靴に恋して(50点)
![]() | Piedras (2004/06/14) 不明 商品詳細を見る |
脚本・監督ラモン・サラサールのスペイン映画である。シャルル・ジョルダンやグッチ、プラダ、シャネルなど300足の靴が出てくると聞いて楽しみに見たのだが肩透かしを食わされてしまった気分である。確かにクローゼットにしまわれた大量の靴(イメルダか!)は出てくるが、その素敵な靴にまつわるお話ではないのだ。5人の境遇も資質も違う女が出てくるが、大味な映画であった。スニーカーを履き毎日チワワのアルピノとお散歩しているアニータ(モニカ・セルベラ)は知的障害者。空を飛ぶ旅客機が大好きで絵を描くのが得意である。その母親で娼婦館を経営するアデラ(アントニア・サン・ファン)は偏平足の女。高級マンションに住んではいるがスクーターで娼婦館まで通う。夜は自宅にいないのでアニータの世話を看護学生のホアキンに頼んでいる。娘を外に出したがらないアデラと違ってホアキンはアニータを様々な場所へ連れていってやりたいと思っていた。そんな優しいホアキンに恋心を抱くアニータ。その昔、小説家になるのが夢だったアデラだが障害者の娘を養育するために、仕事に精を出している。このところレオナルドという紳士が店にやってきてアデラをデートに誘うのだが。小さな靴を買う女、イザベル(アンヘラ・モリーナ)は高級官僚の妻だが夫に省みられこともなく孤独だった。それを紛らわすためにショッピングに行っては、万引きをしたりサイズの小さな靴を買いあさっていた。テレビのパーソナリティのイザベルとは大の親友で悩みを聞いてもらっている。高級靴店員のレイレ(ナイワ・ニムリ)は靴デザイナーになるのが夢だったのだが、同棲をしている彼氏クンとの仲もギクシャクしており店の靴を盗んではクラブのお立ち台で踊っている。タクシードライバーのマリカルメン(ヴィッキー・ペニャ)は夫に死に別れてからは夫のタクシーを引き継ぎ、夫が先妻との間に作った3人の子供を養っている。(レイレもその一人だが彼女は独立していた)外反母趾なのでいつもバブーシュを履いてタクシーを運転しており、もうかれこれ10年間働きづめである。長女のダニエラがヤク中になっており頭が痛い。原題の<Piedras>とはスペイン語で<石>だそうだが、石は砂利にも砂にもなり変幻自在。頑なな心も又柔軟に発想を転換すればもっと生き易いということか?テーマは<女性力>らしいが同じスペイン映画の「ボルベール帰郷」とは月とスッポンである。
![]() | 靴に恋して (2005/05/25) アントニア・サン・ファン 商品詳細を見る |
インモラルー凍える死体ー(20点)
![]() | インモラル-凍える死体- (2008/07/25) OZAWA 商品詳細を見る |
DVD表紙とは何の脈略もない映画。「病葉流れて」の吉野紗香の主演映画と聞けばエロティック・シーンがあるのかと勘違いするではないか!何度もいうが吉野の肉体は出てこない!本作は坂辺周一の同名漫画を小沢仁志ことOZAWAが監督した。ちびっ子の吉野紗香とノッポの赤井沙希(赤井英和の娘)のコンビネーションが面白い。警視庁外苑署では女だけの捜査班、性犯罪捜査班が発足する。外苑署管轄内では連続婦女暴行殺人事件が横行していた。被害者は自室で襲われ殺害されたあげく強姦されて全裸のまま冷蔵庫に入れられていたのだった。盗犯課の葛原鐘子(吉野紗香)と生活安全課の雨宮悦子(赤井沙希)、本庁捜査一課のエリート刑事、岸梁子(紺野千春)と西野萌(佐藤寛子)の4人が抜擢されたのだが、葛原は元気だけはあるが殺人の捜査などしたことがなかった。同じく大阪弁の天然キャラ雨宮にイライラする西野だった。・・・原作のマンガを読んだことがないのでなんとも言えないが、映画は推理するまでもなく下手な進め方で甚だ面白くない!!だが年間3万人の女性が消える!というフレーズや、女性が帰宅してきてホッとして家に入った瞬間に襲われるという怖さや、オートロックや玄関の監視カメラが少しも女性を守らない事実に愕然とする。実際にこういった犯罪が日常茶飯事に行われている事実を思うと、女性はどうやって自分を守ればいいのか?
君の望む死に方(20点)
![]() | 君の望む死に方 (2008/07/23) 大杉蓮松下奈緒 商品詳細を見る |
人気ミステリー作家、石持浅海の長編作「扉は閉ざされたまま」の続編。同じヒロイン碓氷優佳を前作では黒木メイサが演じたが、続編では松下奈緒が演じている。監督は香月秀之。WOWWOWで放映された。ソル電機メーカー社長日向貞則(夏八木勲)は末期すい臓ガンで余命六ヶ月と診断されていた。イギリスで行動心理学を習得した優佳(松下奈緒)は秘書をしていたのだが、社長宛に気になる脅迫状が来ており警戒心を持っていた。その脅迫状には<16年前の報いを受けよ>と記されていたのだ。会社の保養所で幹部候補生の研修を行うこととなり、優佳は若手社員たちにも目を配っていた。その中には営業の園田、技術センターの大崎などがおり、優佳は特に暗い表情をした開発課の梶間(窪塚俊介)が気になるのだった。身辺警護に余念のない優佳に「少しは楽しみなさい」と日向は言うのだが・・・・。いたってシンプルな話なのだが、面白いのは日向社長が「ワタシは君に殺されることにしたよ。」と犯人に言うのである。加害者と被害者の間で了解が出来ているところに、敏腕な秘書が割り込んできて計画が微妙に食い違ってくる。小説はそのせめぎあいを描いていて面白いのだろうが、ドラマはその辺を描ききれてはいない。ヒロイン役の松下奈緒も、それほど切れる女性には見えず中途半端である。脚本や演出のまずさが、火サスのようなノリでちっともスリリングではないのだ。
いつか眠りにつく前に(50点)
