊」はチャン・イーモウを抜いて興行成績第一位だった。この監督は「女帝エンペラー」も撮影している。今回はチベットの広大な景色をバックに中国の大地を横断する列車の中で起こるスリ達の攻防を描いた。
ワン・ポー(アンディ・ラウ)とワン・リー(レネ・リウ)は成金からBMWをせしめてチベット旅行へ出かけるのだが、リーは足を洗いたいという。車内でケンカになってしまいリーは突然車を降りてしまう。リーが困っているとシャーケン(ワン・パオチアン)という若者が自転車で通りかかり水筒の水を飲ませてくれて自転車で駅まで送ってくれるのだった。駅でポーとリーは仲直りするが、その間ポーは駅の待合室でスリを働く。だが待合室にはフー・リー(グォ・ヨウ)率いる4人組のスリ集団がいたのだ。一方シャーケンは農村出身の青年で寺院建設現場で数年働いて貯めた金6万元を持って故郷へ帰り嫁とりをしようとしていたのだが、仲間が手数料600元を払っても送金しろと忠告するにもかかわらず自分で持って帰るといってきかないのだった。シャーケンは純朴で正直な青年だったのである。それで大声で「この中に泥棒はいる?誰もお金をとりはしないよ!」と言うのだったが、それを聞きつけたフー・リーたちは顔を見合す。それを察したポーとリーは、リーが顔見知りになったシャーケンと相席になる。この映画はスリ対決が見ものなのだが、食堂車でポーがコップに入れたゆで卵をふりながら殻を剥くと、フー・リーは生卵を回転させながら薄皮一枚だけを残して殻を剥くのだ。ポーはシャーケンの金を盗むのかそれとも守るのか?スリと盗みの多い中国らしい話である。オープニング曲<ラヴィアン・ローズ>を小野リサがエンディング曲<知道不知道>を加藤登紀子の娘Yaeが歌っている。