古井戸(85点)

古井戸古井戸
(2004/02/21)
張藝謀梁玉瑾

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1987年という年は中国映画界にとって非常に画期的な年であった。謝晋(シェ・チン)の「芙蓉鎮」、張藝謀(チャン・イーモウ)の「紅いコーリャン」そして中心的存在となってゆく呉天明(ウー・ティンミン)の本作「古井戸」が制作されたのだ。この3作で中国映画は世界の注目株となるのだ。ウー・ティンミン監督はチェン・カイコーの下で撮影として腕を磨いていたチャン・イーモウを主役として迎えたのだ。(勿論撮影としても参加している)チャン・イーモウは自作の「テラコッタ・ウォーリアーズ」で主役を演じているが、男前でもないことを自覚しているらしくあまり自分では出演することはない。だが本作は俳優としての才能も持ち合わせているチャン・イーモウの姿を堪能できる。(現在は巨匠などと呼ばれているがこんな時代もあったのだよ)舞台は中国山西省太行山の老井(ラオジン)という山村である。その村は水不足に悩んでおり、200年以上かかり125もの井戸を何世代にも渡り堀り続けてきたのである。その井戸は時には50メートルも深く掘っているものもあった。もうとっくに枯れた井戸であるのにその使用権をめぐり2つの地区が争う。都会から帰ったばかりの孫旺泉(チャン・イーモウ)は権利書である<石銘>を見せて、相手方を説得しようと試みるが紛糾は一向におさまらない。孫は埋められようとする井戸に飛び込み喧嘩を中断させるのだった。孫は祖父、父、兄弟と5人の男所帯だったが貧困のあまり結婚もままならない。同級生で中学を出ている趙巧英と結婚したかったのだが、周囲に反対され子持ちの寡婦、段喜鳳に800元で売られてしまう。怒った孫だったが、井戸を掘り続けていた父親がハッパで爆死してしまい孫は父の遺志を継ぐために段と結婚する。地区の共産党支部書記にとっても井戸を掘ることは悲願であり息子の孫旺才を地質調査に赴かせる。村でも少ない中学卒業者でもある趙巧英も又孫の井戸掘りに加わるのだが、突然、落盤事故が起こり3人は埋まってしまう。孫旺才は即死、二人は生き埋めになってしまう。覚悟を決めた二人は愛を確かめあうが、村人に救出されるのだった。無事生還した孫に大喜びする妻の段。愛情深い妻は自分の嫁入り道具を孫に差し出して井戸を掘り当てて欲しいと懇願する。その姿を見た趙は村を去るのだった。一方、孫は先祖の悲願でもあった井戸を必ず掘ることを決意するのだった。オリンピック開催のために付近の農民らが田んぼに水を引けないらしいが、中国の人にとって水とは・・・・と考えさせられる話である。

紅いコーリャン(80点)

紅いコーリャン紅いコーリャン
(2004/02/21)
鞏俐姜文

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壮大で華麗な北京オリンピックの長〜い!開会式の様子を見ていて<ああ!張藝謀の色彩だなあ!>と改めて認識した次第である。あの色彩に「紅いコーリャン」と兵馬傭兵の扮装に「テラコッタ・ウォーリアーズ」を思い出した人がいたはず。赤と黄色の組み合わせなど日本人には出来ない芸当である。(日本人の色感とは随分違うのだが、多分水が違うから染色の色合いも違うのか?)農民出身の監督が北京オリンピックの開会式を統括するなど80年代には思いもよらなかったことであろう!誇らしいことであると思う。「紅いコーリャン」は監督チャン・イーモウの初監督作品でありコン・リーにとっても本格的デビューとなった記念的作品である。中国内外共に問題作であった。原作は莫言(モー・イェン)の「紅高粱」「高粱酒」である。この作家の作品はよく映画化されており、「故郷の香り」やイーモウ監督の「至福のとき」など名作が多い。1920年代の中国、山東省の造り酒屋にラバ一頭で父親に売られて嫁入りすることになった18歳のチウアル(コン・リー)。相手は年の離れたハンセン氏病の老人であると聞き、嫌々嫁入りの輿に乗っていたのだが、途中強盗に襲われる。誘拐されそうになったチウアルを助けてくれたのは、婚家から迎えに来てくれていたユイ・チャンアオ(チャン・ウェン)だった。盛大な結婚式が行われた3日後、慣例にしたがって実家の父に伴われて里帰りをすることになるチウアルだったが、再び同じ場所で強盗に襲撃される。だがチウアルを誘拐したのはユイだった。若い二人は惹かれあっており結ばれる。数日後、戻ったユイアルを待っていたのは主人が殺害されたという一報だった。未亡人となったユイアルは番頭のルオハン(トン・ルーチュンは「山の郵便配達」のお父さん役だった人)の協力もあって、造り酒屋の女主人に納まる。ある日、匪賊のトゥー・サンパオ(チー・チュンホア)が酒屋を襲いユイアルを誘拐する。ユイは身代金を払いユイアルは無事開放されるのだが、ユイの心配をよそに戻ってきたユイアルは使用人たちと祝杯を挙げているのだった。怒ったユイはコーリャン酒の入った大甕に放尿する。翌朝、その酒が大変な美酒になっておりユイアルは<十八里紅>と名づけて大々的に売り出すのだった。大儲けをしてユイとも夫婦となったユイアルはコーリャン畑で結ばれた時に授かった子供も出産して幸福だった。その子供トウコアン(リウ・チー)も9歳となり商売も順調で平穏な毎日だったのだが、日本軍が侵攻してきて道路を作るために村の男たちを強制労働に徴集する。抗日運動家の番頭、ルオハンが連れてこられて吊るされ村人の見ている前で生皮を剥がれるのだった。ユイアルは使用人たちと日本軍に抵抗しようと気炎を上げるのだが、翌日待ち伏せしていた日本軍に射殺されてしまうのだった、怒ったユイは爆弾を仕掛けて日本軍に復讐する。村人たちは殺害され、生き残ったユイはトウコアンの手を引いてその場に立ち尽くすのだった。非常に力強い映画である。
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