- 2008/07/04 Genius Party(85点)
- 2008/07/04 呉清源 極みの棋譜(80点)
- 2008/07/04 音符と昆布(70点)
![]() | Genius Party<ジーニアス・パーティ> (2008/07/02) 柳楽優弥菊地凛子 商品詳細を見る |
あの天才アニメーターをバンバン輩出している<スタジオ4℃>のオムニバス7話のアニメである。今年10月に封切られる「Genius Party Beyond」には注目すべきアニメーターの作品5話が収められるという。今から中澤一登や田中達之、森本晃司らの作品が見れると思うと夜も眠れないのであるが、まずは記念すべき本作から・・・ということで。
♯1福島敦子・・・GENIUS PARTY
福島敦子はゲーム「迷宮物語」の作画監督や「ポポロクロイス」などのキャラクター・デザインをしている。そのホンワカした感じはよく出ている。女性らしくハートのチカチカする不思議な生物がでてくる。
♯2河森正治・・・上海大竜
「超時空要塞マクロス 愛おぼえていますか」や「GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊」のメカデザインを担当している人。中国を舞台にちょっとオツムの弱い子供が侵略してくるエイリアンみたいな敵をチョークの力を使ってヒーローになりやっつけるというお話だ。
♯3木村真二・・・デスティック・フォー
「スチームボーイ」や「鉄コン筋クリート」の美術監督をしている人らしく独特の世界観だ。生きてはいない者達の子供たちが生き物のカエルを拾ってしまい、そのカエルを<いきものがかり>につかまえられる前にたつまきに逃がして異次元に送り込もうとする話。結構好き!
♯4福島庸治・・・ドアチャイム
これはドッペルゲンガー状態の高校生の話。自宅にも友人の家にも踏み切りでも自分を見つける。
♯5二村秀樹・・・LIMIT CYCLE
「パーフェクト・ブルー」の原画を描いている人。三上博史がナレーションをしている。
♯6湯浅政明・・・夢みるキカイ
「クレヨンしんちゃん」の奇怪な動きを編み出した天才アニメーター!やはり凄い!の一言に尽きる。このDVDもこの人の名前が載っていたから見たようなものなのだ。ストーリー性もあるし、動きや出てくるポヨンポヨンした生物がとても面白い。この人はピカソのような天才だろう!その世界は多分、人類が死に絶えたような世界なのだが、定期的に子供が生まれるキカイのようなものがあり主人公は赤ちゃんから養育してくれるもののいない世界で成長してゆく。大人になったこの子の姿が痛々しい。だが何とか生き延びたのだと思いホッとする。だが彼の姿を見ればいかに過酷だったかわかる。何だか切ない話だがラストには救いがあるのだ。何回も言わせてもらうが湯浅は天才だ!!
♯7渡辺信一郎・・・BABY BLUE
「サムライチャンプルー」の監督である。高校生の男女の切ない恋物語。この作品を紹介しているものが多かったが一番わかりやすいからだろう。
![]() | 呉清源 極みの棋譜 (2008/07/02) チャン・チェン柄本明 商品詳細を見る |
「青い凧」や「春の惑い」などの田壮壮(ティエン・チュアンチュアン)監督が呉清源の著書「中の精神」などを読んで感動し3年間の準備期間を経て撮影した力作である。冒頭、神奈川県に住む呉清源自身の自宅で妻の和子さんと呉清源、彼を演じたチャン・チェンと妻役の伊藤歩が談笑するシーンが出てくる。氏は94歳となられる現在も囲碁研究に余念がなく健在であられる。囲碁に関しての言及はないが木村伊兵衛の写真が好きだという監督が、伊兵衛の写真をイメージして作られた美術や小物衣装にいたるまでワダ・エミが担当しており日本人にはとても心地よい画面になっている。2007年の上海国際映画祭では最優秀監督・撮影賞を受賞した。呉清源は1928年(昭和4)に14歳のとき母と共に来日(当時は中国より日本のほうが囲碁は上だとされていた)囲碁界の重鎮、瀬越憲作(柄本明)はあまりの天才ぶりに<本因坊秀策の再来>と絶賛し何かと世話をする。本因坊秀哉(井上堯之)への挑戦権を得る。奇抜な打ち方で打ち破るが1935年、後ろ盾となってくれていた西園寺公毅(米倉斉加年)が他界。翌年に日本国籍を取得して棋院昇段試合で8勝全勝する。ところが結核を再発し富士見療養所に入る。女流棋士の喜多文子(松阪慶子)らが何かと面倒を見たり、親交のあった川端康成(野村宏伸)らも訪問している。木谷実(仁科貴)と<打ち込み十番碁>を行う。3日後に第一局終了。木谷は疲労困憊の余り昏倒。呉自身も一番過酷な対局だったと述懐する。その木谷と新しい打ち方<新布石>を提唱・出版する。