スーザン・マイノットのベストセラー小説をジュゼッペ・トルナトーレの撮影監督をしていたラホス・コルタイが映画化。相変わらず詩情豊かな美しい映像で魅せる!だがいたって内容はシンプル。二大名女優と名脇役の名演技がないと見ていられないような作品である。アン・グラント(ヴァネッサ・レッドグレイブ)は人生の黄昏に病気を患い明日をも知れぬ命である。二人の娘コンスタンス(ナターシャ・リチャードソンはヴァネッサ・レッドグレーブの実の娘である。トニー賞候補にもなったことがある実力派舞台女優)とニナ(トニ・コレット)が母の付き添いに来ていた。母のアンはしきりに<ハリス>という名をうわ言のように言うのだった。場面は40年前の過去と現在を行き来する。若きアン(クレア・ディンズ)は親友のライラ(メイミー・ガマーはメリル・ストリープの実の娘だが少しもストリープに似ていない。演技も容貌も十人並みだ)の結婚式に招待されて、ウィッテンボーン家の別荘に来ていた。そこで出会ったのがメイドの息子で今は医者になっているハリス・アーデン(パトリック・ウィルソンも又「オペラ座の怪人」などの有名なミュージカル・スターだ)であった。ライラも又ハリスのことを密かに想っていたが親の決めた男性と結婚するのだった。アンは大学の同級生でライラの弟バディ(ヒュー・ダンシーはオックスフォード出の俳優だが、この映画での共演がきっかけでクレア・ディンズと交際しているらしい)とも再会する。作家志望のバディに告白されるアンだったが、甘ったれたお坊ちゃん育ちのバディをふってしまう。ハリスはアンを秘密の隠れ家に誘う。酔っ払って後を追うバディは車にはねられて死んでしまう。(母親役のグレン・クローズの嘆きぶりが真に迫る)その事があり、アンとハリスはいつしか疎遠になってしまうのだった。その後、アンは作家のラルフと結婚するが暮らしのためにナイトクラブで得意の歌を歌っていたのだが、二人の子供には寂しい思いをさせており、ラルフは子供をうるさがるのだった。そんな時、看護士と結婚したというハリスに再会する。ハリスは長男にバディという名をつけていた。場面は交互に映し出されるが病床のアンを見舞うライラ(メリル・ストリープ)がアンのベッドにもぐりこみ抱合うシーンは感動的だ。だがいくら俳優陣が良くても、シナリオがイマイチだとそういい映画とはならな見本のような作品である。
人のセックスを笑うな(40点)
2004年に文藝賞を受賞し芥川賞候補にもなった山崎ナオコーラの「人のセックスを笑うな」を井口奈己監督が映画化した。不穏な題名で何だかドキドキするのだが、映画はいたって淡々と描写されている。セリフよりキス音だけが耳に残る映画だった。芥川候補になるような作品は読むに限る。終電に乗り遅れてヒッチハイクをしていた猪熊サユリ(永作博美)は一台のトラックに拾われる。<花とギフト堂本>と書かれたトラックには美大生の堂本(忍成修吾)とえんちゃん(蒼井優)磯貝みるめ(松山ケンイチ)が乗っていた。バス停でサユリを降ろした3人は大学キャンパスでサユリを見かける。ライターを借りるみるめ。サユリは気づかず校内に入っていく。サユリ(通称ユリちゃん)はリトグラフ講師として新しく着任してきたばかり。みるめは後をつけて手伝いをする。ユリちゃんのアトリエに呼ばれたみるめはユリちゃんのモデルをすることに。全裸になれというユリちゃんにドキドキするみるめ。19歳のみるめにとって39歳で自由奔放なユリちゃんは忘れられない存在となっていく。年上のユリちゃんに翻弄されるみるめ。ユリちゃんの言うままに関係を持つだけではガマンできなくなったみるめはユリちゃんの家に行ってみる。中には中年の男性がいてお茶と和菓子などを勧めてくれる。パジャマ姿で起きてきたユリちゃんは悪びれもせず「熊谷くんは夫です。」などと言う。ユリの夫(あがた森魚)はとても温かないい人でますます落ち込むみるめ。そんなみるめを好きなえんちゃんも又傷ついていた。まあ、こんなお話。だが小説の方は表現がなかなかに良い。<心だって重く湿って温かいんだ>とかユリちゃんの夫熊谷くんの描写でも<相当の変わり者だ。でもおそらく常識をもっていて人に合わせることができる。しかしその才能がある分、殻が厚く中には風変わりなものがそのままになっている。ユリがこの人を大事に思うことがわかる。>と書かれている。ユリへの愛情も<あの、笑ったときにできるシワはかわいかったな。手を伸ばして触ると、指先に楽しさが移るようだった。>と描写される。小説の持つ独特の感性が映画では語られないのが残念だった。どう見積もっても、みるめは松山ケンイチではない。みるめは<小鳥の群れが飛んだ。生温かいものが宙に浮かぶことが不思議だ。>と感じるような青年なのだから。ノーメイクで自然体!リトグラフのようなワンピースを着ている永作博美が可愛らしい。美大生のクセにほとんど絵を描いている場面がない!その上、無駄に長い!
マリア・カラス最後の恋(50点)
マリア・カラス死後30周年記念に撮られた映画。監督はジョルジュ・カピターニ。マリア・カラスという20世紀最大のディーバの一途な恋を描く。マリアは貧しいギリシア人移民としてニューヨークに育った。マリアの母は美しい姉ばかりを可愛がり、肥満児だったマリアには美声しかないと随分厳しく育てられたようだ。あるオーディションで100キロもあったマリアは審査員にこきおろされて泣きながら会場を出る。その後を追ってきたイタリア人実業家ティッタ・メネギーニが辛くとも受けるべきだと助言。審査員たちはマリアの才能に驚愕する。マリアに惚れ込んだメネギーニは30歳近くも年齢が離れていたが結婚をし、その財力をもってマリアをスターダムに押し上げる。まずメネギーニがマリアに課したことは30キロの減量だった。1959年運命の時がマリア(ルイーザ・ラニエリは美人女優だがマリア・カラスのようなカリスマ性には欠ける)にやってきた。ギリシア人海運王アリストテレス・オナシス(ジュラール・ダルモン)との出会いである。オナシスには妻ティナ(セレナ・ヴァッレ)と長男アレクサンダー、長女クリスティーナがいた。(ティナの父親は古参海運業を経営しており持参金として石油海運権利譲渡書をもってきていた。)ギリシア難民となり家族をトルコ軍に殺されたオナシスは「無視されない、無視させない存在になる」ことを心に誓い成り上がってきた男だったのである。オナシスのクルーザーで関係を持ったマリアは夫と離別する。オナシスの子供を身ごもり、半同棲をしていたマリアは本妻のティナに離婚を迫るが意外なことにティナは「離婚を承諾しないのは夫の方だ。」と言う。ティナは「オナシスは自分しか愛せない男よ!今に思い知るわ!」と忠告するのだった。離婚は成立するがオナシスはマリアと結婚しようとはせずマリアは子供を死産してしまう。舞台に復帰するがマリアはオナシスの都合のいい女のままだった。1963年に夫ケネディ大統領を暗殺されて未亡人となっていたジャクリーヌ(アンナ・ヴァッレは実際のジャクリーヌより美しい)と出会ったオナシスは1968年10月20日にジャクリーヌと結婚する。(アメリカ進出を狙っての結婚であったと言われている。オナシスという男は自分の得にならないような結婚はしないようだ)それを聞いたマリアはオナシスとの9年間の愛人関係に終止符を打つのだった。1973年に長男アレクサンダーを25歳で失ったオナシスにも陰りが見え始める。翌年、元妻ティナもまた長男を失った痛手からアル中になり死亡。(声の出なくなったマリアも引退する)1975年オナシスも一兆円といわれる遺産を残して死亡した。(病床のオナシスがマリアと会いたがってもジャクリーヌは一切会わせないどころか看病も満足にしなかったらしい。)ジャクリーヌは遺産の取り分を減らされたとして24歳の娘クリスティーナと相続争いを繰り広げる。1977年9月16日マリア・カラスは心臓発作を起こしてパリで亡くなった。一時埋葬されたが1979年にエーゲ海に散骨されたという。オナシスの娘クリスティーナもまた薬物乱用のために37歳で亡くなっている。マリア・カラスは素晴らしい歌姫であったが、女性としては薄幸な人であった。
