フランスのドキュメンタリー監督ニコラ・フィリベールの本作は音の聞こえない人たちのさまざまな日常を映し出しており秀逸である。戦前では耳が聞こえないために親に捨てられた子供が多かったことや、どう扱ってよいかわからず精神病院に入れた親もいた。聾学校の教師は耳が聞こえない人間は視覚が健常者よりはるかに優れているという。5代にわたる聾唖者の一族(この中では健常者は可哀相だという)に生まれた人や健常者の家族の中でただ一人の聾唖者の子供である人が出てくる。けれども一貫して言えることは手話の表現力の素晴らしさに感動する。手話は国によって違うが2日もすれば会話できるという。健常者の言語とはいったい何なのか?と思ってしまう。耳は聞こえても真実を話していない我々の世界とは一体・・・・・・。本作はそういったことを考えさせてくれる映画である。