この頃、反日派の脅迫文などが自宅に投げ込まれて、母(シルビア・チャン)と妹は帰国する。中国に帰国したとき李玉堂(リー・シュエチェン)の新興宗教<紅卍会>に入信していたが、それに似た長岡良子教祖(南果歩)の<璽宇教>の道場に通う。そこで女子学生だった中原和子(伊藤歩)と知り合い1936年に神前結婚式を挙げる。本因坊戦を広島で行うと言う瀬越に呉は道場のために囲碁を捨てると言い、激怒されている。その宗教団体とはトラブルがあり夫婦共に脱会した。長男が生まれた頃にバイクにはねられて入院。瀬越は息子を広島原爆で失いその後自殺する。その頃から呉も又精神錯乱状態になることもあったという。映画は呉の半生を淡々と綴っている。呉を演じたチャン・チェンは呉の家に泊まりこみ彼の癖などを習得し、周囲の人たちから若い頃の呉にソックリだと言われたという。呉清源は1914年(大正3)に福建省で生まれたが、彼の家は祖父が塩専売で大儲けをして福建四家の一つに数えられていた。父は役人だったが教育熱心で清源が11歳の時に亡くなっている。死ぬ間際に兄の呉浣には役人の教科書を次男の呉炎には文学書を三男の清源には棋譜を手渡したという。3兄弟は本当にその道に進んだのである。次男の呉炎も又健在で95歳だという。(「呉清源とその兄弟」という本に詳しく掲載されている。)囲碁の観戦記者だった作家の坂口安吾が「勝負師」という短編の中で、当時の名人たちに触れているがモミヂ旅館という場所で呉清源を囲んだ文人碁客座談会での彼について書いている箇所がある。当時の呉清源が宗教の広告塔にさせられて対局料を全てその宗教に渡していたというのだ。他の記者たちが呉の清廉な人柄を見て、その宗教団体に対して忌々しさを吐露していたらしいが、坂口安吾はこうも綴っている。「彼は孤独でさびしいに相違ない。」と・・・。その座談会にも不眠(宗教が眠らせないらしいのだが)で出席して服装などもボロボロの状態だったと作家は書く。だがほどなく、その宗教からも脱会するらしいと、他の記者たちが安堵しているというのも微笑ましい。(誰を批判もせず、ただ静かに生きる呉清源はずいぶん皆から好かれていたようだ)<私の人生には二つのことしかない。真理と囲碁だ>呉清源の言葉である。
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脚本・監督は井上春生。家族であっても、みな個性は違うから時にはジャマな存在だけれど相手を認めることで相手の個性を自分の欠けの補いと考える。この監督のメッセージはなかなかに素敵だ。ワタシ、小暮もも(市川由衣)は作曲家の父浩二さん(宇崎竜童)と古びた木造一軒家に暮らしていた。母とは離婚しておりワタシに母の記憶はない。父は仕事柄、家を空けることが多い。今もパリへ行っている。ワタシはフードコーディネータの卵だが嗅覚がない!ワタシは恋人で劇団脚本家の箭内聡(石川伸一郎)を家に呼びSEXをした翌朝、それはやってきた。ボストンバックなどの荷物を持った一人の女性は「昆布茶漬けをいただきたいのですが・・」と唐突に言ってメモを渡した。そこには父の文字で<困ったときは、ここを訪ねる。妹のももがいる。父より>と書かれていた。一人っ子のワタシに姉?姉、小暮かりん(池脇千鶴)は「おかわりをお願いします。干し椎茸の戻し汁を入れるともっとおいしくなります。」と言う。ワタシが父にメールを送ると<かりんは脳卒中になった母が3日間も起きないのに救急車も呼べないような子なんだ>と返ってきた。姉かりんはアスペルガー症候群だという。かりんとは会話不成立だが、ウンチクを滔々としゃべりだす。小物はすべて色分けするなど整理整頓に長けている。ポラロイドカメラで撮った写真を廊下に渡したロープに吊るして「音符なんです」と言う。見れば街灯の写真ばかりで、なんとなくそれは音符に見えないこともない。ワタシが15年間、飼っている金魚の丸い鉢を拷問だと指摘した。四角い金魚鉢に入れてやらないと金魚はストレスを感じるというのだ。時にはかりんにイライラさせられる。ワタシは姉に「君って本気にさせるね!」と怒った。椎茸の戻し汁を捨てると手足をバタバタさせて泣き喚いた。そんなかりんに戸惑いながらも、安らぎを感じるワタシ。お互いに欠けているものを他のもので補いあう。かりんの施設から電話があったけどワタシはいない!と言ってしまった。だってかりんはワタシの事を「私のたった一人の妹ですから」ってキッパリ言ってくれるもの。ワタシはスチームアイロンで昆布を伸ばしたり目玉焼きを作ろうとするかりんが好きだ。そんな私たちを見て浩二さん(お父さん)は「姉妹は偉大だなあ〜」ですって!ほんと!浩二さんはいつもいい加減なのだ。
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