![]() | マリア・カラス 聖なる怪物 (2004/09/28) ステリオス・ガラトプーロス 商品詳細を見る 独特な美しさをもった歌姫であった。 |
レミング(70点)
![]() | レミング (2008/02/22) シャルロット・ゲンスブールシャーロット・ランプリング 商品詳細を見る |
「ハリー、見知らぬ友人」のドミニク・モル監督の映画である。南仏ガロンヌ県、アラン・グディ(ローラン・リュカ)はホーム・オートメーション開発者。今の会社には破格の給料で引き抜かれた。アランは結婚3年になる妻ベネディクト(シャルロット・ゲンスブールはこういった不安感を表現するのがうまい)と高台にある閑静な住宅街に邸宅を構えて幸福に暮らしていた。今夜はポロック社長夫妻をディナーに招いている。ベネディクトは腕をふるって料理を作っていたが、流しの水がつまって流れない。アランに言うと早速ペンチを使って排水溝をみてくれたのだが、堅くてパイプが回らないのだった。明日、再度修理をするとアランは約束する。ポロック夫妻は約束の時間を大幅に遅れてやってきた。リシャール社長(アンドレ・デュソリエ)は遅刻したことを詫びたが社長夫人のアリス(シャーロット・ランプリングがとても上手で鬼気迫る)はサングラスをかけたままで不機嫌な様子である。アランとベネディクトは戸惑う。前菜を食べているときにアリスは「この人、娼婦に会う約束をしていたの。」と唐突に言う。失礼を謝るリシャールの顔に赤ワインをぶちまけるアリス。暴言を吐き散々非礼なことを言うアリスをリシャールは引っ張って帰るのだった。「ワタシがあんな女になったら殺して」というベネディクト。2人は愛し合うがアランは眠れず排水溝のつまりを修理する。排水溝の中にはハムスターのようなネズミが詰まっていたのだ。それを洗濯機の上に置いておく。朝、ベネディクトはその生き物が生きているので獣医のところへ持っていくと獣医は「これはレミングだ」と言う。レミングはノルウェーとかに生息する生き物なので不思議だと言い、生物学者で甥のニコラに見せたいからしばらく預かっておくという。その日から、2人の歯車が少しずつ狂ってゆく。アリスが突然にやってきてアランを誘惑したといい、休ませて欲しいというのだった。ゲストルームに寝かせるベネディクト。アランも帰宅してきてベネディクトはアリスに夕食を食べないかというがアリスは暴言を吐く。頭にきたアランが部屋のドアを開けようとすると鍵がかかっており、中で暴れている音がする。そして銃声が・・・・・・。どんな風にでも解釈できそうな映画であるが、アリスのような困った人間によって何もかもが狂気にいたる。アリスはレミング?異常に増殖し集団自殺するといわれている動物である。(もちろん根拠はない)
アクエリアンエイジ劇場版(10点)
元々はトレーディングカードゲームNO.1の売り上げを誇るシリーズであるが、2002年<アクエリアンエイジ(水瓶座の時代)オリオンの少年>をもとに映画化された。このカードゲーム、10万人のユーザーがおり1200万パック以上売れたというのだから凄い!!この話には5つの種族が登場するが、<ダークロア>の遺伝子を持つ主人公の日下部要にミュージカル<テニスの王子様>の主役、越前リョーマを演じた桜田通や映画「太陽の傷」でブレイクした木村啓太(天羽つかさ役)など注目の美少年が出演するという腐女子向け映画なのだが、個人的には美少年など出てはいないと思う。監督はミュージックビデオなどを撮影している田原英孝。劇場版だがストーリーはまだ入り口に入ったばかりという進行ぶりであり続編も作るつもりのようだ。一体誰が見るのか?(見る人がいるのだろうが)
マナツの冒険〜黄金の石盤〜(30点)

エッツアルト・オニーケン監督のドイツ映画。「ライラの冒険」のような表紙である。南洋の小島に住むマーク叔父さんから届いた包み。それは家族に癒しを与えてくれるボードゲーム<MANATU>だった。ママのローラは今日が38歳の誕生日。だが誰もそのことに気づいてくれないのだった。朝の慌しい中、ママは「今夜は外食に行くから早く帰ってきてね!」と家族に言う。パパのマシアスと長男ロン、長女のニッキーと次女のベティ誰も「ママ!お誕生日おめでとう!」とは言ってくれないで皆出かけてしまった。ママは美容院へ行ってから買い物に行ったのだが慌ててしまいペットボトルの水6本の代金を払わないでレジを通り過ぎてしまった。今からお金を払いにいくのも面倒くさいと思ったママはそれを車に載せて次女のベティをお迎えにいった。ベティはお人形のリナといつも話しをしているような子供だった。帰宅したベティは宅急便の荷物の中に怪しげな光を放つ包みを見つけるのだった。長男のロンは妹ニッキーの後をつけてデート写真を撮っていたのだが、ママに見つかってしまう。今夜もニッキーはデートに出かけようとするのだが、ロンが家族の約束を優先しろと言うのだった。ところが家族が出かけようとすると車が二台ともドアが開かない。折からのどしゃ降りに仕方なく家に戻ったロンがママの誕生日に気づき家族はママに祝福の言葉をかけるのだった。家族はベティの見つけたボードゲーム<MANATU>をはじめることに・・・・。だがそのゲームは嘘をつくと恐ろしい罰ゲームが待っていた。まづ最初に嘘をつくのはママのローラ。「お前は今日盗みをしたか?」と問われて「いいえ」と答えるママ。ゲームはそこで中断してしまう。静止してしまったゲームに仕方なく家族は寝ることにする。翌朝、学校や仕事に出かけようとするが家の扉や窓はどこも開かない!ロンはゲームを終えようと提案する。ロンの番がきて「お前は妹の後をつけたか?」と問われて「いいえ」と答えてしまう。<MANATU>は二度目の嘘を許さなかった!!家族は深い穴にそれぞれ立つことに・・・・。家族の誰かが嘘をつくたびに命の危険にさらされるのだった。「ジュマンジ」のような話だがいたってチープなつくりである。
ライラの冒険 黄金の羅針盤(40点)
