エリザベス・マクニール原作を「フラッシュ・ダンス」や「危険な情事」のエイドリアン・ライン監督が映画化。この原作者、男か女かもわからないらしいが、どうも男くさい気がする。ヒロインと同じ名前である。エリザベス・マクニール(キム・ベイジンガー)は無名の老画家ファンズワース(ドワイト・ワイスト)を発掘して展覧会を開催しようとしていた。(原作には出てこない)エリザベスは離婚して以来キャリア・ウーマンの道を歩んでいた。ある日、友人のモリーとチャイナタウンに出かけたエリザベスを見つめる身なりのいい一人の男の姿があった。翌日、蚤の市で高級スカーフを物欲しそうに見ているエリザベスにそのスカーフをプレゼントする昨日の男。彼はジョン・グレイ(ミッキー・ロークの際立ったハンサムぶりが今では懐かしい)と名乗る。レストランで食事をして川べりの家に連れていかれるエリザベスだったが、ジョンがベッドの用意をし始めたので怖くなってその夜は帰る。だがジョンから花束を贈られてエリザベスはジョンとのつきあいを始める。口に氷をくわえてエリザベスの体に這わせたり、地下の浄水場で水に打たれながらSEXをしたり刺激的な時間を共有する2人。ジョンはエリザベスに高級時計をプレゼントしてこの時間になったら2人のSEXを思い出して自慰するように命令する。だがジョンの行為はだんだんにエスカレートしていく。覗き見をさせて罰だからと強姦したり、男装させたり(原作では恐喝までさせている)万引きをさせたり、店員の前で鞭打ったり足を開かせたりする。ある時は目隠ししたエリザベスを娼婦に愛撫させたりするのだった。エリザベスは悩む。自分はジョンの性の愛玩物なのではないかと。(O嬢のような訳にはいかんかった)そしてエリザベスはジョンの元を去ってゆく。ジョンは「僕は五人兄弟の末っ子で・・・・戻ってくれ!お願いだ!50数えるから・・・・1,2,3・・・」だがエリザベスの閉じた扉は二度と開くことはなかった。この映画には続編がある。「ナイン・ハーフ2」で明らかにされるエリザベスの末路。彼女は精神に異常をきたし精神科医にかかっていたが、結局、麻薬中毒になりうらぶれたアパートで男相手の売春をして惨めな死に方をする。続編は失ったものの大きさに気づくジョン(ミッキー・ロークが続いて出演)の虚無感を描いている。「ナイン・ハーフ3」という映画もあるがこれは全くの別物であり駄作でもある。激情の愛から破滅への九週間半を描いた本作はひとつのブームを作った。