「ドラゴンヘッド」など映画化されることの多い漫画家、望月峯太郎の「鮫肌男と桃尻女」を異色の監督、石井克人がメガホンをとった。個性派ぞろいの役者陣といい、カメラワークといい日本人離れした感覚の作品となっている。田舎町の小さなホテルの従業員、桃尻トシコ(小日向しえ)が郵便局にくると強盗と遭遇!怪我をしている犯人の一人を介抱してやるトシコ。2年後、ホテル経営者に伯父のソネザキ道夫(島田洋八)の偏執的束縛に嫌気がさしたトシコはホテルを出て行こうとして車を走らせていると、ブリーフ姿の男が飛び出してくる。男を追跡しているらしい車に追突されるトシコ。男にカージャックされたトシコと男の逃亡劇が幕を開く。その男、鮫肌黒男(浅野忠信が菊池武夫のスーツを着こなして滅法カッコいい!)は組の金一億円を持ち逃げして追いかけられていたのだった。ホーロー看板集めが趣味の田抜政二(岸部一徳)を筆頭にあぶない連中が鮫肌を殺しにやってきたのだ。猟犬のような追跡能力を持つ組長のドラ息子、フクダミツル(鶴見辰吾が結構上手!)を始め、スタイリッシュな面々が集合する。深ヅメ(津田寛治は「模倣犯」の時、この人が主役だったら・・・と思ったものだ)犬塚(堀部圭亮もすっきりした二枚目で画面に映える)沢田(寺島進)、朝比奈(田中要次)、坂口(関根大学)、左(森下能幸)らは得意の武器で鮫肌を追跡する。一方、ソネザキもトシコに逃げられて殺し屋、山田正一(我修院達也が特に素晴らしい!)を雇って追跡させる。鮫肌とトシコもまた逃亡中にお互いを好きになってゆくのだった。だがトシコは山田に連れ去られてしまう。鮫肌はトシコを追ってホテルへ単身、乗り込むのだが・・・・。鮫肌に惚れこんでしまった山田が鮫肌を救って死んでしまうのも哀れだが、我修院は主役を食ってしまうほど強烈な印象を残した。追跡者が一人ひとり現れる演出をタランティーノがパクッてもいいか?と石井監督に打診してきたそうであるが、確かに斬新であった。タイトルもいいが、イッちゃったキャラを俳優たちがのびのびと演じているのもいい。石井監督には「茶の味」よりこういったコマわりのスピーディーな作品をどんどん!作って欲しいものである。