何だか子供だましのストーリーである。英国作家フィリップ・プルマンの「ライラの冒険」シリーズの第一巻「黄金の羅針盤」を映画化。小説の方は教会に対する厳しい攻撃をしているが映画の方はそういった表現はやんわりとしたものである。パラレルワールドの英国オックスフォード、ジョーダン学寮に住むライラ・ベラクア(ダコタ・ブルー・リチャーズは15000人から選ばれた少女であるらしいが、それほどいい子役とは思えなかった)は学寮の下働きの子ロジャーと仲良し。ジプシャン(ジプシーのようなもの)や貧しい子供たちがさらわれていたのだが、ライラは恐れもせず授業をさぼってばかりいた。この世界では自分の守護精霊のような生き物ダイモンを皆連れていたが、ライラにはパンタライモンがいた。子供のダイモンは姿形が定まらず、パン(パンタライモン)もまたフィレットや猫、鳥などに姿を変える。ライラの叔父でアスリエル卿(ダニエル・クレイグ)が大学にやってきてダスト(特別なチリ)が別世界からダイモンを通して流れ込んでいると報告したが、マジステリアム(教権=教会のようなもの)のフラ・パペルはアスリエルを阻止しようとワインに毒を入れるが、ライラによって救われる。叔父と一緒に北極への冒険をしたいライラだったが、叔父に拒絶される。コールター夫人(ニコール・キッドマン)がやってきてライラを連れていきたいと学寮長に言うのだった。出発するという日、学寮長はライラに他は破壊されたった一個しかないアレシオンメーター(真理計)を渡すのだった。これは<黄金の羅針盤>と呼ばれているという。学寮長は「コールター夫人には羅針盤のことを絶対に知られてはいけない。」と言う。新旧のよろいグマの王やエナラ湖の魔女軍団やうさぎのダイモンを連れている気球乗りなど登場人物やそれぞれのダイモンなど、多種多数の登場人物が出てくるのだが、その一つ一つが活かされていないのだ。見ていて甚だ面白くない!!1億8000万ドルもの巨額な制作費を使っているらしいが、大金をドブに捨てたも同然の映画である。しかも続編を作る気マンマンのエンディングにあきれ返るばかりだ。(次回作ではアスリエル卿を救い出すのだろう!又あの自意識過剰のニコキを見るのかと思うとうんざりする。)黄金の羅針盤もまた重要なアイテムには思えないし、ダイモンはそう役にも立たないしどうすればいいのだろうか?脚本・監督のクリス・ワイツも戸惑っているのでは?っていうか監督の人選ミスなのでは?
銀色のシーズン(60点)
71億円という興行収入をはじき出した映画「海猿」の羽住英一郎監督の雪山映画とは聞いていたが、やはり「海猿」には勝てない!佐藤直紀の音楽があまりに大音量でボリュームを下げて見ていただいたほうがいいだろう。壮大な音楽に比べて内容はこじんまりしているが、雪山を滑降するスキーシーンやモーグル、パラグライダー、スノーモービルで水面をすべるシーンなどは見ていて気持ちがいい。爽やかな瑛太と透明感あるヒロインを演じた田中麗奈に好感がもてる。雪山何でも屋の3人組。桃山町の期待を背負い若くしてチャンピオンとなったが、5年前18歳のときにモーグルのワールドカップで転倒して全治10ヶ月の怪我をして2年間のリハビリの後、引退した城山銀(瑛太)と北海道からやってきた小鳩祐治(玉山鉄二)、大阪から流れてきた神沼次郎(青木崇高)はその日暮らし。当り屋やぼったくり、賭けレースなどをしていて、パトロール隊員を率いる宮部(杉本哲太)に目をつけられていた。地元興隆のために町民らは雪で作った教会を建てて、結婚式を挙げるカップルを募っていた。その第一号予約客の花嫁、綾瀬七海(田中麗奈)が到着して町民らはこぞって七海に挨拶するのだが、七海はスキーが滑れないのだった。教会の前を新郎新婦がスキーで滑り降りなければならない緩やかなスロープでさえ七海には滑れない。そこで銀に一日2万円でコーチをしてもらうのだが・・・。
3人はスノーパウダーを作るために小規模な雪崩を引き起こすのだが、雪の教会もまた崩れてしまうのだった。大慌てする町民やホテル・旅館の人々。その混乱の最中、七海の夫についての情報を聞く町民たち・・・・。悪くはない映画ではあるが、インパクトに欠ける。
スーパーカブ(30点)
![]() | スーパーカブ 特別版 (2008/07/09) 風間トオル斉藤慶太 商品詳細を見る |
もう少し面白い話だと思ったのだが、バイク窃盗団の話がメインの映画だった。監督は「キャプテン」の室賀厚。主人公の斉藤慶太が魅力的ではない。セクシー白バイ警官の長澤奈央もミスマガジン・グランプリだという倉科カナもイマイチ魅力的ではない。HAMMERこと浜田武史(斉藤慶太)は友人の真治と競争して負けてしまう。警察につかまりバイクは使い物にならなくなる。父の友人で蕎麦屋<かぶらぎや>の店主(小木茂光)のところで厄介になるが、二度とバイクは乗るな!と釘を刺される。免停の武史は好きなバイクにも乗れず腐っていた。だが真治がバイク窃盗団に入っていると聞き心配する。武史は蕎麦屋の倉庫に住んでいたのだが、そこで90ccのカブを見つける。壊れていたのを部品をよけてもらったりして自分で修理メンテナンスをする。ある日、出前が遠い所になってしまい武史はカブで届けるのだった。カブの走るシーンも早送りにしており甚だ面白くないのだ。80分というのに凄く長時間に感じられた。退屈な映画である。
仮面ライダー電王&キバ クライマックス刑事(60点)
![]() | 劇場版 仮面ライダー電王&キバ クライマックス刑事 コレクターズパック+電キバ祭り (2008/07/21) 特撮(映像) 商品詳細を見る |
仮面ライダーのかってない人気シリーズ電王の見納めということなのだが、最後はキバがいいとこどりをする。ネガタロスというモモタロスに似たはぐれイマジンが登場して(デザイン的にもキバシリーズを感じさせる)ネガタロス軍団が銀行や国会を襲撃する。それを捜査するためにデンライナー署を急遽作ったオーナー(石丸謙二郎)。侑斗とデネブは敵地へ潜入捜査。TV版では見られない、仮面ライダー・キバこと紅渡(瀬戸康史)にウラタロスが入ったりするシーンが面白い!この劇場版のためのデザインもありファン・サービスもちゃんとしている。電王は爆発的な人気で変身ベルトは50万個、DVDは10万枚、本作の興行収入は15億円だというから凄い!あまりの人気に劇場版は2作目ということになった。電車で時空を旅するという設定や5人のイマジンたちの声優が良かった。
子猫の涙ラストファイト(70点)
![]() | 子猫の涙 ラストファイト スペシャル・エディション (2008/06/13) 武田真治藤本七海 商品詳細を見る |
