シベールの日曜日(85点)
![]() | Les Dimanches de Ville d'Avray (1996/09/17) Sundays & Cybele 商品詳細を見る |
1974年NHKで放映された1962年の白黒映画「シベールの日曜日」にノックアウトされた子供時代の小太郎!DVD版が出て欲しいのであるが、VHSしか見つからなかった。監督は「セシルの歓び」(ブリジッド・バルドー主演)のセルジュ・ブールギニヨン。フランスのヌーベルバーグを代表する作品でもある。記憶喪失になっている悲劇の青年をハーディ・クリューガーが演じており、日本でもずいぶん人気があったが「太陽が目にしみる」では岸恵子と共演したりしていたが、「バリー・リンドン」や「遠すぎた橋」など大作にも出演しておりドイツ男優としては有名な人であった。だがこの映画の大ヒットの秘密はなんといっても、シベールという孤独な少女を演じたパトリシア・ゴッジであろう。彼女は「居酒屋」に出演していた子役ジャンダル・ゴッジの妹であるらしいが、日本ではファンも多く数年後にちょっと大人になった彼女を見られる「カモメの城」に食いついた人もいたのではないだろうか。原作はベルナール・エシャスリオーの「ビル・ダブレの日曜日」。第一次インドシナ戦争の従軍パイロットで31歳のピエール(ハーディ・クリューガー)はベトナムの少女を撃ってしまった!と思い動揺しているところを撃墜されてしまう。野戦病院に収容されたピエールだったが記憶喪失になってしまっていた。帰国した彼は看護婦で恋人のマドレーヌ(ニコール・クールセル)と芸術家カルロスの手伝いなどをして暮らしていた。ある日、ピエールは街でフランソワーズ(パトリシア・ゴッジ)という12歳の少女に出会う。彼女は父親に修道院寄宿舎に置き去りにされたのだという。本当の名前はあるが、教会の風見鶏をとってきてくれたら教えてあげてもいいという少女。父と娘に間違われたピエールと少女は日曜日ごとに会う約束をする。静かな森の中の池畔を歩き回る2人。「お母さん代わりになってあげる。」と言う少女。時には「私が18歳になったら、あなたは37歳。そのときになったら結婚しましょう。」と無邪気なことを言う少女に心癒されるピエールだった。だがマドレーヌは気が気ではない。クリスマスの日、ピエールはカルロスの家のクリスマス・ツリーも持ち出して少女に会いに行く。少女はピエールに小箱を渡すのだった。中には<Cybeleシベール>と書かれた小さな紙切れが入っていた。少女はシベールという名前だったのである。約束通り、教会の屋根に登りナイフで風見鶏をはずすピエール。だが高所に登るとめまいが起こる。夜になっても戻らないピエールを心配したマドレーヌは修道院に行くが、修道院の方でも大騒ぎになるのだった。地元警察が呼ばれてピエールは少女誘拐犯にされてしまう。愚かなマドレーヌにカルロスは「軽はずみなことを!」と叱るがことすでに遅し!風見鶏とナイフを手にしたピエールは警察官に発砲されて死んでしまう。泣き叫ぶシベールに名前を聞く警察官。シベールは「私にはもう名前はないの。私はもう誰でもない!」と叫ぶ。静謐な画面を彩る美しい音楽はモーリス・ジャール。クリスマスが来ると必ず思い出す映画である。
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