マリア・カラス最後の恋(50点)
マリア・カラス死後30周年記念に撮られた映画。監督はジョルジュ・カピターニ。マリア・カラスという20世紀最大のディーバの一途な恋を描く。マリアは貧しいギリシア人移民としてニューヨークに育った。マリアの母は美しい姉ばかりを可愛がり、肥満児だったマリアには美声しかないと随分厳しく育てられたようだ。あるオーディションで100キロもあったマリアは審査員にこきおろされて泣きながら会場を出る。その後を追ってきたイタリア人実業家ティッタ・メネギーニが辛くとも受けるべきだと助言。審査員たちはマリアの才能に驚愕する。マリアに惚れ込んだメネギーニは30歳近くも年齢が離れていたが結婚をし、その財力をもってマリアをスターダムに押し上げる。まずメネギーニがマリアに課したことは30キロの減量だった。1959年運命の時がマリア(ルイーザ・ラニエリは美人女優だがマリア・カラスのようなカリスマ性には欠ける)にやってきた。ギリシア人海運王アリストテレス・オナシス(ジュラール・ダルモン)との出会いである。オナシスには妻ティナ(セレナ・ヴァッレ)と長男アレクサンダー、長女クリスティーナがいた。(ティナの父親は古参海運業を経営しており持参金として石油海運権利譲渡書をもってきていた。)ギリシア難民となり家族をトルコ軍に殺されたオナシスは「無視されない、無視させない存在になる」ことを心に誓い成り上がってきた男だったのである。オナシスのクルーザーで関係を持ったマリアは夫と離別する。オナシスの子供を身ごもり、半同棲をしていたマリアは本妻のティナに離婚を迫るが意外なことにティナは「離婚を承諾しないのは夫の方だ。」と言う。ティナは「オナシスは自分しか愛せない男よ!今に思い知るわ!」と忠告するのだった。離婚は成立するがオナシスはマリアと結婚しようとはせずマリアは子供を死産してしまう。舞台に復帰するがマリアはオナシスの都合のいい女のままだった。1963年に夫ケネディ大統領を暗殺されて未亡人となっていたジャクリーヌ(アンナ・ヴァッレは実際のジャクリーヌより美しい)と出会ったオナシスは1968年10月20日にジャクリーヌと結婚する。(アメリカ進出を狙っての結婚であったと言われている。オナシスという男は自分の得にならないような結婚はしないようだ)それを聞いたマリアはオナシスとの9年間の愛人関係に終止符を打つのだった。1973年に長男アレクサンダーを25歳で失ったオナシスにも陰りが見え始める。翌年、元妻ティナもまた長男を失った痛手からアル中になり死亡。(声の出なくなったマリアも引退する)1975年オナシスも一兆円といわれる遺産を残して死亡した。(病床のオナシスがマリアと会いたがってもジャクリーヌは一切会わせないどころか看病も満足にしなかったらしい。)ジャクリーヌは遺産の取り分を減らされたとして24歳の娘クリスティーナと相続争いを繰り広げる。1977年9月16日マリア・カラスは心臓発作を起こしてパリで亡くなった。一時埋葬されたが1979年にエーゲ海に散骨されたという。オナシスの娘クリスティーナもまた薬物乱用のために37歳で亡くなっている。マリア・カラスは素晴らしい歌姫であったが、女性としては薄幸な人であった。
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レミング(70点)
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「ハリー、見知らぬ友人」のドミニク・モル監督の映画である。南仏ガロンヌ県、アラン・グディ(ローラン・リュカ)はホーム・オートメーション開発者。今の会社には破格の給料で引き抜かれた。アランは結婚3年になる妻ベネディクト(シャルロット・ゲンスブールはこういった不安感を表現するのがうまい)と高台にある閑静な住宅街に邸宅を構えて幸福に暮らしていた。今夜はポロック社長夫妻をディナーに招いている。ベネディクトは腕をふるって料理を作っていたが、流しの水がつまって流れない。アランに言うと早速ペンチを使って排水溝をみてくれたのだが、堅くてパイプが回らないのだった。明日、再度修理をするとアランは約束する。ポロック夫妻は約束の時間を大幅に遅れてやってきた。リシャール社長(アンドレ・デュソリエ)は遅刻したことを詫びたが社長夫人のアリス(シャーロット・ランプリングがとても上手で鬼気迫る)はサングラスをかけたままで不機嫌な様子である。アランとベネディクトは戸惑う。前菜を食べているときにアリスは「この人、娼婦に会う約束をしていたの。」と唐突に言う。失礼を謝るリシャールの顔に赤ワインをぶちまけるアリス。暴言を吐き散々非礼なことを言うアリスをリシャールは引っ張って帰るのだった。「ワタシがあんな女になったら殺して」というベネディクト。2人は愛し合うがアランは眠れず排水溝のつまりを修理する。排水溝の中にはハムスターのようなネズミが詰まっていたのだ。それを洗濯機の上に置いておく。朝、ベネディクトはその生き物が生きているので獣医のところへ持っていくと獣医は「これはレミングだ」と言う。レミングはノルウェーとかに生息する生き物なので不思議だと言い、生物学者で甥のニコラに見せたいからしばらく預かっておくという。その日から、2人の歯車が少しずつ狂ってゆく。アリスが突然にやってきてアランを誘惑したといい、休ませて欲しいというのだった。ゲストルームに寝かせるベネディクト。アランも帰宅してきてベネディクトはアリスに夕食を食べないかというがアリスは暴言を吐く。頭にきたアランが部屋のドアを開けようとすると鍵がかかっており、中で暴れている音がする。そして銃声が・・・・・・。どんな風にでも解釈できそうな映画であるが、アリスのような困った人間によって何もかもが狂気にいたる。アリスはレミング?異常に増殖し集団自殺するといわれている動物である。(もちろん根拠はない)
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