1968年メキシコオリンピックでバンタム級銅メダリストに輝いた伝説のボクサー森岡栄治の半生を娘治子の視点から描いた作品。監督・脚本は森岡栄治の甥で劇団ストレイト・ドッグを主宰する森岡利行である。ボクシングのメダリストとしては史上3人目の快挙であり彼以降は誰もなしえてはいない。森岡栄治を演じる武田真治が見事に体を絞り込み、ボクシング場面も臨場感あるものとなっている。ナイナイなどに出演したりしているので大丈夫か?と一時は思ったが役者としては上手な人なのでやはりスクリーンで活躍して欲しいものだ。栄治(武田真治)は1975年網膜はく離を起こして引退を余儀なくされる。11戦7勝4敗の成績であった。妻和江(紺野まひる)は働かない栄治に代わってホステスとして働くが栄治は毎日遊んでばかりいた。娘の治子(藤本七海が大人を食う演技)は夫婦喧嘩の絶えない家庭で育ったが、バレエだけが治子の心のよりどころであった。栄治はヤクザの用心棒をしていて親分の命を救ったことから親分からボクシングジムをやってみないかと言われる。ところが妻が客と歩いている所を目撃、客と妻を殴って気絶させる。怒った妻は治子と弟を置いて家出するのだった。しばらくして栄治は若い裕子(広末涼子)を連れて帰る。ドラネコのような裕子のためにキャバレーまで開いてやる栄治。そんな栄治に治子は「ボクシングなんて!こんなもん!」といいトロフィーをメチャクチャにして栄治にぶたれるのだった。そして映画は2004年食道ガンで栄治が59歳で亡くなるまでを描く。現在、兵庫県川西にある森岡栄治ボクシングジムを長男である森岡和則氏が継いでいられる。このジムを棟上したときに栄治が記したものが残っている。
一、世の中は皆のもの 一、ガツガツがっつくな 一、なるようにしかならない 一、人は生まれたときに一生が決まっている 一、夫婦仲良く 一、人に後ろ指をさされるな 一、今すべきことをしろ
和則氏は父のこの言葉を胸にジムを守っている。娘の治子さんはバレエ教師をしているそうだ。
マーゴット・ウェディング(20点)
![]() | マーゴット・ウェディング (2008/07/04) ニコール・キッドマンジェニファー・ジェイソン・リー 商品詳細を見る |
「イカとクジラ」のノア・バームバック監督らしい映画である。この映画に出てくる人間に愛すべきキャラクターは一人もいない。見終わった後は不快感のみが残る。自虐的を超えて他虐的な作品!作家のマーゴット(ニコール・キッドマンはこういった嫌な役柄がとても似合う)は息子のクロード(ゼイン・パイス)を伴って、妹ポーリン(ジェニファ・ジェイソン・リーもまた見ていて腹の立つキャラを演じるのがうまい)の結婚式に出席するために数年ぶりに実家に帰ってくる。ポーリンの夫になるマルコム(ジャック・ブラック)は自意識過剰で見た目も悪く、売れない画家と聞きマーゴットは嫌悪感を抱く。久しぶりに再会したポーリンは妊娠しており、「愛の真実」という著書を出しているラブ・カップル・セミナーでマルコムと知り合ったという。過去にもカルト宗教にはまったポーリンを知っているだけにマーゴットは不安でならない。マーゴット自身も夫と離婚を考えており、神経症の彼女は向精神薬依存症にかかっていた。まあ平たく言えば似たもの姉妹なのである。この家族、食事中にもロクな話をしない。マーゴットは不安になると息子のマルコムが傷つくようなことを平気で言うのだ。親子・兄弟・姉妹というものは時として近親憎悪を抱きやすいものであるが、この一家はその範疇を越えている。そんな親に養育されているせいかここに出てくる子供たちもまともではないし隣人でさえとても嫌な奴だ。不愉快な映画である。
ビッグ・トラブル(40点)
英国=カナダ合作映画。「less」のジャン・バティスト・アンドレア監督。小さな二転三転がありそれほど斬新でもない進行をする。チャーリー・ウッド(デヴィッド・シュワイマー)は作家志望だが、何時まで経っても売れずFBI捜査官の妻ペネロペに養ってもらっている。妻はお金では人は幸福にはなれないとチャーリーをいつも支えてくれているのだが、チャーリーはお金が全てだと思っていた。それでコールセンターに働きに出るのだが、初日から失敗してしまいクビになる。コールセンターで知り合ったガス(サイモン・ペッグ)が一緒に一儲けしようと持ちかける。エロ牧師のスモールズを脅迫して10万ドルせしめようというのだ。儲けは折半することに話は決まるがガスの元恋人でティーン・エイジャーのジョージーが盗み聞きをしていて話に加わるのだった。ジョージーが脅迫電話をかけて、アリバイ工作もバッチリ!だったはずだった。ガスが牧師の家に金を受け取りに行くと見知らぬ男に脅される。何とか頭を殴打して逃走するが、心配したチャーリーが牧師の家に行く。すると牧師と思われる男が死んでおり、驚いたチャーリーは死体を下水溝へ放り込む。ガスと二人で床の流血をふき取っていると警察がやってきて牧師が車の中で死んでいると言う。牧師が撮影したと思われるスナッフビデオや牧師を殺害したという牧師の妻。妻は200万ドルの現金をどこへやったのかと銃をつきつける。次々と増える死体!チャーリーの語るウンチク以外面白いものはない!!!あまりにも細かなドンデン返しが嫌になる。
ジェシー・ジェイムズの暗殺(50点)
ビリー・ザ・キッドとジェシー・ジェイムズはお尋ね者として有名だが、原作者のロン・ハンセンはジェシーを暗殺したロバート・フォードに焦点を当てて、ジェシーの最後の7ヶ月間とその後のフォード兄弟の動向を入念にリサーチして執筆した。原作を読んだブラッド・ピッドが感銘し映画化にこぎつけた。脚本・監督はニュージーランド出身のアンドリュー・ドミニク。前半は長丁場であるが後半、ジェシーを暗殺してからのフォード兄弟の人生が興味深い。フォード兄弟を演じた二人の俳優が良かった。兄のチャーリー(サム・ロックウェル)とロバート(ケイシー・アフレックはベン・アフレックの弟だが兄よりうまい役者である)がジェシーを裏切り背後から撃ち殺したのだが、その後の兄弟がその暗殺劇を800回も上演したというのが面白い。暗く静かなニック・ケイブの音楽と美しい映像(夜半の列車強盗シーンや一幅の絵画のような雪景色など)で魅せるロジャー・ディーキンスのカメラが良い仕事をしているが派手なお尋ね者の映画を期待している人には面白くない映画であろう。ジェシー・ジェイムズという男は1847年9月5日にバプテスト派の牧師の末っ子として生まれた。先祖はタバコ農園などを経営し奴隷を使役していたような裕福な家だったが、ジェシーの父親の頃にはそうでもなく牧師でありながらカリファルニア金鉱へ行き客死している。母とその再婚相手に養育されたジェシーは16歳の時に南北戦争の南軍ゲリラ(カントリル)に入って殺人・強盗を覚えた。同じく南軍に入っていた兄のフランク・ジェームズ(サム・シェパード)や従兄弟たちと列車強盗や銀行強盗をするようになる。(ちなみにジェシーらが1886年2月13日に世界初の銀行強盗をしたが、この日は銀行強盗の日に制定されているという)実物のジェシーはブラッド・ピッドより繊細な感じの優男である。なぜ仲間に裏切られて暗殺されたのかという経緯が語られる。1881年9月5日の銀行強盗が失敗に終わってからのジェシーが疑心暗鬼にかられており仲間を殺害したことや、ジェシーには10000万ドルの懸賞金がかかっていたことなどが挙げられるが、映画はロバート・フォードが少年時代からジェシーに憧れていたことや、ジェシーに自分を重ね合わせていたことなどが語られる。ブラッド・ピッドの映画で素晴らしい作品というものは少ないが、この作品も大抵の人にはつまらないものであろう。
陰日向に咲く(20点)
![]() | 陰日向に咲く 通常版 (2008/07/16) 岡田准一宮崎あおい 商品詳細を見る |
もっとマシな話かと思っていたのだが、劇団ひとりの原作がこの映画どおりなら実にくだらない内容である。幻冬舎という出版社は割りにいい本を出版すると思っていたのだが、ガッカリした。お坊ちゃん育ちの人が書いたような内容である。女性に対する甘い幻想を持っている人間であることは一目瞭然だ。作家というものはもっとテーマを深く掘り下げて書くものだ。昨今は軽い読み物が流行るのだから出版社も信念を曲げるのだろう。4つくらいの話が微妙に重なるのだが、スッキリした終わり方ではない。どのエピソードも現実味に欠けるし感動を呼び起こすものではないのだ。陰日向に咲くというタイトルの意味さえ見出せない。こういった意味の履き違えを出版社は許すのか?アキバ系おたく、ゆうすけ(塚本高史)と売れないアイドル、みゃーこ(平山あや)の話もモーゼというホームレス(西田敏行)とそれに憧れる会社員(三浦友和)の話もパチンコ依存症になり400万円の借金をこしらえている健一(岡田准一)がオレオレ詐欺を働こうとする電話口の老女の話もストリップ劇場の前座で漫才をしていた鳴子とその娘寿子(宮崎あおいの二役)の話など、どれも安易なつくりであり鈴のついたお守りや桃缶などのアイテムも生かされてはいない。監督は「白夜行」や「そのときは彼によろしく」の平川雄一郎である。あまり出来の悪い映画を見ていると、脳の活性化どころか鈍化状態を招きそうである。
パッチ・アダムス(85点)
![]() | パッチ・アダムス (ユニバーサル・セレクション第6弾) 【初回生産限定】 (2007/12/13) ロビン・ウィリアムス.モニカ・ポッター.フィリップ・セイモア・ホフマン.ボブ・ガントン.ダニエル・ロンドン.ピーター・コヨーテ.ジョセフ・ソマー.アーマ・P・ホール 商品詳細を見る |
1943年生まれのハンター・アダムス(ロビン・ウィリアムス)は1969年に自殺未遂をして精神病院に入院したが、ジョークで患者たちを癒すことを知る。富豪だが天才病のアーサーがそんなアダムスを見て<パッチ>(絆創膏)というあだ名をつける。自分が何をすべきかを知ったアダムスは自ら退院し2年後にバージニア大学医学部に入学する。同級生のトルーマン(ダニエル・ロンドン)と病院に潜入して見つかり学部長のウォルコット(ボブ・ガントン)に放校処分にされるところを学長に直談判して免れるのだった。その後も懲りずに小児病棟に潜入、小児ガンにかかっている子供たちの前で浣腸用の赤いゴムボールを鼻につけてピエロの真似をする。そしてパッチ・アダムスは笑いが痛みを緩和することを知るのだった。アダムスは同級生のカリン(モニカ・ポッター)に気があるのだが、カリンは男子学生には心を開こうとはせず冷淡だった。ルームメイトのミッチ(フィリップ・シーモア・ホフマン)は大して勉強もせず出歩いてばかりいるアダムスの成績がいいので腹立ち紛れに学部長に讒言する。その頃アダムスは死期の近い老人にもう一度したいことを聞く。老人は「もう一度サファリがしたい!」と言うのだった。アダムスはトルーマンや無理矢理連れてきたカリンらと風船で動物を作って、玩具の銃で老人にサファリをさせてやる。楽しげな老人に隣の老女が「私はヌードルのプールで泳ぐのが子供の頃からの夢なの!」と言う。305号室の末期ガン患者に手を焼いていた看護婦たちに代わって看護をするアダムスに患者が心を開く様子を見て看護婦長のジョレッタらは、アダムスの行動を見て見ぬフリをしていたのだが、アダムスは現場を見るにつけ現在医療の行き詰まりを感じる。アダムスの夢は無料病院を建設することだった。精神病院での入院仲間だった富豪のアーサーに出資してもらい、バージニア州ポカホンタスに小さな医院「ゲズントハイト・インスティテュート」(お大事に!という意味)を建設する。そんな頃、一人の精神病患者の男にカリンが殺害されてしまい、アダムスは何もかもが嫌になり無料病院の夢も空しくなり辞めると言い出すのだった。だが同級生らに引き止められて、再度立ち上がるアダムスだった。ハンター・アダムスは2003年にも来日したが、この人の過去がこれほどに過酷だとは思えないほど穏やかな紳士に見えた。パッチ・アダムスの運動は世界規模で広がり、日本でもピエロの扮装をして病院回りをする若者が増えている。
時雨の記(70点)
![]() | 時雨の記 (2005/01/21) 吉永小百合 商品詳細を見る |
中里恒子の名作を吉永小百合が映画化を熱望して澤井信一郎監督が映画化した。京都に時雨亭というのは3箇所あり、本作は常寂光寺裏の時雨亭跡を指している。藤原定家が「名月記」を執筆したと言われる時雨亭は時代を下って、常寂光寺・二尊院・厭離庵と3箇所がここが時雨亭であると主張したのだ。この作品は不倫を扱っていながら二人の間には肉体関係は一切ない。(渡辺淳一氏などは紫式部は性愛を知らない冷感症だと言っているくらいだから、こういったシュチエーションはありえないと言いそうだが)昭和建設の専務、壬生孝之助(渡哲也)はホテルのパーティ会場で20年ぶりに堀川多江(吉永小百合)に再会する。20年前、壬生は会長の葬式で多江を見かけており彼女の清楚な姿を忘れられずにいた。友人に聞くと夫を亡くして今は鎌倉の家で活け花教室をして細々と暮らしているという。壬生は半ば強引に多江を食事に誘ったり、彼女の家に足しげく通ったりするのだった。最初は迷惑そうだった多江もまた壬生の豪放磊落な性質に惹かれてゆくのだった。56歳の壬生と48歳の多江にとってはそれで十分だったのである。多江は道具一つとっても新しいものは買わず、古いもので代用してしまう。男手のない家はあちこち傷んでおり壬生が修理してやると喜ぶのだった。際限なく物を買いそれでも満足しない妻佳子(佐藤友美)とは全く違う多江のことがますます愛おしく思える壬生だった。秋の佳日、二人は京都へゆき定家ゆかりの時雨亭跡を散策する。そして奈良へ回り飛鳥丘陵から吉野の山々が望める場所に来た二人。ここに庵を立てて二人で住もうと壬生は約束する。ところが壬生はまもなく心臓発作で入院してしまう。多江は早速、見舞いにかけつけるのだが本妻の佳子の姿を見てしまうのだった。現実を見てしまった多江は活け花の師匠から勧められていた京都行きを承諾する。年号が昭和から平成に変わり壬生はスペイン出張から帰国する。ある決意を持って妻に別れを切り出す壬生だった。「余生は自分の心のままに生きたい!」と。そして壬生は多江に一緒に京都で住もうと言う。そして思い出の時雨亭で落ち合う約束をするのだが、多江が駆けつけるとそこには倒れて苦しげな壬生の姿があった。・・・・・ラストは一抹の幸福を遺して話は収束する。作者は女性であるから、どちらの女にも身が立つように終わるのだ。(心中などされたら後に残されたものは一生の傷になるだろう)私はこの2人の役者に関しては直撃世代ではないので、そういい俳優にも思えないのだが(団塊世代の方ごめんなさい)高校時代に読んだ中里恒子が忘れられないのである。映画では佳子が多江のところへやってきて壬生が持ってきた香炉を庭にぶちなげる場面があるが、小説にはそんな過激ないやらしい場面はない。中里氏らしく上品に筆を進めているのだ。
英国式庭園殺人事件(75点)
![]() | 英国式庭園殺人事件 (2007/02/24) アンソニー・ヒギンズ 商品詳細を見る |
ピーター・グリナーウェイ監督の別の才能が見れる映画。この作品の中に出てくる絵画は全て監督自身によるものである。(美術学校出身)音楽はマイケル・ナイマン。17世紀中頃、英国南部ウィルトシャーの郷紳(ジェントリー)であるハーバート氏の邸宅に呼ばれた画家ネヴァル(アンソニー・ヒギンズ)は氏の妻ヴァージニアからハーバート氏が大切に手入れをしている庭園の絵を氏が戻る前に12枚描いてくれと依頼される。絵は一枚につき8ポンド、夜の伽は夫人が提供するというのだった。悪くない条件にネヴァルは引き受けるのだが、翌日になって夫人が指定した第一の場所にカンヴァスを立てるネヴァルは風景の中に異様なものを見つける。それは留守のはずの氏のシャツであったりマントであったり、時には引き裂かれた上着だったりする。景色の調和を破るそれらの不穏なものに多少苛つくネヴァルだったが、豪華な食事と夫人の甘美な夜の饗応は魅力的すぎるのだった。屋敷には夫人の娘サラと夫のタルマンも同居していたが、ある日サラはネヴァルに「母は単純な女ではありません!」と謎のような言葉をささやき自分も夜の相手をしたいのだが・・・と言う。夫人の熟した魅力もいいが娘の若い肉体も貪ってみたいと思うネヴァルに断る理由はなかった。夫人が指定した風景にはやはり不思議なものが紛れ込んでいた。寝室の窓にかけられたハシゴや銅像に思える男が動き出したり謎は深まるばかり。だがネヴァルは約束の絵をかき上げる。ある日、ハーバート氏の死体が庭で発見される。公証人のノイズ氏はサラの不義の証拠が絵の中に隠されていると言いタルマンにたかく売りつけるのだった。その金でハーバート氏の記念碑を建てるといい、再びネヴァルを呼び寄せて下絵を描かせるのだった。ネヴァルには夫人は囁く。「種を残すのに役立ってくれたわ。」と・・・・。数日後、目をつぶされて殺害されているネヴァルの遺体が転がっている。この映画は真相を語らない。この経緯をどうとるかは観客にゆだねると監督が言ったかどうかは知らない。
天使のくれた時間(80点)
![]() | 天使のくれた時間 (角川文庫) (2001/03) デヴィッド ダイアモンドデヴィッド ワイスマン 商品詳細を見る |
もし人生の分岐点に戻れるとしたら、あなたは何年前に戻りたいですか?2000年のブレッド・ラトナー監督の心あたたまる映画である。音楽はダニー・エルフマン。ジャック・キャンベル(ニコラス・ケイジ)の場合は13年前が分岐点だった。ジャックはウォール街で成功を収めて大手金融会社の社長の座に君臨していた。マンハッタンの超高級マンションに住み、乗っている車はフェラーリだ。まさに順風満帆!男なら誰もが夢見る生活だったが、当のジャックは多忙で孤独、なぜこんなことになったのか?とたまに思わないでもない。13年前、恋人のケイト(レイノルズ・ティア・レオーニ)が行かないで欲しいというのを振り切ってロンドンに旅立った。「たとえ100年離れていても僕らは変わらない。」と言い残したまま13年が経ってしまった。もう手遅れだとジャックは思う。クリスマス前夜、今日も多忙だったジャックは夜半、デリカッテセンに寄り道したのだが一人の黒人男性が宝くじの当たり券を手に銃を振り回している。200ドルの当たり券が引き換えてもらえずキレたらしい。ジャックは200ドルでその券を買い取ってやろうと申し出た。するとその男キャッシュ(ドン・チードル)は「これから起きる事は、あんたが招いたことだ。」と不思議なことを言って立ち去った。翌朝、ジャックは子供の声で目を覚ます。ベッドの横にはあろうことかケイトが眠っているのだった。夢かと思うまもなく二人の子供たちを保育園に送るようにケイトに指図される。表に出るとジャックのフェラーリは跡形もなくファミリーワゴン車が停車していた。とりあえず息子のヴェガのおしめを換えて言われたとおりに保育園に子供を送り届けた帰りにマンションに寄ってみるがドアマンに門前払いを食わされる。会社へも行ってみるが社長プレートには別人の名前がのっていた。仕方なく自宅に戻り、隣人と話してみるとケイトはボランティア弁護士をしており自分はケイトの父エドが経営するタイヤ店でセールスをしているらしいのだった。店に出かけてみると店員たちはスポーツの話題ばかり、定時に帰宅すると犬を散歩につれて出るのがジャックの役目だった。余りにも以前とか違う人生!だがジャックはその暮らしが生き生きしたものに思えるのだった。ある日、自分のフェラーリを見かけるが車内にはキャッシュが乗っており「自分で答えを出すんだ!」という。ジャックはどちらの生活を選択するのか?こんなことが可能ならやってみたい。
嗤う伊右衛門〈60点)
![]() | 嗤う伊右衛門 (角川文庫) (2001/11) 京極 夏彦 商品詳細を見る |
京極夏彦の傑作を演出家の蜷川幸雄が映画化。大切な役柄の小雪や池内博之が大根役者なので、顔をしかめたくなる箇所は多々あるが、まあまあの出来である。冒頭の岩(小雪)が醜い顔であるにも関わらず、堂々と人ごみの中を歩き振り返る場面などはよく出来ている。蚊帳の中に座する伊右衛門(唐沢寿明)に直助(池内博之)が一人語る場面なども原作は見所となる場面なのだが、直助の言葉がよくわからず魅力が半減している。悪役の喜兵衛(椎名拮平)もまた異常性ばかりが目立ち奇矯な人間となっているし、岩にいたっては伊右衛門に「いやじゃ!いやじゃ!」となじるシーンがあるのだが、ほとんど子供の駄々っ子である。(子役のほうがうまいかも)従来の伊右衛門は悪役であるが京極版は、心は死んでいるが善人の役であり唐沢寿明はよく似合ってはいるが、原作のイメージとは違う。(台詞もちゃんと言えてるし悪くはない)御行乞食の又市(香川照之)に関しては言うことはない!演技がうまいからねえ!この話は岩と伊右衛門の二人以外は全員、悪人なのだ。顔は醜いが正しい心の持ち主、岩によって(悲劇ではあるのだが)浄化されるという物語なのだ。脚本は筒井ともみであるので、しっかりしたシナリオとなっている。音楽は宇崎竜童なのでどうかと思うが・・・。原作を読まれることを強くお勧めする。暇があればDVDも・・・ということで。浪人の境野伊右衛門は、又市の口ききで民谷家の入り婿となる。伊右衛門にとって民谷の娘、岩の美醜などどうでもよい事であった。初夜を迎えた朝、伊右衛門は岩の顔半分の崩れをまともに見てしまい「すまぬ!」と詫びてしまう。それが岩には小癪でならない。だが伊右衛門は岩のまっすぐな心根に惹かれてゆくのだった。岩もまた美醜で自分を見たりしない伊右衛門に心を寄せてゆく。だが、筆頭与力の伊東喜兵衛は二人の仲むつまじいのを忌々しく思っていたのだ。顔に痣が出来る前の美しい岩に執心だった喜兵衛は、嫉妬と猜疑心の塊のような男だった。それで伊右衛門を妾宅に呼んで、妊娠した愛人のお梅をあてがおうとする。お梅は残忍な喜兵衛より優しい伊右衛門に思いを寄せるのだが。一方、岩もまた喜兵衛に呼び出されて、伊右衛門の子供をお梅が身ごもったと教えられるのだった。岩は伊右衛門の幸福を思い民谷の家を出て、市井の暮らしに身を落とすのだった。岩は夫の幸福だけを願っていたのだが、真相を知らされるときがやってくる。二人の運命はどうなるのか?
エンジェル(65点)
![]() | エンジェル (2008/07/02) ロモーラ・ガライ 商品詳細を見る |
「8人の女たち」「スイミング・プール」のフランソワ・オゾン監督の本作は25億円もかけたコスチューム・プレイ映画である。相変わらず女性に対して辛辣なものだが、その眼差しは決して冷たくはない。
1900年英国ノーリーの下町で父親の遺してくれた食料品店を女手一つで切り盛りしている母と二人暮らしのエンジェル・デヴェレル(ロモーラ・ガライはスタイルもいいし美しい女優だ)は16歳。丘の上にある憧れの豪邸パラダイスを眺めていて今日も遅刻する。作文の宿題に大時代ロマンス小説を書き、教師に有名な小説を引用したと思われる。エンジェルには虚言癖があり自分の出自さえ嘘をつく。パラダイス屋敷で働くロッティ伯母さんが、お屋敷のお嬢様アンジェリカ(ジェマ・パウエル)の世話係の仕事をエンジェルに持ってくるがエンジェルは鼻にもかけない。下層階級出身で読書嫌い、それなのに上流階級のことを想像をめぐらせて書いた「レディ・イレニア」の原稿を出版社に送るのだった。発行人のセオ・ギルブライト(サム・ニール)から連絡が入り早速ロンドンへ行くことに。文章の中に所々おかしな箇所があり訂正するよう求めるセオの言い分にも耳を貸さないエンジェル。セオの妻ハーマイオニー(シャーロット・ランプリングは監督のお気に入りだ)のピアノ演奏にも退屈そうにして「あの首飾りは本物の真珠なの?」とセオに聞いたり無作法この上ない。自己中心的で自分勝手、どうしょうもなく嫌な女なのだが、エンジェルの徹底ぶりは物凄い!(どこかのタレントのように泣いて言い訳をしたりしないし、言行を翻したりしない。)だが本は売れエンジェルは売りに出ているパラダイスを買うのだった。「レディ・イレニア」は舞台化されて文学賞を受賞する。その祝賀パーティでノーリー卿の姪ノラ・ハウ・ネヴィンソン(ルーシー・ラッセル)がエンジェルの崇拝者だと言って挨拶する。エンジェルの目はノラの弟エスメに釘付けになるのだった。エスメ(マイケル・ファスベンダー)は売れない絵画を描いている孤高の画家だった。数日後ノラは秘書にしてくれと言いに来る。エスメに一目ぼれしたエンジェルは承諾するのだった。「弟は良くない人間なんです。」という忠告も耳に入らない。(明らかに女癖が悪くエンジェルを金づるくらいにしか思っていない)その頃、母が亡くなるがエンジェルは見事に復活し、新刊「ヴェネチアの想い」の出版記念パーティで真紅のドレスで登場し、エスメにプロポーズする。エンジェルはエスメの借金を肩代わりしてやるというのだった。ところが第一次世界大戦が勃発しエスメは志願入隊して出て行く。ショックの余りエンジェルは流産してしまうのだった。休暇にも一度も帰ってこなかったエスメは片足を亡くして帰ってくるのだった。エスメの借金は増える一方だったが、エンジェルはエスメを支え続ける。そしてエスメは自殺するのだが、エンジェルは驚愕の事実を知ってしまうのだった。エンジェルは非常に嫌な女なのであるが、周囲の人間も決していいとは言えない。もっと悪意のある人間もいるのだ。こういった逆転劇はオゾン監督の得意芸である。
ザ・ヒットマン(5点)〜「ヒットマン」と間違うの巻〜
私が珍しく騙された映画。表紙がティモシー・オリファントの「ヒットマン」にソックリ!(よくよく見れば髭を生やした親父だった)皆さんもご注意ください!もう笑うしかない状態!こっちはアルツハイマーを患っている初老のヒットマン、レダ(ヤン・デクレール)。しかも120分余りもある。オランダもセコイことします。これ何人くらいが騙されたのかな〜って私だけ?
![]() | ヒットマン 完全無修正版 (2008/09/03) ティモシー・オリファントオルガ・キュリレンコ 商品詳細を見る こちらが本物!スキンヘッドと美女が目印である。 ポージングまで一緒で紛らわしいったらない!! |





















